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受験生版TigerFundingを授業で観た件

先日Youtube動画でみた受験生版TigerFunding(令和の虎)のオシカジュリアナさんの回を2年生の生徒と授業の中で観ました。

知らない方に補足説明をすると以前、2001年から3年間テレビで放送されていたマネーの虎のリメイク版のYoutube番組です。今回は受験生版ですが起業したい人や事業拡大させたい人が支援を募る内容もあります。僕たち世代の人は誰もが知っている構成で、毎回楽しく観ています。

さて2学期の「公共」のメインテーマは憲法や政治について授業を進めてきました。憲法14条や25条などを中心に出題した2学期の期末考査のテストの返却と解説を終え、残りの時間でオシカジュリアナさん、通称ジュリさん(ちゃん)の回を観たいと思いました。

観たことがない方はネタバレもあるので上にあるこのYoutube動画をまず観ていただきたいです。簡単に概要だけ紹介すると長野県在住の17歳の女子高生オシカジュリアナさんは、ブラジル人の父親と不法入国で日本を訪れたタイ人の母親の間に生まれたいわゆる「無国籍児のような状態」です。それが原因で将来保育士になりたい夢を持った彼女は進学のために必要な受験料や授業料の費用を融資という形で支援してもらいたいというプレゼンテーションを5人の社長たちに行っていました。さらに彼女は社会福祉協議会や行政書士の方から聞いた日本にいる自分と同じ在留資格さえ許可されない50人についても救ってもらうことができないかという話をしていました。

その動画を観ながら生徒たちと様々な議論をしてみました。
「仮に彼女が日本国籍であればどの憲法によって保障されるのか」
「外国人の両親から生まれた子どもはそもそも日本国籍を得ることができるのか」
「難民として受け入れることはできないのか」
「入国管理法では不法入国をどのように定めているのか」などです。


授業の最後に生徒たちに動画を観た感想と2学期の授業評価アンケートをGoogleフォームで回答してもらいました。その一部抜粋です。

生徒A:
ジュリさんみたいな難民を助ける力になりたいです。

生徒B:
オシカジュリアナさんの話を聞いて現在の不正入国した外国人の問題を解決したいと思った。

生徒C:
2学期は、憲法などを学んでこれからの生活に必要な知識をつけさせてもらった。その中で、親が抱えた問題で苦しい生活を送らざるを得ない人がいることも知った。募金に協力するなど自分にできることから始めていきたい。

生徒D:
ジュリちゃんには何も非はないのに日本の法律によって苦しい生活を強いられている状況があるのだと知った。同年代の子が勇気を出して主張している姿をみてとても尊敬した。少しでもジュリちゃんのように困っている人が減ってほしい。そして、心から応援したい。

生徒E:
お母さんが不法入国したという理由で住みにくい環境で育ってお母さんを恨むこともあったと思うけどそれでもお母さんを見捨てず自分が公の場に出て声を上げたのがほんとにすごいことだなと思った。融資してもらったお金で保育士になるという夢を叶えてほしいなと思った。

生徒F:
日本国憲法を学んだことで生活の中の憲法が関わる事に気付くことができて
面白かった。動画を見て色々な状況の人がたくさんいることを知れたし、日本について少しわかった気がした。このチャンネルの動画を初めて見た。こんな境遇の人がいることを知らなかったし、他の動画も見てみたい。

生徒G:
オシカジュリアナさんの動画を見て賛否両論の難しい問題だなと感じました。ですが、同じような境遇の方が何百人ともいるなかで勇気を出してその問題と向き合い、なんとかしようと思ったジュリさんはとてもすごい方だなと感じました。この問題だけでなくその他の問題にも向き合い、自分たちにできることはないのだろうかと考えるということをしていき、少しでも力になれる行いをしたいと感じました。

生徒H:
国籍がない子が日本に201人もいることを初めて知ったし、その中の51人は救うことが難しいことがおかしいなと思いました。ジュリさんが勇気を出して動画に出演したこともすごいし、自分の意見をはっきり言えていることがすごい勇気があるんだなと思いました。いろんな意見が出ると思うけどジュリさんはこれからも頑張ってほしいと思いました。

感想を考えてもらう前にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の昨年度の難民認定数の国際比較のデータを見てもらいました。ドイツが46,787人、アメリカ合衆国が46,629人という人数に対して日本は202人(認定率2.0%)ととても少ないことを紹介しました。名古屋市の入管施設で亡くなり大きく取り上げられたスリランカ人のウィシュマさんについては記憶に新しいですが今後グローバル化が進む日本が様々な問題を抱えていることがわかります。

また本校で生徒会を中心に今朝から赤い羽根の募金の呼びかけが始まっていましたが外国にルーツがある人々への支援も行っていることを伝えました。「信用貯金」という言葉を用いて説明しましたが「自分が困っている時に手を差し伸べてくれるのは日頃から自分の信用を高めておくことが大切。募金は強制ではないが今できることをやろう」と話すと真剣な表情で頷く生徒の様子がありました。

授業を行う際、もちろん教科書を使うことは大切ですが、特に「公共」という教科は教科書のみならず様々な教材(新聞やYoutube動画、フィールドワーク)を用いることができることが魅力です。過去の出来事や日本国憲法の条文を覚えるだけではなく、それを使ってどのように物事を考えることができるかを生徒と一緒に考えて行きたいです。

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