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人に話すと心が楽になるのはなぜか

コーチングをしていて、クライアントから以下のような言葉をいただくことがあります。
「閉ざしていた過去を話してみて、心が楽になりました」
「自分だけでは向き合うことに逃げ続けていたので、言葉にして話すことで心がすっきりしました」
いつも仕事に一生懸命な人、類希なハンパない馬力がある人など、今に向き合う力が強力な人ほど、内省の時間を取ることを忘れがちです。
場合によっては、内省することが苦手だからこそ、行動し続ける人(マグロ型と名付けましょうか)もいるかもしれません。

誰かに話すことを通じて、閉ざしていた過去や失敗、後悔について、じっくりと腰を据えて棚卸しする。そして、これまでの歩みや自分の変化を言語化することの意義について、記載したいと思います!

話すことで自己開示の効用を受けられる

自己開示とは、自分の思考や感情、行動を開示することです。セルフディスクロージャーとも言われます。
例えば、自分が過去に犯した失敗や、やりきれなかった後悔について、素直な気持ちを言語化してみます。
失敗した経験、過ぎ去った時間、振り返ることしかできない後悔などのネガティブな事象については、その経験について誰かに語ることで、人生に対する満足感が大幅に高まります。
これは、「自分にとって必要な経験だった」と過去の経験に意味づけし、その気持ちにピリオドをつけることができるからです。

誰かに話すというプロセスを通じて、頭の中のあるぼんやりした抽象的な思考や感情を、具体的な言葉に転換することができます。
塞ぎ込んだ経験を言葉で再現し、心の重荷を下ろすと、自分の感情について理解を深めることができるのです。具体的な言葉にし、理解を深めることで、今の自分がどのような行動を取るべきかが見えてきます。

過去を閉ざすことは、精神的にも、肉体的にも大きな負担がかかります。言語化し、誰かに話すことで、負担を取り払うことができるのです。

私自身、戻れない過去を悔やみ、過ぎた時間を後悔することがあります。
そんなときは、その過ぎた時間すらも自分の人生を彩るスパイスなんだと言い聞かせて、誰かに話すことを意識しています。
誰かに話すことで、その感情と距離を置き、第三者の視点で自分の状況を見ることができるのです。
誰かに話すことで、漠然とした不安や負担が、感情の領域から認知の領域に移行し、次なる行動が可能になるのです。

恥ずかしいこと、失敗したこと、後悔していること、ネガティブであればあるほど、人に話すことは気が引けます。
しかし、ネガティブなことほど、積極的に人に話すことに効果があるのです。
なんというパラドックスでしょう!

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