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0818「妻の実家で全裸監督」

この週末は、妻の実家で過ごしていた。前も書いたが、妻の実家ほど物心両面で豊かな場所というのはない。今週は、以前ANAの機内販売で買っておいたプレミアム焼酎である村尾(5月と6月の長距離国際線フライトだと4,000円くらいで買える。楽天とかで買うと10,000とかする。)を姑や義兄と飲む、みたいな話もあったが、それに併せてか、大量の唐揚げと大量の餃子が食卓に並んで、「これがニルヴァーナと呼ばれるものか」と思った。

その横で、先週から、話題となっている「全裸監督」を視聴していた。「一気見」というやつだ。しこたま酒を飲んで餃子を食った後に、「いやー食った飲んだ」などとデブ声で言いながら、元々妻の部屋であったところの、私が寝る部屋に行って横になった。妻をはじめとする家族と、エアコンの設定温度が違うので、私は別の部屋で寝ることになっているのだ。

そこで、横になりながら「全裸監督」をスマートフォンで見ていた。音声はワイヤレスイヤホンだ。80年代のアダルトビデオをテーマにした作品であるから、当然ながらかなりきわどいシーンがある。そんな「全裸監督」をゴロンとなって見ていた。黒木香役の森田望智さんが体当たりの演技を演じ始めたところで、それは起こった。

「そろそろ電気消すわよー」

と、義母が部屋の電気を消しにやってきてくれたのだ。「全裸監督」はそういう大人向けのシーンがある作品だが、私は誓って、そういうシーンのために観ていたわけではない。私は演技の素人だが、この作品の役者さんたちは、全体的にものすごく演じるのがうまいと思う。ゆえに、後味がなんだかドキュメンタリーっぽいというか、フジテレビで日曜の競馬の前にやっている「ザ・ノンフィクション」っぽくもある。何が言いたいのかというと、私は社会派作品としてこのドラマを観ていたわけであって、何もやましいことはなかったのだ。

しかし、義母が電気を消しにきたとき、私は思わず携帯電話を隠した。具体的には、携帯電話の画面側を布団側にして、パッと伏せた。何もやましいことがないのだから、そんなことをする必要はなかったはずだ。しかし、間違えて画面側を上に向けていたら大変なことになるところだった。やましいことがなくても、映っているのは黒木香役の森田望智さんの体当たりの演技だ。

「いや、あのこれは『全裸監督』という最近話題の・・・。いやあの、最近はですねお義母さん、『ネットフリックス』というものがありまして、いや最近テレビだと表現の自由とか不自由とかいろいろややこしいじゃないですかところが、この『ネットフリックス』。すごいんですよ。『ネットフリックス』だったらこんな、そう。いまここに映っているような過激な表現も可能なんですよお義母さん。すごい時代になったものですね。もう令和ですもんね。いやーすごい。」

などと、プレゼンで聞かれたくなかったことを不意に聞かれたときのような感じになってしまったことは間違いない。しかし、幸いにも、携帯電話の画面は下を向いていた。私は勝ったのだ。

なんていうか、中学生に戻った気分でもある。しかしなんか、これでやっとお義母さんの本当の息子になれたような気がした。

ちなみに、義母はこのnoteをいつも読んでいる。お義母さん、餃子と唐揚げごちそうさまでした。電気を消してくれてありがとうございました。この週末は、何度も洗濯して頂いてありがとうございました。大好きです。

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