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立ちション問題

noteを始めて10日ほどになった。仕事もあるので毎日は書けないが、毎朝、今日は何を書こうかと考えるのが楽しい。今朝も自分に「今日のお題は」と問うてみた。そうしたら思いもかけない題が出てきた。我が家のトイレ事情である。もっとはっきりいうと夫の立ちション問題である。
 
昨日の記事では心理療法における共感性の伸ばし方について書いたのに、このような下世話なお題が出るとは思っていなかった。でもそれがまた書くことの醍醐味だと思う。それでは我が家のトイレ事情を聞いていただきたい。
 
アメリカ人の夫と知り合ってもう25年になる。喧嘩もたくさんしてきたが、当初問題になっていたことは話し合って解決したり、お互いに諦めたりして、今は比較的安定している。家事もお互いに自分が得意なことをやって、相手が苦手なことをやってくれると感じているので、良い分担ができていると思う。
 
しかし解決できておらず、また諦めきれない問題がある。それは夫の立ちション問題である。夫は背が高い。その高さから立ちションをすると、その飛沫は広い範囲に広がる。私がリビングなどにいて、トイレからションがトイレの水を元気に打つ音が聞こえると、その飛沫を想像して「あ゛ー」と思う。
 
今までときには感情的に、ときにはチクチクと、時には冷静に、座って「ションして」ほしいと頼んだが、いつもけんもほろろに断られてきた。男子の沽券にかかわるとでも言うように。
 
ある時、ドイツ人の友達がドイツではトイレの立ちション問題はフェミニズムの問題であると考えられて、今やほとんどの男性が座りションをしていると言う。その時、なぜどのようにフェミニズムの問題なのかを説明してくれて感心したのは覚えているが、残念ながら内容は覚えていない。
 
でも鍵はドイツにあるかもしれないとググってみたら次のような記事を見つけた。
 
'Sitzpinklers': Where in Europe do men sit down, or stand up, to pee?
 
この記事によるとドイツの男性の座りション率は60%でヨーロッパでは一番高いという。それに比べてアメリカ人男性の座りション率は20%程度でかなり低い方だ。夫もなかなか「うん」と言わないわけだ。
 
ちなみに同じ記事に、日本では2020年の統計で男性の70%が座りションをしていると書かれていた。アメリカにきて20年以上になるので、その間の変化に気が付かなかった。ちなみに「座りション」という言葉があることも、この記事を書くためにググってみるまで知らなかった。
 
これは日本の綺麗好きというのもあるけど、家庭の中では男性は女性の言い分を聞いてくれるというのもあるのではと思う。その背景にはヘテロセクシャルな関係では、女性が家事をほとんど分担という事情もあるとは思うが。
 
ここまで書いて、良いアイディアが浮かんできた。夫は日本が大好きである。アメリカ国民より日本国民の方が民度が高いと信じている。ここで日本の男性の座りション率を交えて、「座りションへの誘い」のプレゼンを冷静にすれば彼の気持ちも動くかもしれない。やはり言葉にすると、新しいアイディアって出てくるものだな。
 
しかしこれだけでは心許ないので、読者の方でこうやって「座りション誘導」に成功したという経験がある方には、ぜひお知恵をお貸しいただきたい。


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