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訪朝中止のお知らせ(8年ぶり3回目)

 恐れていたショックな出来事が起こってしまった。

 年内の北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国訪問を目指していたのだが、主催者より訪朝中止のお知らせが来た。徹底的な北朝鮮の新型コロナウィルスへの対策ぶりから、ある程度覚悟はしていたのだがいざそうなるとがっくり来る。

 過去2回訪朝を断られた、ビザが出なかったことがある。8年前は荒れた。荒れに荒れた。同僚上司はじめ会社内への根回しはばっちり。有給も休暇もがっちりおさえて、当時お世話になっていた派遣会社の担当者も「最悪のことが起こったら私が北朝鮮に助けに行きます」とそれはそれは粋なことを言ってくれて、俄然行く気満々だったのだが最後、ビザが出なかった。

 その知らせを受けた日の余りの荒れぶりに同僚の女性が、会社帰りにいっしょに焼肉を食べてくれた。ふたりで七輪を前に肉を焼きながら「何でぼくはいげないんでずがねぇ」と荒れるぼくに同僚は呆れ果てながらも「まだチャンスはありますよ」といってくれたのだった。まあ、それしかいえないよね。

 バカが、何を言ってるんだと思うかも知れないが、やっぱりフィールドワーク。現場に行かないと見えてこないものが色々とあるのだ。

 今回は北朝鮮に限らず世界的に移動、渡航制限をしていることからまだ消化は出来るのだが、過去2回はぼく個人の事情でビザが出なかった。これは悔しい。もう2度と行けないのかと悩みに悩み、その後ようやくビザが出た時の安ど感といったらない。

 日本の紅いパスポートは世界一、無敵のパスポートとも言われる。けれどその威光が通用しない国が北朝鮮なのだ。

 近くて遠い国ということばを何度噛みしめたか。悔し涙を流したか。待つ時間の長さと無力感に震えたか。その間に情勢がどう変わるかわからない不安にさいなまれたか。

 数少ない読者のみなさん、どうか待っていてほしい。必ず訪朝して、ここで北朝鮮のさらなる面白さを伝えられる日を。

■ 北のHow to その13
 北朝鮮へ入国出来ない、ビザが出ないということはあり得る。直前になってひっくり返ることもある。そのショックには備えたい。弁明の機会はないが、再びのチャンスはある。諦めなければ門は開く。

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サポートいただけたら、また現地に行って面白い小ネタを拾ってこようと思います。よろしくお願いいたします。