見出し画像

L・ディカプリオ主演版『華麗なるギャツビー』、B・ラーマン脚色、華麗なるアダプテーション

 フィッツジェラルド著『グレート・ギャツビー』の6度目やら7度目の映像化、B・ラーマン脚色の映画『華麗なるギャツビー』。冒頭からいきなり映画オリジナルのシーンが飛び出す。

 閑静な田園地帯に一軒の建物。ここはパーキンス療養所。小説版の語り部ニック・キャラウェイ登場。偉く疲れた顔をしている。小説版でいえば、後半、ラスト近くを思わせる顔。それもそのはず、現在のニックは、小説版でいえば最終ページの後、読了後の、その後らしい。
 今彼は療養中。ギャツビーとの顛末で疲れ果て、立ち直れないでいる。パーキンス医師は治療の一環として、その顛末を小説化してみては(文字通りのストレス発散)? と提案する。
タイプライターに向かうニック。そして、映画はそのまま小説での1ページ目と重なる。独白形式で書かれた小説と同じように、映画もまたニックの独白が始まる。

 パーキンス医師は、著者フィッツジェラルドの良き理解者、編集者のマックス・パーキンスと同名、語り部ニックのモデルはフィッツジェラルド自身。


この記事が参加している募集

映画感想文

よろしければ、サポートお願いします。励みになります。