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ジョージア旅の手引き


はじめに

2023年10月にジョージアへ行ってきました。前回から15か月ぶりの渡航となりましたが、「やっぱりまだまだ渡航情報が少ないなぁ」とかひとりごちながら支度したことを帰ってから思い出したので、旅の準備について記しておこうと思いました。

飛行機

日本からジョージアへの直行便はなく、最低でも1回の乗り継ぎを挟む必要があります。主な経由地は以下の3つです。

A) ドーハ経由(カタール航空)
B) イスタンブール経由(ターキッシュエアラインズ)
C) ドバイ経由(エミレーツ航空)

一応他にも行き方はありますが基本はこの三通りと言っていいと思います。
(※諸事情により一度だけトビリシ→ドーハ→バンコク→羽田というルートで帰ってきたことがあります。もう二度と嫌ですが…)

航空券

2023年はコロナ禍を経てチケット価格が高騰している時期なので今後の参考にはならないかも知れませんが、10月上旬の往復で検索した航空券価格を比較してみました。

A) カタール航空 222,940 JPY
B) ターキッシュエアラインズ 237,410 JPY
C) エミレーツ航空 455,010 JPY

(メモ:ちなみに2021年に購入したカタール航空の成田 - トビリシ往復航空券の価格は89,960 JPYでした。)

飛行・乗継時間

エミレーツ航空は他の二社と比べて航空券の価格が二倍近くしたので早々に諦め、あまり調べていないのでカタール経由とトルコ経由についてのみ比較していきます。
それぞれに一長一短があるので解説していきます。

A) カタール航空の場合(※いつもこんなに乗り継ぎが良いとは限らない)
9/30 HND/DOH 0100/0630
10/1 DOH/TBS 0940/1350
10/8 TBS/DOH 0240/0445
10/8 DOH/HND 0715/2330 
<往路:飛行時間 11h 30m+乗り継ぎ 3h 10m+飛行時間 3h 10m>
<復路:飛行時間 3h 5m+乗り継ぎ 2h 30m+飛行時間 10h 15m>

カタール航空で上記フライトを選択した場合、羽田からトビリシまでの合計時間が17時間50分と素晴らしい記録での移動が可能なのですが、2021年・2022年の渡航時はドーハのハマド国際空港で最長17時間もの待ち時間を空港で過ごすことを余儀なくされて軽くトラウマになりました。
カタール航空のサイトで購入できるハマド国際空港のラウンジは6時間以内しか滞在できず、残りは空港内のレストランや仮眠室で修行のように過ごすことになります。トランジット用ホテルは中東の富裕層によって速攻で埋められたのか満室で取れませんでした。中東のハブ空港たるドーハの特徴なのかも知れませんが、ラウンジも高いクラスから埋まっていきます。

コロナ前はドーハ市内無料バスツアーがあって乗継もそれなりに楽しめたのですがコロナ後まだ再開していないようです。ツアー復活が待たれます。

あと往路の羽田出発時も復路のトビリシ出発時も夜中に空港移動することになるので地味に気分が下がります。夜の空港が好きな人にはいいかも知れませんが…

ハマド国際空港

B) ターキッシュエアラインズの場合
10/1 TK199 HND/IST 2155/0515+1
10/2 TK378 IST/TBS 0640/0955
10/8 TK383 TBS/IST 1730/1905
10/9 TK198 IST/HND 0220/1925 
<往路:飛行時間 13h 20m+乗り継ぎ 1h 25m+飛行時間 2h 15m>
<復路:飛行時間 2h 35m+乗り継ぎ 7h 15m+飛行時間 11h 5m>

ターキッシュエアラインズは往路・復路ともに空港と都市間の移動を考慮した際に、時間帯は良いと言えると思います。復路の空港での乗り継ぎ時間がやや長めですが、空港内のDFSでショッピングするのも楽しいですし、夜なのでダラダラと動画でも見てればあっという間に時間は過ぎます。

難点は一旦西まで行って戻るルートになるので、羽田 - イスタンブール間の飛行時間が長いこと。エコノミーの狭い3シートで13時間20分座りっぱなしはなかなかの苦行です。ターキッシュのエコノミーは座席指定に追加料金がかかるのですが(事前指定しないとチェックイン時に自動で割り振られる)、1万円以上の追加料金を払ってでも足が伸ばせる非常口席を確保する価値はあるかも知れません。

もう一つ短所は往路の乗り継ぎ時間が極めて短いため羽田 - イスタンブール間が遅れるとトランジットが間に合わず、予定に大幅な狂いが生じることです。定刻通りいけたとしても広いイスタンブール空港の端から端まで移動しなくてはならず、その間にパスポートコントロールと手荷物検査を通過するのでかなり慌ただしくなります。
そして接続が短いせいかロストバゲージに遭いやすいらしく、同じ週の便で来た方は荷物だけ間に合わなかったり、聞くところによるとロスバゲが発生しやすいとのこと。

イスタンブール空港

受託手荷物の重量制限

人によってはそんなに荷物が多くなることはないのかも知れませんが、個人的にはこの条件の占めるウェイトがかなり高いので強調しておきます。
この一点だけを考慮すればターキッシュ一択と断言できると思います。

A) カタール航空 30kg×1個
B) ターキッシュエアラインズ 23kg×2個
C) エミレーツ航空 23kg×1個
(※エミレーツはプレミアム・エコノミーだと、23kg×2個)

ジョージアでワイナリーを訪問するとお土産ワインが増えがちなので追加料金なしでスーツケース2個預けられるのは大変ありがたいです。
ワインボトル6本で大体10kgくらいになるので、12本で20kgとざっくり考えると帰りの荷物のおおよその重さが予測できます。

【メモ】日本は750ml × 3本までが免税ですが、超過しても申告して税金を払えば持ち込めます。今回はワイン(葡萄酒)10本、チャチャ(蒸留酒)5本を申告して関税額は1,500円でした。

機内食

機内食についても書こうと思いましたが、どちらも割と普通であまり書くことがないです。

ターキッシュエアラインズは羽田 - イスタンブール間でトルコ産ワインが選べたので狂喜して赤白両方のグラスをお願いしましたが、そんな酔狂なことをするのは一部のワイン好きだけだと思います。

ターキッシュエアラインズ機内食の夕食

(一度だけ帰りの重量オーバーのため追加料金払って乗ったカタール航空のビジネスクラスの食事はビバレッジも含め超良かったです。お金に余裕があったらまたぜひ乗りたい)

カタール航空ビジネスクラスのチーズとワイン

ホテル

オススメというか直近で宿泊したトビリシのホテルを紹介しておきます。
どれも自分で選んでおらず招聘元に手配してもらったりで、個人的な選定ポイントとかは特にないのでそれぞれ泊まって良かった点を記します。

1.Hotel Atlas Abashidze
 住所:70 Irakli Abashidze Street, Vake, 0162 Tbilisi Georgia
 Booking.comのサイトで一泊165GEL~(1 GEL=55円換算で約9,075円)

閑静な通り「VAKE」エリアに立地するホテル。カフェなどの飲食店やワインショップ、クリニックも近くにあって大抵の用はホテル周辺で事足ります。

Hotel Atlas Abashidze の客室内

2.Moxy by Marriott Tbilisi
 住所:Saarbruecken Square 102, Chugureti, 102 Tbilisi Georgia
 Booking.comのサイトで一泊295GEL~(1 GEL=55円換算で約16,225円)

広場に面しているため建物の前が開けていて、タクシーが拾いやすく便利。朝食から現地のスパークリングワインが楽しめます。
近隣にあるレストラン「RIGI」(後述)もオススメ。

Moxy Hotel の客室内

3.Timber Boutique Hotel
 住所:37 Aleksandre Khakhanashvili Street, 0144 Tbilisi Georgia
 Booking.comのサイトで一泊134GEL~(1 GEL=55円換算で約7,370円)

ここは国際空港から車で約15分と、何といっても空港から近いのが利点。徒歩圏内にスーパーや銀行、地下鉄もあって何かと便利でした。
ただ、トビリシ市内でも街はずれの寂れた場所にあって、待ち合わせで迎えに来た現地人に「こんな通り初めて来た」と二回も言われました。 旧ソ連っぽい雰囲気の漂うエリアですが、治安は決して悪くないです。
斜め向かいがラトビア大使館。

Timber Boutique Hotel のロビー

【番外編】4.Vinotel Boutique Hotel
 住所:Elene Akhvlediani ascent, №4, 0103 Tbilisi Georgia
 Booking.comのサイトで一泊265GEL~(1 GEL=55円換算で約14,575円)

こちらは宿泊はしておらず、ワインのテイスティングのために招待いただいて訪問したのみですが素晴らしい環境。地下のワイン貯蔵庫では過去の貴重なバックヴィンテージのコレクションが見られました。
宿泊客用の部屋以外にテイスティングスペースや様々な空間があり、その日は某国の大使のお誕生日会が執り行われていて大変賑やかでした。

貴重なワインのコレクション

両替

ジョージアの現地通貨は「ラリ」です。通貨コードはGEL、通貨記号は「₾」。今回滞在していた期間のラリ円の為替レートは1ラリ≒55円でした。
比較するため予算を半々に分けていくつかの方法で両替してみました。

Travelex(JPY→USD)

円安がかなり進んでいる時期のためレートは悪いです。
京急線の改札近くにある外貨両替サービス「トラベレックス」でのレートは、1ドル=152.80円。

LINEでお友達になるともっといいレートで両替できます、と案内されたので素直に従ってみたところ、1ドル=152.55円でした。少額しか交換しないつもりであれば別に友達にならなくていいと思いました。

ここでは200 USDを両替して30,510円でした。

現地の街中の両替所(USD→GEL)

Google マップで「TBC Bank」か「Bank of Georgia」を検索すれば良い、という情報を得ていたのでそのとおりに探して行ってみました。
TBC Bankの窓口で外貨からの両替をしたい旨を伝えると、「当行の口座はお持ちですか?」「持ってないです」「TBC Bankで口座をお持ちの方以外は外貨両替をすることはできません」とつれない対応。
口座開設しても良かったのですが、そこまでする必要ないのでやめました。なお現地邦人の方の情報によると口座開設も簡単にできるらしいです。

というわけで赤い電光掲示板でおなじみの、街中の両替所でUSドルから現地通貨へ両替することにしました。

手数料は無料とのこと

日本から持ってきた200 USDを両替して524 GELでした。

最初に持っていた30,510円が両替を繰り返すことで28,820円に減った計算になります。

現地ATMのキャッシング(JPY→GEL)

なぜか現地邦人のブログでよく紹介されているATMでのキャッシング。VISAやMasterなどクレジットカードのキャッシング機能を使って現地通貨を引き出す方法です。

一度に500 GELまでしか引き出せないところが多いという事前情報を得ていましたが、私が利用したATMは上限が400 GELに設定されていました。
手数料が5 GEL自動的に計上されます。(5 GEL=275 JPY。地味に高い)

22,912 JPY = 400 GEL(+手数料5 GEL)

後日、カードの明細で確認したところ変換レートは56.573円でした。

両替のまとめ

街中の両替所で400 GELを得るのに使ったお金は現金150 USDでした。
現地ATMのキャッシングで400 GELを得るのに使った額も約150 USDでした。

USドルを現金で持ち込み両替所で交換しても現地ATMのキャッシングを利用しても大して変わらないという結論になりました。(両替所を選択する場合でも空港も市内もレートはほとんど変わらないので、到着時に空港で両替するので問題ないと思います。)

現地の食事

ジョージアは基本的にその辺のパブや地元食堂に飛び込んで適当に頼んでも何食べても美味しいので、「この店に絶対行くべき!」みたいなところは特にないのですが、一応行ったことのあるお店をいくつか挙げておきます。

【店名】Mapshalia(マプシャリア)
 所在地:137 Davit Aghmashenebeli Ave, Tbilisi, Georgia
 Facebook:https://www.facebook.com/pages/Mapshalia/180244005494182

地元民に愛される店、といった雰囲気。

スープ・ハルチョーとバドリジャーニ、オジャフリなどを注文

以下のレストランは”モダン・ガストロノミー”で、川沿いの洒落た建物の二階にあります。

【店名】Rigi(リギ)
 所在地:Saarbrucken Square, 2/7 Tbilisi, Georgia
 Instagram:https://www.instagram.com/rigi_gastrodouqan/
 URL:https://rigidouqan.ge/?lang=en&page=lukmapuri

外観も内装もお洒落

お料理の盛り付けやお皿もちょっと一工夫された感じでした。

ケバブを注文

ワインショップ

ジョージアではそこら中でワインが飲めるといいますが、市内のコンビニ(SPARがなぜか至る所にあります)やスーパーマーケットと専門店の品揃えは全然違います。
日本でも、イオンリカーとエノテカとヴァン・ナチュール専門店のワインのラインナップはそれぞれ異なりますよね。そんな感じです。

8000 vintages

こちらは市内にいくつかあるチェーン店。上記の例えでいうと「エノテカ」みたいな感じと思っています。品揃え豊富。
ショップ内で簡単な食事もできます。

8000 vintages の入口

Wine Boutique

こちらは何度か連れて行って頂いているのですがいつもタクシーで行き帰りするので道が覚えられません。上記の例えでいうと「ナチュール専門店」みたいな感じです。私もお取引させていただいているワイナリーや日本市場にも入っている多くの素晴らしいワインをこちらで購入することができます。
ショップ内でテイスティングもできます。

Wine Boutique の店内

ワインを買ったら持ち帰り用に緩衝材が必要です。
いわゆる「プチプチ」ではなくワインボトル用のプラスチックケースを上記のショップで5 GEL(約275円)で買うことができました。

ワインボトル用緩衝材

旅行代理店

地方のワイナリーや観光地に出かける際は、現地の旅行代理店に車のチャーターや通訳ガイドの手配を依頼することができます。
以下の2つの代理店は日本語の堪能な担当者がいらっしゃって、日本語でも問い合わせが可能なので希望の行き先を伝えてプラン作成をお願いしてみてはいかがでしょうか。

コーカサストラベル

URL:http://www.caucasustravel.com/?lan=ja

サクラトラベル

URL:https://sakurageorgia.com/ja

おわりに

ざっと書き起こしてみましたが、私もまだ数えるくらいの回数しかこの国を訪れておらず、まだまだ知らないことが沢山あると思います。
これからジョージアを訪れる皆さまの旅が、少しでも快適で、楽しいものになりますように!

クタイシの駐車場から教会を見上げて


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