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慶大生が教える 小論文の書き方 No.1 小論文ってどんな科目?


はじめに

こんにちは!このnoteでは、わかりやすく受験生・高校生の読者の方に理解していただくことを目的として、小論文の書き方を紹介していきます。受験生以外の読者の方にとっては、文章をうまく要約するスキルや相手に自分の考えが伝わる(数百字程度の)文章の書き方を伝えるという面でぜひ参考にしていただけたらと思います。

各予備校には高3や浪人生を対象とする「小論文」を教える講座があると思います。このnoteでは一旦それを無視して、小論文をはじめ入試指導をしてきた慶大生である筆者が、受験生に寄り添った目線で小論文にどのように取り組めばいいのか、どのような方向性で書けば良いのかをアドバイスしたいと思います。

なお、私にとってこのnoteが人生初noteです!私自身不器用ですし、わかりにくいことを沢山書いてしまうかもしれませんが、もし読者の方の反響があるようでしたらシリーズ化して書いていこうと思います。また、私の生活のため、いくつかの記事は有料化しようと思っています。もしご好評をいただけるようでしたら自分にとってのモチベーションにもなりますし、読者の皆さんが、「小論文の書き方のイメージが付いた!」「苦手意識がなくなった!」という感想を持っていただければ大きな喜びとなります!

今回のNo.1では、小論文とはどのような「試験教科」であるのか、どのように対策をするのが良いのかを書いていきます。実際に書き方のテクニックや書いてはダメなことを紹介する前に、書くときの心の持ちようを簡単に紹介して、ご好評であればNo.2以降でより実践的なスキル、またリクエストがあれば実際に入試で出題された過去問を記事ごとに解説していこうと思います!

小論文とはどんな科目なのか?

科目としての小論文

大学入試には様々な科目があります。英語、数学、国語、理科、社会(地歴公民)をベースに、数学ⅠA・ⅡB・Ⅲや(共通テストで数学Ⅰと数学ⅠAを間違えないでください!)、日本史・世界史・地理など細かく細分化されていますね。受験生のステータス(文理・志望校がどの科目で受験可能なのか)などを元に、高校で授業を履修したり勉強したりしていると思います。
小論文は、一応独立した科目ということにはなっていますが、強いていうならば現代文との関連が強いです。これは出題のスタイルによってまちまちなので言い切ることはできませんが、小論文のスタンダードな問題では、リード文・小問1・小問2という構成で、小問1でリード文を要約させて小問2で意見など自分の言葉で文章を書くことを要請されます。正しく与えられたお題・情報を読み取る力がないと、自分の意見を書くときに的外れなことを書いてしまう可能性があります。ですので、論理的に書かれた(大学や学部によってはエッセイ的なものが出ることもあるので何とも言えませんが)文章を読み取るスキルが必要になってくると思います。ここは非常に重要なポイントですので、具体的な解き方を今後書く際に詳しく説明したいと思います。

なぜ大学入試に小論文が課されるのか

皆さんは大学とはどのような場所をイメージしていますか?教授と呼ばれる先生が教える講義に出席して、テストを受け、レポートを書いて単位をとり、それ以外の時間をサークル・バイト・遊びに費やして卒業する、そんな場所でしょうか。入試問題を準備するのは、一般的には学部や全(大)学のお偉いさんたちです。どのような学生が欲しいのか、学部としての教育方針はどのようなものが理想なのかを先に明確にビジョンとして持ち合わせており、それが入試に反映されます。つまり、学部・大学レベルで小論文ができる生徒を欲しいから入試科目に入れており、出題された問に対してうまく答えることができる生徒が欲しいということになります。出題者、つまり教員は、大学について上述したようなイメージは持っていません。大学とは、教育機関ではなく、むしろ研究機関です。彼らはそのように思っていますし、業務内容のうち半分以上は研究をすることです。多くの研究のうち、最も大きなウェイトを占める作業が、論文や本の読み書きです。自分が企画して他人のフィードバックを受けつつ行う研究において、先行研究や関連のあることをしている研究を知るツールは論文や本がメインですし、逆に自分の研究成果を発表するのも同じく論文や本ということになります。ですから、研究者 Jr.となることを期待している大学は、これらの能力のある学生に来てほしいということになりますよね。
これは世間のイメージとは大きく乖離しています。実際に経団連が発表しているコメントなどを読むと、経済界や日本の社会そのものが大学に期待している役割とは全く異なります。ですが、出題者がそのような人たちである以上、それに合わせて問題を解くことで点数を取ることができますので、これは意識しておきましょう。
入試の小論文では、様々なスタイルで出題がなされます。上述したパターンのようなものは確かに多いですが、図表や視覚化された統計・情報が出されるものなどもあります。つまり、学部によって他の科目で聞けないような、ある通底する能力があるかを確かめる試験ということもできます。問題のパターンについても、今後このシリーズを続けることになれば今後紹介していきたいと思います。

受験対策上の心構え

大学入試を受けるにあたって、どれだけの勉強時間が必要なのかは受験生次第ということになります。例えば、国公立大学を受験するのであれば共通テストの対策だけでなく二次試験対策も必要になってきます。医療系の学部であれば面接を課すことが多いですし、私立文系専願の受験生であれば地歴などでは重箱の隅を突いたような細かい知識まで把握しておくことが必要でしょう。
何が言いたいのかというと、小論文の勉強に沢山の時間を割いて、英語など他の科目の対策が疎かになるのは絶対に避けるべきだということです。小論文の過去問を沢山解くのは練習をして慣れるという意味では有用ですが、必要以上にするのであれば英語や古文の単語帳や地歴の一問一答をより沢山回した方が良いということになります。
それには様々な理由があります。まず小論文が課される大学はそこまで多くはありません。ですのでどこを受けても課されるような科目、具体的には英語などを勉強した方が良いと言えます。また、小論文は採点するのが非常に難しい科目です。もちろん採点基準は沢山ありますし、誰が見てもダメな答案はすぐに却下されると思います。ただ、採点官によって解釈が分かれるようなケースも、受験生の考えを書く問題であれば発生して当然だということになります。それらを採点官同士で長く議論する時間はありません。皆さんは私大の受験者数が大学ごとに公表されている場合、それを見たことがありますか?何千人が受験するのに、入試から遅くとも2〜3週間のうちに合否を出さなければなりません。ですから、合理的な採点をしなければならない以上、足切りが設けられることもあります。それらの足切りは、小論文以外の科目でされることが多いと考えるのが自然です。決まった正解がある英語や地歴科目で正確な点数を弾き出し、ある一定の水準に達していない受験生の小論文の答案は採点されないということになります。
このような意味でも、まずは小論文以外の科目の精度を高めていることを前提として、小論文の対策に臨むことが理想的だと言えます。このnoteでは、あまり時間がない受験生の皆さんにも、息抜き的に読めるよう工夫して書いているつもりですし、最低限のことを学んでいただき、演習をこなしていただければ小論文が書けるようになることを目標としています。

おわりに

今回は初回でしたので、試験的に小論文を受けるにあたって、心構え的なことを書きました。
もし内容が良ければ、何らかのリアクションをしていただけると励み・続きを書くモチベーションになりますのでよろしくお願いいたします!
次回からは具体的な書き方の説明に入っていこうと思います。ありがとうございました!

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