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29歳になりました。

29歳になりました。


28歳の1年間は多くのことを知った気がしています。28歳は最初から最後までアメリカで過ごしたので、なんと言ってもまずは「駐在員としての働き方」というものを身をもって経験した気がしています。海外で働きたい!の一心で生きてきましたが、駐在生活は想像していたようなものではなかったかもしれません。ひとえに私の想像力が足りていなかっただけとも言えますが。

決して人数の多くないオフィスで、日本本社からの要望事項は多く、私のような平社員1人で到底どうにもできないことを言われることもあったりなかったり。なんというか、これまで関わってきた人からの期待も込められたものだと思うので、簡単に受け止められない自分を悔しく思うことも多々ありました。

圧倒的な知識と周りの人を巻き込む力(自分の力を超えるものは手伝ってもらったり、人の知識をなんとか借りたり、枠組みを作って従ってもらったり)、そしてなによりも明るさ100%の心。できます!やります!頑張ります!といったような精神も少なからず求められることを感じました。知的でエネルギッシュで快活であるといったような。

夏にお客さんの監査に同行したのは入社以来初めての経験で、約1週間、朝昼夜をお客さんや上司たちと一緒に過ごした日々は、なんとも言葉で表しにくい感情の連続でありました。
夏のそれらの日々に限ったことではないけれど、平社員として、明確に決められたルールの中、ひたすらにあくせく働いていた日々から一転、会社の代表として(数少ない駐在社員としての意)、常に誰かの窓口となり、常になんらかの責任を負うことは、間違いなく私に一定以上の負荷をかけ、私を良くも悪くも強くしたと思います。

その中で、期待に応えられたこともあったと思いたいですが、同時に、自分を守るために強くなりすぎた(大きくなりすぎた、過度な自信が作用している)部分もあることを悟っていて、もっと謙虚に、もっと穏やかに、もっと地に足をつけて、生きねばならないと思っています。私に今できないこと、わからないこと、知らないこと、それらにもっときちんと向き合わないといけないと日々感じます。この段階を怠ると、いつか私の鎧と本当の私自身の間に隙間ができてしまうのだと、なぜだかわかりませんが、確かにそう感じています。

次に思うことは、方針のある人でありたいということです。

もっというと、場当たり的な人間でありたくないということです。今年の昇格試験は無事合格させてもらえたので、帰国後はおそらく後輩や部下に助けてもらう日々になると思うと、一貫性のない上司への従いにくさについて、いろいろ考えたのでありました。

派生すると、何が大切で、何が大切ではないか、という指標をはっきりと持つことこそが、大人になることではないかと思うのです。

よりプライベートなことでいうと、アメリカに来て一通りの四季を経験しました。

幸いなことに、あるアメリカ人から家族の一員のように接してもらってきました。

4th of July, (いとこの息子の)卒業パーティー, September fest(OctoberFest), Thanksgiving, Christmas, New Year, St. Patrick day, Birthday Party, Easter… いろんなイベントに誘ってくれました。

イベントに合わせた装飾がされた家に、家族みんなで集まってご飯を食べました。いくつかの違う家にもお邪魔したけれど、いつもどこでも季節に合わせた装飾がされていました。クリスマスは会社の事務所にも、ピカピカ光るライトやスノーメンたちを飾りました。

季節やイベントを目一杯楽しむ。そうすることで思い出がいろんな色とともに脳裏に浮かぶということを知りました。アメリカ国旗の赤と青、ビールの黄色やオレンジ、ターキーのオレンジやブラウン、ツリーの赤や緑と雪の白、アイリッシュの緑、イースターのパステルカラー。忘れないでいたいと思う感覚です。

最後は英語について。

学生時代(留学から帰国したすぐ)レベルまで戻すのはそう難しくなく、半年以内でなんとかなったかと思います。そこから半年以上燻り続け、やっとのことで、今、学生時代の英語力を越えられた気がしています。とは言っても日進月歩。今日思い通りに話せても明日そうとは限りません。内容や相手によっては、いまだに苦戦することもあり、そのたびに未熟さを感じます。

ベルギーに留学していた頃は、留学生のコミュニティ内にいたことや、ヨーロッパであることも大いに作用し、それなりの発音でなんとか押し通せてきましたが、アメリカではそうもいきません。こんなにもLの発音に苦戦するとは全く予想していなかったです。特に年配の方からは「なに?」と言われることもあったり、私の英語へ一切の妥協を許さない仲良しのアメリカ人からは言えない単語を何度も発音させられたり、しています。

ブログを書いているのも言葉を並べていくのが好きだからだと思うので、英語についてもゴールのない学習の中で、より高度な表現や、より心地の良い言葉遣い、意図的な言葉選びなど、生活に使えるだけの言葉を超えた先に辿り着いてみたいと思うのでした。

流れる時の中で様々な想いに駆られ、変わりゆく私ですが、友だちのみんなからの変わらない優しさのおかげで、29歳も楽しく生きていけるだろうな、と思えます。ありがとう。

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