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01.「アダルトチャイルド」再考〜暗闇はなかなか晴れないケド歩むのだ。〜プロローグ

第1話:すべては「アダルトチャイルド(AC)」を知ることから始まった


『心理臨床家カール・ユングは、自然なチャイルドを「ワンダーチャイルド(素晴らしいチャイルド)」と呼びました。ワンダーチャイルドは我々の探究、畏怖、および創造的存在のための生来的な潜在力です』

『一度傷ついたインナーチャイルドを再生し養育すると、彼らの素晴らしい自然なチャイルドの創造的なエネルギーが現れます。インナーチャイルドは、一度統合されると再生と新生のバイタリティの源になるのです』

ジョン・ブラッドショー『インナーチャイルド 本当のあなたを​取り戻す方法』
初版1993(Amazonリンク 2001 改訂版


上の引用文は『インナーチャイルド』(ジョン・ブラッドショー著)という本からの引用です。

この部分を読んだ途端、私の中の傷ついた内なる子ども(インナーチャイルド)がヒョッコリ顔を出しました。

私は突然のことで少々驚きましたが、それからしばしば傷ついたコドモが声を出し始め、私はその声に耳を澄ませる作業を始めました。

表に出ることを許されたチャイルドは、押し込められていた感情を実にパワフルに表出し、オトナの私は幾度も混乱を招きました。

私は途中で放り投げようかと思いましたが、出て来たものを止めることはもはやできませんでした。

……それはおそらく、もしかすると、オトナの私も自分にウンザリしていて、あるいはどうしようもなく毎日をすごしていて、自分の中のチャイルドにすがるしかなかった……というのが正直なところかもしれません。

私の中の傷ついたチャイルドは激しくもありましたが、私にたくさん示唆してくれました。

そしてやがて、援助専門家のサポートを受けたり、仲間たちから助けられながら、少しづつ少しづつオトナの私も気持ちが緩やかになってきました。

私は、自分の中に生き延びていた、しかし押し込めていたチャイルドと、和解することで、世界が拡がることを覚え始めました。

それは、決して「子どものままでいる」ということではなく、自分の源として存在している創造性やエネルギーを引き出す力をもつ自由なチャイルド(ワンダーチャイルド)を活かしながら、大人の私として生きていく。ということなのだと感じるようになってきました。

ワンダフルなチャイルドを育てていくこと。
そして変化を恐れることなく大人の私としてチャレンジしていくこと。
ゆかいな世界(ワンダーランド)が拡がっていくこと。
そんな祈りを込めて「ワンダー・チャイルド・ランド」と名づけられました。

*    *

上記は、1990年代の末に4年半ほど運営していた自作の「ホームページ(HP)」に掲載していたテキスト(無修正)である。
「ワンダー・チャイルド・ランド」というのは運営していたHPのタイトルである。

時は20世紀から21世紀に移り変わる頃。
わたしは人生の大きな岐路に立っていた。

というか、単に感情を抑えまくって突っ走っていたら道にグルグル迷い、行き当たったところで強すぎる情愛に嵌り、あかつきに崖からワーーァっ!と落っこちた、みたいな感じ?????

これまでの人生で最大級に最高で最低な、情愛におぼれた恋愛関係がひとつ終えたことが発端だった。

あくまでも発端。

そこから芋づる式に、わたしの心身を構成しているモノたちの正体がドヤドヤと出てきた。

出てきたというより、存在を認めるしかなくなった。

『課題』は山ほど出てきた。
そのころのわたしにとっては、一気に世界が変わった感。


■過去のテキスト(書きもの)を修正しながら改めて自己探究の旅


前章の文章は、実は8年ほど前にWeb上のある場所に載せてたものです。

のっけからややこしくなる上に長〜〜くなってしまいますが、補足説明を加えさせてください。

2011年の東関東(東北)大震災(311)から1年ほど経過したころ、マインドシフトが起きたわたしは、心理カウンセラー/アートセラピストとして「独立した活動」を始めました。

活動の出だしはそこそこ良く希望を持っていたものの、周辺親近者からなんとなく孤立状態に追い込まれ、朝から晩まで孤独に苛まれ、苦しさが増してノビノビと動けなくなり経済的にもキツくなり、人生二度目の「底つき寸前」にいたりました。

そう遠い話ではありません。「311」から10年経つか経たないかの話。

自分がもうどうしようもなく絶望の中にいて、何も考えることができず、社会から距離おき隠居状態をつづけていました。

(追記:いま思い起こせば、当時のわたしは夢に向かって全速力するばかりで爪も甘く、まだまだ精神的にも弱さ甘さがあったよね、と認める今。それを差しひいても孤立状態は酷かった!)


夜中どうしようもなく苛立ちで発狂しそうになるのを堪え、恨み辛みを持つ特定者を“脳内で縛りつけ殴る蹴る”などして、爆発しそうになる心理状態を収めていたのです(!!)。

そのくらいわたしの中はボロボロだった。お金があったら入院したいと思ってた。そんなこと、これまで一度も思ったことなかった。

一方で。皮肉なことにサバイバル慣れしちゃってるわたし。
地味にもセルフケアをつづけて混乱や疲労の回復が進みはじめ、アート創作などで自己表現のリハビリを始めました。

こういう時もアート表現、表現活動は助けになりました!

そのアイディアの一つとして物語を書こうと思い、前章の文章を書きしたためていた、というわけです。


■「是非」を超えたエピソードが「癒し」のエッセンスになる


いわくつきのテキストを、なぜココで、今ほじくり出してきたのか。
……説明すると恐ろしく長くなりそうだ。

あえて一言で言えば、【時が来た】のかも。

きっかけとなってるかもしれないなぁと思うのは、時代が大きく変容する最中に「両親」が亡くなったことも理由の一つかもしれません。

コ□ナ禍の2年ちょっとの間に「コ□ナじゃない要因」で、二人とも“長期病床などの苦しみに見舞われることない”形で、比較的あっけなく逝きました。

まったく予想だにしていなかった。
そろそろくるだろうと予測はしていながら、思いもよらぬ方向から「親の死」と直面しました。

特に、わたしにとっては「毒親」であり、どうしようもなく影響を受けつづけてきた実母の死は、今のわたしがどんな「位置」に生きてるのかを改めて考えるきっかけになっています。


もうひとつ。
母の死からさほど経たないころ、不思議な情報が入ってきました。

対人援助の場面だけでなく“厄介な親近者”と関わる上でも助けになった「アディクションアプローチ」を提唱・実践してこられた臨床心理士・公認心理師の信田さよ子さんが、「公認心理師協会 会長」になったことを知ったのです。

信田さんといえば、まさに「アダルトチルドレン」という言葉と概念・捉え方を日本に紹介し、臨床の場でも先がけて活動されてきたパイオニアです。

これまでの臨床心理系の世界において「教育機関(大学等)の教授者」「研究者」以外の【ガッツリ実践者】が職能団体の長になるなど、わたしの知る範囲ではありません。

《奇跡が起きた》

思わずつぶやいてしまいました。
個人的にはそのくらいのインパクトがあったのです。

(※ちなみにわたし自身は臨床心理士ではなく公認心理師でもないので正確な情報などは疎いことをあらかじめお伝えしておきます。“部外者”にしては諸々知っている方と自負してますが、距離を持ち“外”から認知している範囲です)


これまで自分にインパクトを与えてきた事象や人物が、是非を超えてポツポツとつながりを持ち、わたしを動かしている感が強くなりました。

一方で、わたし自身は、年齢的にも体力精神的にも冒険やチャレンジするのに力不足を感じることが増えてきたんです。

【人生100年!】と言われる現代。
五十路半ばのわたしが、年上の元気なジイさんバアさん(失礼)にお叱りを受けそうですが、、
これだけは言わせてくれ!!

オレおそらく平均的な人の3倍くらいの濃度で生きてきた。
だから疲れてるんだぁああぁぁあ〜。

しかも(このままいくと)タカヤマ家は「絶家」の見込み。
ここまできたらいよいよ生きた証を整理しておかないと!

などと思ってしまったのです。

(いわゆる終活ってことになるのかなー?)
(それにしても自己主張度の強いこと!)


そこで最初に出したいと思ったテーマが【アダルトチャイルド】だったのです。


■『アダルトチャイルド』の意味を「体験をとおした言葉」として伝えなおしたい


自分の中で起きてる悩みや葛藤が、家族関係の問題ではないかと、うっすらでも疑いを持っている人は「アダルトチャイルド」「アダルトチルドレン」という“言葉”をご存知だと思います。

わたしがこの言葉を初めて目耳にしたのは25年ほど前のこと。

精神科医の斎藤学や、先にあげた公認心理師臨床心理士の信田さよ子さんが「アダルトチャイルド」について書かれた本がヒットし、日本で『AC(アダルトチルドレン)ブーム』が起きたころ

この「AC」の意味も、年月を超えて“伝言ゲーム”ごとく、だいぶん曖昧で雑になってきた。

もともと曖昧に受けとられやすい概念である上に、欧米で生まれた言葉だから日本人の家族観に合わないこともあるだろう。

イロイロ端折られ、逆に余計なものが付いたりして
「子ども時代を毒親のもとで育った大人」とか
「子どものころ大人・親の機嫌ばかり気にして自分を抑えて生きてきた大人」
などと、ざっくりと説明されてるのをお見かけします。

大きくは間違っていない。

自己回復につながるなら、それでも良きと思う。

ただ、どうしても抜いて語れないポイントがあるのです。

ココを押さえておくと、自分にあったこと・周囲との関係が、さらにクリアに分かってラクになるよ!と提案したいポイントがあるのです。

それを発信している人が、昨今本当に見かけなくなった。
いろんな方向から情報が飛び交い「元々の出どころ」探すのも困難です。

最近は、専門書など「本」を読まずにネットから情報を引っぱってきて、それを自分の中で「定義」しちゃってる人が多い印象です。

ともあれ。

わたしが20年強の年月を通してやってきたこと・根底にあるものを、今一度整理して世に発信したい。

これが大きな目的です。

自己満足の見切り発車ですが、
ここであげるトピックが【必要な人】に届けられれば本望です。

否、【必要な人にこそ、届け】!!


それでは、次回から本題入ります。

まず「『アダルトチャイルド』とはそもそも何か」という基本から整理しなおします。

わたくしかおりんのエピソードもお話できるかも。

どうぞよろしくお願いします。

※やはり長くなりすぎた。けれどまだ書けそう??

🟩 第2話 (02) こちら
 
抑えこんでいたものが少しずつ表に出てくるプロセス

🟩 第2話(02 b)こちら
 
「アルコール依存症」と「AC」の関係

🟩 (仮)第3話(03)こちら[動画編]
 
「AC」を語るに欠かせないパワーワード『共依存』とは?


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