クヴェヴリ エミ / Qvevri Emi

ジョージアワイン専門店 Winemi (ワインミー) 代表。駐日ジョージア大使館公認タ…

クヴェヴリ エミ / Qvevri Emi

ジョージアワイン専門店 Winemi (ワインミー) 代表。駐日ジョージア大使館公認タマダ事務局長。|Twitterアカウント:@e_qvevri

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ジョージアワインとの出会い

こんにちは。 クヴェヴリ・エミです。 モスクワ在住時にロシアでは昔から有名だったジョージアワインを好んで飲んでいましたが、2006年〜2013年にロシアがジョージア産ミネラルウォーターとワインの禁輸を行ったことで、この素晴らしいワインが地上からなくなってしまうことを危惧するようになりました。 2013年に禁輸政策が解かれ、調べていくうちにジョージアワインをめぐる様々な事情を知るようになって、一飲み手としてジョージアワインの美味しさをワインラヴァ―達へ伝えていこうと思い立

    • 12月24日(日)の朝

      朝、高校の友達のジュンコから連絡があった。 日頃連絡を取ってない相手からの突然のメッセージは、アカウントの乗っ取りか、訃報の可能性が高いので緊張する。今朝のそれは後者だった。 高校一年生の時に同じクラスだった子が、ガンで闘病の末に亡くなったとのこと。 急な報せを受けて気が動転して連絡をくれたらしい。 長崎の緩和ケア病棟で終末期を過ごして看取られたそうで、きっとコロナ禍でお見舞いとかも自由に来てもらえなかったんだろうねえと切ない気持ちになった。 ついでにジュンコの近況報告

      • 2023年10月渡航報告

        はじめに早いもので、気付けばジョージアに渡航してから一ヵ月経ちそうです。 最近お会いした何人かの方から「ジョージアどうでしたか?」と聞かれて、自分でも「あれ、どうだったっけ」となんとも間の抜けた調子になってしまい、ここらで記録しておかないとどうだったか思い出せなくなるのでは?と心許無い気持ちになってきたので一旦まとめておこうと思い立ちました。 2013年という年 ここで唐突に十年前の2013年がどういう年だったか確認しておきたいのですが、2006年からロシアで始まった

        • ジョージア旅の手引き

          はじめに2023年10月にジョージアへ行ってきました。前回から15か月ぶりの渡航となりましたが、「やっぱりまだまだ渡航情報が少ないなぁ」とかひとりごちながら支度したことを帰ってから思い出したので、旅の準備について記しておこうと思いました。 飛行機日本からジョージアへの直行便はなく、最低でも1回の乗り継ぎを挟む必要があります。主な経由地は以下の3つです。 A) ドーハ経由(カタール航空) B) イスタンブール経由(ターキッシュエアラインズ) C) ドバイ経由(エミレーツ航

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        ジョージアワインとの出会い

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        • ジョージアのブドウ品種
          27本
        • アルメニアのブドウ品種
          2本
        • アゼルバイジャンのブドウ品種
          2本

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          なぜ輸入をするのか

          前回は「なぜジョージアワインか」というタイトルでnoteを書きました。 そちらでは、なぜジョージアワインと関わることになったかという切り口できっかけをまとめたのですが、今回はなぜ「輸入」という関わり方になったかということについて書きたいと思います。 私がワインの勉強を始めた2014年当時、日本でジョージアワインを扱う輸入社はすでに何社かありました。それもあって自分でワインを輸入する必要性をまったく感じていませんでした。 その頃はジョージアワインがどこで買えるか・どれがオス

          なぜジョージアワインか

          対面で人と会う機会が増え、度々聞かれるようになった質問があります。 「なぜジョージアワインを輸入することになったのか」だったり、「なんでジョージアワインが好きなのか」「いかにしてジョージアワインと知り合ったのか」など聞き方はまちまちだけれども、どうやら、ジョージアワインに関わることになった経緯に興味を持たれているようです。 もしキラキラな理由(ってなんだろう)を期待していたら、あまり楽しく語れる自信がないので、この先は読まないの推奨。 一応「ジョージアワインとの出会い」

          なぜジョージアワインか

          ツルキジス・テトラ (Tsulukidzis Tetra)

          辛口と甘口の両方の白ワインが作られる、マイナーだが生産性の高いジョージアの品種。 主要なシノニム:Rachuli Tetra, Racthuli Tetri, Tsulukidze Tetra 起源と家系:ツルキジス・テトラはジョージア北西部のラチャ・レチュフミ地方で生まれました。 植物学的特徴:生産性が高く、早い時期に発芽し、熟す。 栽培地域とワインの味わい:ツルキジス・テトラは、半甘口と辛口の白ワインに使用され、ジョージア北西部のラチャ・レチフミ、特にサドメリ村と

          ツルキジス・テトラ (Tsulukidzis Tetra)

          カチチ (Kachichi)

          ジョージア北西部で深みのある赤ワインを生産する稀少品種。 主要なシノニム:Abkhazouri, Kagigi, Katchitchi, Katcitci 起源と家系:ジョージア北西部のアプハゼティに自生するカチチは、19世紀にはすでに知られていました(2004年: ChkhartishviliとBetsiashvili)。 植物学的特徴:うどん粉病に弱く、発芽は中期、成熟は非常に遅い。 栽培地域とワインの味わい:カチチはあまり広く栽培されていませんが(ジョージアでは

          ブデシュリ・ツィテリ (Budeshuri Tsiteli)

          ジョージアの非常にマイナーな品種で、通常サペラヴィとブレンドされます。 主要なシノニム:Budeshuri Saperavi, Budeshuri Shavi, Tsiteli Budeshuri 起源と家系:ブデシュリ・ツィテリは、おそらくジョージア東部が原産地のブドウです。ブデシュリ (Budeshuri)という言葉は、ジョージア語で「楕円形の実」を意味しています。ブデシュリ・ツィテリは、白葡萄のブデシュリ・テトリと混同してはなりません(2004年: Chkharti

          ブデシュリ・ツィテリ (Budeshuri Tsiteli)

          アシュガジ (Ashughaji)

          フレッシュでアロマティックな赤ワインを生み出すジョージアの稀少品種。 主要なシノニム:Achougage, Ashugazh 起源と家系:アシュガジはジョージア北西部のアプハゼティの土着品種です。 植物学的特徴:コンパクトな房に中くらいの大きさの実がなり、わずかにピンク色の果汁が出る。発芽は中程度、熟すのは遅く、収量は少ない。 栽培地域とワインの味わい:ジョージア北西部のアプハゼティを中心に栽培され、深い色と香り、高い酸味を持つ辛口の赤ワインを生産する。 ※この文

          カピストニ・テトリ (Kapistoni Tetri)

          スティルワインやスパークリングワインが造られるジョージアの古代品種。 主要なシノニム:Capistoni Tetri, Kabistoni Tetri, Kapistona, Kapistoni, Zekroula Kapistoni 起源と家系:カピストニ・テトリ(テトリは「白」の意)は、ジョージア中央西部のイメレティ地方の固有品種で、最も古いジョージア品種の一つと言われています(2004年: ChkhartishviliとBetsiashvili)。Galet(200

          カピストニ・テトリ (Kapistoni Tetri)

          ゼルシャヴィ・オブチュリ (Dzvelshavi Obchuri)

          色の濃い赤ワインを生産する、ジョージア種の中では平凡な品種。 主要なシノニム:Zelscavi ゼルシャヴィ・オブチュリとよく間違えられる品種:Dzvelshari Sachkheris 起源と家系:ゼルシャヴィ・オブチュリは、ジョージア中央西部のイメレティ地方の古い品種です。その名前は「古い」を意味するdzveliと「黒い」を意味するshaviを組み合わせたものです(2004年: ChkhartishviliとBetsiashvili)。 植物学的特徴:樹勢が強く、

          ゼルシャヴィ・オブチュリ (Dzvelshavi Obchuri)

          アヴァシフヴァ (Avasirkhva)

          アプハゼティで栽培されているジョージアの希少品種。 主要なシノニム:Ajiche, Ajishi, Auasirkhva, Avasarkhva, Avassirkhva 起源と家系:アヴァシフヴァはグルジア北西部のアプハゼティで栽培されている土着種です。 植物学的特徴:発芽は中程度、熟すのは遅く、収量は中程度。 栽培地域とワインの味わい:アヴァシフヴァは、亜熱帯気候の高品質な辛口白ワインに非常に良いポテンシャルを示していますが、2004年にはジョージアのアプハゼティ

          アヴァシフヴァ (Avasirkhva)

          アスレトゥリ・シャヴィ (Asuretuli Shavi)

          ドイツ人入植者に人気のあったジョージアの稀少品種。 主要なシノニム:Asuretuli, Schalltraube, Shadi Traube, Shala 起源と家系:Asuretuli Shavi(「アスレティの黒」の意)は、ジョージア中央南部のカルトゥリ地方の固有種で、1825年から1845年の間にドイツ人入植者のシャルがアスレティのドイツ人居住区近くの森に自生しているのを発見したことから、Schalltraube(「シャルのブドウ」)という同義語がついています。こ

          アスレトゥリ・シャヴィ (Asuretuli Shavi)

          ウサヘラウリ (Usakhelouri)

          半甘口でアロマティックな赤ワインが造られるジョージア品種。 主要なシノニム:Okhureshuli, Okourechouli 起源と家系:ウサヘラウリは、ツィツカやツォリコウリと同様ジョージア西部のコルヘティ由来の品種です。シノニムであるOkhureshuliは、ラチャ・レチフミ地方の村の名前から取っています。ChkhartishviliとBetsiashvili(2004)によれば、植物学的にも遺伝学的にもこの地域の野生のブドウの木に近いです。 植物学的特徴:発芽

          ウサヘラウリ (Usakhelouri)

          ツォリコウリ (Tsolikouri)

          ジョージア産の多用途品種で、広く栽培されています。 主要なシノニム:Melqos Tsolikouri, Obchuri Tsolikouri, Tsolikoouri 起源と家系:ツォリコウリは、ツィツカやウサヘラウリと同様、ジョージア西部のコルヘティ(Kolkheti)由来の品種です。 植物学的特徴:果皮が薄く、中くらいの房をつける。発芽は中程度で、熟すのは遅い。 栽培地域とワインの味わい: ツォリコウリは、ジョージアのディミ(Dimi)、 バグダティ(Baghd

          ツォリコウリ (Tsolikouri)