【塊】変革する意識 5

何かのタガが外れようとしている。何なのかはわからない。束であり集合である、単数ではなく複数である、樹皮の中に埋められた人間である、その他、その他、何かが誘導しようとしているのかもしれない、どこへか、何か蛇口に近いものが、捻られ、しかし火花が散っている、線路に行き止まりがある、あるいは、線路の中に閉集合がある、円環の時間とは何だろうか、大したことなのだろうか、集中線が、はるか遠方にまで伸びている、私の故郷、だがそれは遠近法によって描かれた平面であるにすぎなかった、そんなことはよくある、故郷、ほんとはそんなものなかったのかもしれない、石の襞が地面に、大地は何も生まなかった、大きく呼吸をしている、故郷、そんなことあるものか、サイコロに何度もゾロ目が出ること、あり得ないとする世界はあるが、やはりあり得るのである、言葉が平面を穿つとでも言いたいのか、やはり言葉は平面上を滑る、辻の上を、屈曲した辻の表面を加速した球が通り、直線であるのに交わらない、やはりそんなことは起きないとするが確かに起きる世界もあるのだ。

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