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シュルレアリスムと仏教思想②

鈴木大拙氏の著書【禅】より 釈迦牟尼が悟りをひらくとき、問うものと問いの区別、自己と非自己の区別は消えて、ただ一つ未分の「不知なるもの」があるのみであった。 自我を意識する自己もなく彼の知性に相対して彼の存在をおびやかす問いもなく、さらにまた、頭上を覆う天もなく、足下を支える地もなかった。 二元の消失が「無為」であり「空」である。「無為」というのは「条件によって存在しているものの消失」 心が「無為」に到ったという時「絶対空」の状態に入ったということ、一切の条件制約から全く自由

    • シュルレアリスムと仏教思想①

      シュルレアリスムというものを考えるとき、ブルトンは1930年のシュルレアリスム第二宣言において、 「二項対立が解消する精神の一点が必ずや存在するはずである」 それを求めること以外にはシュルレアリスムの目的はないと語ったことを考えるべきだ。 シュルレアリスムはダダ、すなわちチューリッヒ・ダダの創始者トリスタン・ツァラとの出会い、第一次世界大戦へ担架兵として出征したこと、またブルトンが精神科医の卵であると同時に若い詩人でもあったことが重なることで生まれた。 特に生者のような死者と

    シュルレアリスムと仏教思想②