見出し画像

ネイティブ講師を推してる語学学校に思うこと

2年前の今日、当時はセブに住んでて、この日はLabor Dayの祝日だった。
スーパーで買い物して家に帰っていると、道端で白人男性からふと声をかけられた。

"Can I ask you about the time? (今何時ですか?)"

時計か携帯を忘れたのだろう。
何時か教えてあげて、会話が終わるかと思いきや彼は世間話を始めた。

"So, do you go to the Japanese school over there? (ところで君はあそこにある日系の学校に通ってるの?)"

彼は私の職場である英語語学学校を指差しながら聞いた。

私はそこで働いていることを伝えた。

彼は会話を続けた。

"Do you guys have foreign teachers? (君たち外国人の先生雇ってる?)"

ん?なんか見た目旅行者っぽいし、この地で働き場所を探してるのかな… と若干不審に思いつつ、勤務先ではフィリピン人講師が教えていることを伝えた。

すると彼は耳を疑うようなことを言ったのだ。

"Oh really? They can't teach the real thing, right? (あーそうなの?フィリピン人じゃ本物の英語教えれないでしょ?)"

ふぁーーーーーー!!!!!こいつ何様!?と、バリ腹がたった。

苦笑いしながら、「御社の先生はみんな優秀ですよー」とさらっと言って「では✋」とその場を後にしたが、彼が自分はネイティブだというだけで有利に立とうとしてる感が溢れ出てて、怒りがこみ上げてきた。

ただ、ここまで腹が立つ言い方しなくても、ネイティブが故に外国語学習業界で良い待遇を受けている人は少なくない。

日本国内にあるオフラインの英会話スクールは、ここぞとばかりに【ネイティブ講師】という言葉をブランド力の1つにしている。

オンライン英会話でも、欧米のネイティブ講師とフィリピンなどの非ネイティブ兼の先生では、受講料が全然違う。
(フィリピンも英語圏だから、英語ネイティブって言っても良いと思うんだけどな)

あっ、セブ居た時は日本語教師の資格もないのに、現地で日本語学校やってる日本人がちょこちょこいてもやもやしたなー…

自身の第一言語(母国語)を、その言語を第二言語(外国語)として学んでいる人に教えることほど難しいことはない。
だって第一言語は生まれながらに家庭や生活の中で自然に習得するから、習得する上での難所がない。
だから文法とか発音の仕組みとか知らなくても、知らぬ間に習得している。

そのため、第二言語として文法の解説や発音のコツはしっかりその言語を論理的に学んだものにしか出来ないのだ。

どれだけその言語が『流暢』に使いこなせるからと言って、『教授』出来るわけではない。

特に言語習得の初期段階では、その言語への馴染みやイメージがないから、ネイティブとか非ネイティブとか関係なしに、ちゃんとその言語の仕組みを教えることが出来る人から学ぶことが健全だろう。

フィリピン留学やオンライン英会話で東南アジア兼の先生から教えてもらうのがここまで流行ったのは、安価で学べることだけでなく、先生たちが英語を第二言語として習得し、学習者がつまずくところに寄り添いやすいからだ。

これを読んでくださってる皆さんは日本語話者かと思うので、ご自身を例に考えてみるとわかりやすい。

皆さんは日本語を日常的に使うことが出来、「漢字苦手ー」とか「尊敬語とか謙譲語とか未だよく使い分けれてなーい」とか言いながらも、日本語の4技能(読む書く聞く話す)は日常レベルだったら問題なく出来るだろう。

そんなあなたが日本語を学び初めの日本語初心者さんに教えるとしたら…

「は」と「が」の違い。
ら行と英語のRとの発音の違い。
カタコト発音をどうやったら自然にな日本語に直せるのか。
などなど

ね?簡単じゃない。

日本語ネイティブである自分が出来ないことを、教授経験や資格がない英語ネイティブに求めることはもう辞めたほうがいい。

ほんとに日本人の英語力を上げたいのなら、ネイティブ講師を雇う前にするべき改革がいろいろとあるはずだ。


なーんてことを、2年前のあの怒りからずっと思ってるけど、自分自身英語も日本語もちゃんと教えれない(一応日本語教師の資格保持者)から、何もアクション起こせてない生意気野郎 が私という人間です。苦笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?