先生と生徒eラーニング

主体性の育成に制限をかけているのは大人なのでは?

新学力観では、知識・技能の習得から始まり、最終的には主体性の育成が目指されています。

【新学力3要素】

要素①:知識・技能

要素②:思考力・判断力・表現力

要素③:主体性・多様性・協調性


以前は主体性という言葉ではないにしろ、「関心・意欲・態度」という表現で情意面が評価されていました。これだけ、教育では「自分で進んでやる」「積極的に行う」などの主体性が重んじられてきたわけです。

しかし、いつの時代もそれらの能力が十分に育成されてきたのでしょうか?大人による制限が強いあまりに、主体性の育成は難しいように思えます。学校では、カリキュラムが決まっています。この単元までをこの時数でやる!という範囲が決まっています。先生もしきりに「ここはテストに出ない」と言います。それを聞いて生徒も「ここはテストに出ないから勉強しない」ようになります。

そのような事態にならないように、実は、今までの教科書には工夫がなされていました。各教科の教科書には活用トピックが設けられています。例えば、数学で三角関数の単元を学習した後には、その知識を活用して身近な事象の問題解決をするトピックが設けられています。先生によっては、それを授業で用いますが、大半の先生は扱いません。なぜなら、入試に出ないからです。学習指導が入試に特化した効率性を重視するものになってきたからです。

入試改革によって、それが改善される兆しがあります。入試問題では、そのような知識を活用する問題が多く出題されます。記述式の問題も数学と国語で出題されます。また、普段の授業でもPBL(Problem-Based-Learning)が多く取り入れられるようになり、普段の教科の枠を超えた学びが行われるようになってきています。

しかし、ここでも大人である先生が学びや問題解決の範囲を狭めたりしてはいけません。答えが定まる「収束型の授業」の授業をやってきた先生にとっては、PBLで「発散型」の授業を行うのには少し抵抗があるようです。収束型の授業だけで主体性を育成をするのは難しいです。教科の枠を超えるトピックも用意するべきでしょう。そのようなトピックに関しては、外部の企業のサービスにPBLの授業を委託するのも手だと思います。社会の問題解決をそのまま生徒が体験することができます。高度情報化社会の次の時代を生き抜くためには、型通りの学習や仕事をしていては価値が生まれません。だから主体性が重んじられているのです。

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