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フィンランド留学3週間を経て感じたこと

Moi、 Qatsuです!
フィンランド留学始まって3週間が経ちました。ホストファミリーとの関係は順調で、学校も始まって何人かと、英語ですが、話しています。

本題に入る前にまず、僕の受け入れ先の学校の説明をしたいと思います。僕が在籍させてもらっている学校は、サヴォンリンナと言う南北に大きな湖に囲まれた自然豊かな小さな町にある、芸術高校です。ただ、芸術学校とは言っても、僕が想像していた日本の芸術高校のような音楽家を目指す生徒ばかりでレベルは大人顔負け、というわけではありませんでした。というのも、フィンランドの高校は日本とは異なり、部活動がありません。代わりに、この学校では音楽科と美術科を設け、僕が選んだ音楽科なら音楽理論や音楽の歴史、歌唱、など他の高校より少し音楽、または美術に重点を置いたような高校す。また、他の普通の高校にも音楽の授業もありますが、この学校ほど多くはありません。そしてスポーツや芸術など課外活動をやりたいなら、学校以外のところに入会してやるしかない、という仕組みです。

「学校で感じたこと」

では、本題に入りたいと思いますが、タイトルにある通り今までの留学生活で感じたことを記すのですが、今回は主に学校の話をしていきたいと思います。

(僕の主観による考察ですので、あまり参考にしないでください)

その前に、なぜ僕がなんでフィンランドを留学先に選んだかを説明させてください。一番初めの投稿にも述べていますが、その理由はズバリ「教育」です。
有名な話ですがフィンランドは教育先進国と呼ばれています。なんて安直な理由だ、と思う方もいると思いますが、僕はここで得た勉強のメソッドを日本で活かし、大学受験、そしてその後の人生を楽にできると本気で考えていました。そう、自分でも今思い返してみると、なんて安直な理由なんだとつくづく感じます。

続いて、そもそも、なぜフィンランドが教育先進国と呼ばれているのかを説明していきます。
簡単に説明すると、個性を尊重し、落ちこぼれを作らない補償の手厚い教育です。フィンランドは税金が高い代わりに福祉が充実しており、国の掲げる政策として人財を重視しているため、教育にはかなりの予算を当てています。そしてほとんどの学校が公立なので、学校に通えない子供が発生することはほとんどありません。学費はもちろん、教科書、給食は無料で、さらに最近は教育のIT化も進んでいるため、ノートパソコンも無料で支給しているようです。
また、先生はみんなに尊敬される職業であり、先生一人ひとりの質が高いです。
そして、落ちこぼれを作らないように、学校が主体的に特別クラスを設けています。逆も然りで、基本的に授業制度は柔軟で、自分が受けたいものを選べるので、頭のいい子は自分のレベルに合った授業を選ぶことができます。(詳しく知りたい方はこちらを見るといいと思います)
その成果のためか、2000年には国際学力調査PISAのランキングで世界1位を取りました。

すごいですね、教育先進国と呼ばれるのも納得です。確かにこれは事実です。しかし、近年のフィンランドのPISAランキングは低下し始めています。

僕は、デジタル化がこの原因なのでは無いのかと仮説を立てました。というのも、数年前からフィンランドでは教育現場へのITの参入が劇的に進んでいます。日本でも似たようなことが起きていますが、フィンランドではとうとう授業のノートや課題などをパソコン一台で全て行うところまで進んでいます。文化系の教科に限らず数学などの理系科目もデジタルで行っています。どうしているかというと、デジタル化された教科書をパソコンで問題を解いています。以前、隣に座っているクラスメートが数学の問題を解いているのを観察していたのですが、とてもやりずらそうでした。(絶対紙で書いた方が早い上に、もっと言えば暗算できることも、なぜかパソコン上で解くんですよね)

もちろん、こういった教育のIT化にはメリットいくつかあります(なければやるはずがないので当然ですが)。ホストマザーや、学校長から聞いた話によると、まず教科書や課題など全てをデジタル化することでコスト削減が図られ、効率がいいこと、成績や出席状況などの生徒の情報を管理しやすいこと、テストの採点がしやすいため成績がつけやすいことなどがあると説明していました。

なるほど...

ここで皆さんに一つ聞きたいことがあります。今いくつかあげたメリット、何か思ったことはありませんか?僕はこれを聞いた時、違和感を覚えました。なぜなら、今あげた利点って、全て教職員側へのメリットではありませんか?
確かにこの先ITに強くなければ勝てない社会が来るのは確実でしょう。その事前準備として学校に導入しようとするのはある程度理解できます。しかし、先ほど数学をデジタルで解いていたクラスメートの話をしたように、正直言って教育現場に全面的にデジタルを導入することが良い選択肢なのか疑問なところです。
というのも、ここ数年フィンランドの子供の学力は低下し続けているのです。教育「制度」は先進的と言えるでしょうけど、現在のフィンランドの教育の実情(特に数学)はどう言葉を選んでも到底良いとは言えない状況にあります。
2018年のPISAのランキングでは、数学リテラシーが16位(日本は6位)となっていおり数学の順位が低下しています。ただ読解力は7位(日本は15位)とトップレベルを維持しています

ここまでが僕が現地の高校生と一緒に授業を受けて感じたことです。しかしフィンランドの教育の全てが悪いと言いたいわけではありません。上の2018年のPISAランクのように、読解力は今でも維持しています。日本では若者の活字離れなどが問題になっていますが、フィンランドではどうなっているのでしょうか。

次回の記事ではそのことについて書こうと思います。

では、moi moi!

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