靴下を楽しんでいる
幼い頃から寝る時以外は靴下を履いているのが好きだった。
家の中では裸足が好きという人も多いのだと思う。
真夏の暑い時だろうが、銭湯に行った後だろうが、ホテルに宿泊する時だろうが、基本は靴下を履いているのが好き。「履いている感覚」が好きなんだと思う。
靴下にこだわりを感じたのはいつだろうか。
そもそも服にこだわりがなかなか出なかった。正直今もそこまでではないのかもしれないけど、高校生までは制服や学校のジャージで過ごすのが好きだった。
中学生の頃は文化部とは思えないくらいジャージを着ていたし、高校生の時は1年で340日くらいは制服着ていた気がする。わからんけど。
大学生になって自分で服を買うようになった。
今まで制服に頼っていたこととお金がないことが合わさって「安い」が最優先事項だった。
靴下なんて履ければいい。
そんな時、スタバでバイトを始めた。
今はドレスコードの幅が広がったが、私が入社した頃は基本上下が黒白縛り。
ピアスやネックレスはOKだったのでそこは最初から楽しんでいた。
私がいた店舗でとてもおしゃれな子がいた。
とっくに卒業したその子はとある有名な洋服ブランドに就職した。
私服なんて見たことなかったけどおしゃれなんだろうなって読みが当たっていたんであろう就職先だ。
私がどこで判断していたかというと、
「靴下」
であった。
黒白シャツ、タートルネック、ズボンのシンプルな中に
ちらっと見える靴下が可愛かった。
「靴下可愛いですね」と聞いたことがあった。
「靴下くらいでしか遊べないからねえ。こだわってるんだ〜」
なるほどなとその時は思った。
私は状況に流されやすく、スタバで働き始めてからバイトだろうが、学校だろうが、遊びだろうが、モノトーンコーデが多くなった。
たまたまそのタイミングで気付いただけかもしれないが、黒を着ると落ち着くことに気づいたのだ。
それは今も変わらない。いつも黒着てる。
モノトーンに靴下チラリがとんでもなく可愛いのだ。
そこで私も遊び始めた。靴下で。
最初はTHE原色で柄なしの靴下から遊んだ。
ちらっと見える赤や青がたまらなかった。
そこから今は柄物で遊ぶようになった。
偉人の顔が大きく書いてあるやつはウケがいい。
最近、若い子に「靴下いつも可愛いですね」
と言われた。
ああ、私は靴下を楽しんでいるんだなあと思った。
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