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桜味の到来と青い雲

無印良品へ行く。
用事があるわけではないけれど、休日に普通の洋服を着て外に出かける事が週末を背にする時間には重要になってくる。
休日を満喫した気持ちになるからだ。
さらに休日にお出かけしたという事実が、月曜日の朝の憂鬱をほんの少しだけマシにしてもくれるのだ。
そういうわけでぐうたらしそうな日曜日にはママチャリをギーコギーコと漕いで行く。
おぅおぅ、店内は桜味で満開じゃないか。
迷うことなく不揃いバームの桜味を引っつかむ。
冬のイチゴ祭りから春の桜味祭りは夢のようにスムーズにやってくる。
なんならまだイチゴ様が玉座に鎮座中だ。
両手に花で春で目は痒い。
青い春と書いて青春と読むが、実際に春の雲は青いと思う。
人生に何度か訪れる、自分でどうにかしないとどうにもならないどん底の時、春が来てクシャミも鼻水も止まらなかったがかなしくて涙も止まらなかった頃、すごい風が吹いていて雲は青くて、世界が青の悪魔に飲み込まれたようで、あんなにかなしかったのに、かなしみを超えて怖かったんだった。
あれから毎年、桜味のうららかな春の中、青の悪魔は絶対にやってくる。
今日の無印良品からの帰り道がそうだった。
人間がどんなに進歩しようとも自然には到底勝てないという事を忘れるな、と言いに来る。
何もできない頃は100%親に育ててもらったのに、制服のスカートの丈を長くしたり短くするようになって、もう自分でなんでもできると思い込んでから、若さのエネルギーと体力が親に勝るようになった。
しかし自分がどん底に落ちた時に、こどもを全力で守るという意志を目の当たりにして自分の思い上がった根性を恥じた。
今はやれ携帯電話から音声が出ないだのと言ってはすぐに呼びつけられるが、本当にいざという時にはやはり親には勝てないだろう。
青い雲から親を思う日曜日の夕暮れである。

それではみなはん、また明日。
眠れない夜も眠たい夜も今日の終わりにNIGAOE Portraitで会いましょう。
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※このnoteはオンラインショップのブログ【DIARY - 徒然】と連動してます。
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