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体幹機能を向上させるために必要なインナーマッスルトレーニング

【体幹機能を向上させるために必要なインナーマッスルトレーニング】

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体幹は四肢に力を伝達するための土台であり、日常生活やスポーツに関与することから体幹筋は非常に重要だと考えられています。

体幹筋は大きくローカル筋グローバル筋の2つに分けることができます。

ローカル筋はいわゆるインナーマッスルで起始もしくは停止が直接腰椎に付着する筋で体幹の深部に位置します。

一方、グローバル筋はアウターマッスルです。ローカル筋とは違い脊柱に直接付着しないことが特徴です。

ローカル筋は安定性を、グローバル筋は運動方向を決定する。そんなイメージです。

下記の表は代表的なローカル筋とグローバル筋の分類です。

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どちらともが正常に働くことで腰椎の安定性が向上し、体幹の剛性を高めることができます。

特に、インナーマッスルは体幹筋の土台となるのでトレーニング初期の段階からしっかりと収縮を覚えさせなければいけません。そんなインナーマッスルで重要な筋肉を今回は説明していきます。

・腹横筋

起始:7~10肋骨の肋軟骨の内面、11、12肋骨の腹側端、胸腰筋膜の深葉、腸骨稜の内唇
停止:鼠径靱帯
機能:片側:体幹を同側に回旋 両側:呼気に働き、腹部の緊張を維持
神経:肋間神経

腹横筋は筋線維の違いから、上・中・下部繊維に分けられ上部は胸郭の安定性中部は胸腰筋膜の緊張を介して腰椎の安定性下部は仙腸関節の安定性に関与するとされています。
腹横筋の中・下部繊維は体幹の同側回旋に関与し、上部は反対側回旋に関与します。

腹横筋を鍛える代表的なトレーニングとして、ドローインがあります。
ドローインでは主に腹横筋の中・下部繊維が鍛えられます。実際にドローイン後に腹横筋の筋厚を調べた報告では中・下部繊維において筋厚の増加が認められました。
さらに、腹横筋の中部線維は上・下に比べて筋厚増加率が有意に大きいことが分かりました。
その為、ドローインを行うことで腰椎の安定性を向上させ、仙腸関節も安定し支えることが可能なことが分かります。


・多裂筋

起始・停止:椎骨の横突起、相同部位と上位の棘突起を結ぶ、腰椎で最も大きい
機能:両側:脊柱伸展 片側:同側に屈曲、反対側回旋
神経:脊髄神経後枝

多裂筋は起立筋の中でも最も内側に位置しています。
特徴的なのは、筋束が分節的に配置されているので安定性に非常に重要な筋と言えます。
両側収縮で脊柱を伸展させ、片側収縮で同側への側屈、回旋を行います。

多裂筋を鍛える方法としては四つ這いキープやブリッジ動作などがあります。

特に、ブリッジ動作では多裂筋の筋活動がより活性化します。

四つ這いキープを行う際は、支持側の上肢で地面を押して肩甲骨を外転させることによって前鋸筋を促通させることができます。さらに、前鋸筋は腹斜筋とも筋連結があるので同時に鍛えることができます。このように多裂筋だけでなく腹筋や背筋の共同収縮を行えることもトレーニングのポイントとなります。
それぞれ患者さんやクライアントさんに合わせたレベルでトレーニングを設定することが大事だと思います。


・横隔膜

起始:肋骨部、腰椎部、胸骨部
停止:腱中心
機能:呼吸、腹圧負荷
神経:横隔神経

横隔膜は主として呼吸機能の役割を果たします。
知っている方も多いと思いますが横隔膜は呼吸活動の60~80%を担います。
他にも姿勢維持、脊柱の減圧、内臓機能の安定など様々な役割を行います。
さらに、横隔膜の緊張により腹腔内圧が高まっていると腰椎の剛性が高まることが報告されています。
姿勢保持機能、呼吸活動を担っていることから横隔膜の機能低下は胸郭のニュートラル化を妨げてしまいます。
姿勢が悪化することにより体幹の伸展位を維持できなくなり、起立筋の過活動が発生し胸郭の変位が生じてしまいます。その為、横隔膜などのインナーユニットを使用してインナーユニットの作用により体幹の伸展を保持できることが必要です。
横隔膜は腹横筋との筋連結もあるため、腹横筋のトレーニングで紹介したドローインで鍛えることができます。


・骨盤底筋群

骨盤底筋は上部から臓側骨盤隔膜、骨盤隔膜、尿生殖隔膜の三層構造になっています。
・1層:臓側骨盤隔膜
骨盤腔内の臓器の表面を覆い、臓器管を埋める結合組織
・2層:骨盤隔膜
肛門挙筋と尾骨筋からなります
・3層:尿生殖隔膜
恥骨結合と両側の坐骨結節の間にあり、上下の筋膜層からなります。

骨盤底筋群は単独で働くというよりも、腹横筋や多裂筋、横隔膜などのインナーユニットを使用して体幹の安定性に貢献しています。
さらに、呼吸時には吸気で横隔膜は下方に下がります。つまり、求心性収縮します。それに対して骨盤底筋群や腹横筋などは遠心性収縮を起こし、腹部を腹らませます。
反対に呼気時には横隔膜は遠心性に上方へ上がり、骨盤底筋と腹横筋は求心性収縮で上方に上がる働きを持っています。このような機能のおかげで腹圧を一定に保つことができるのです。

以上の4つの筋が四方から壁のような役割をして腹圧を高めてくれています。
全てそろって体幹を安定させることができます。


まとめ


・体幹の安定にはインナーユニットが大切
・腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群は体幹の安定に貢献する
・それぞれの筋の解剖学的特徴を理解してトレーニングを選択する



参考文献

・田舎中:骨盤底筋群機能障害に対する評価とアプローチ

・大久保:体幹機能のエビデンスとアスレティックトレーニング

・大貫:呼吸機能と体幹、横隔膜の関係性について

・プロメテウス解剖学

・柿崎:胸郭運動システムの再建法 呼吸運動再構築理論に基づく評価と治療 第2版

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