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【ウィキペディア】2023/9/21 佐倉市民カレッジ 3学年 情報コース「情報化社会の学習(1)」でウィキペディアタウン@佐倉市中央公民館

佐倉市の市民カレッジは、40歳以上の市内在住の方が4年間通学するというもので、実質的には定年後の世代の方々の生涯学習的な位置づけです(たぶん)

1~2学年は一般教養課程で、3学年以上はコースに分かれていて、福祉、歴史、情報、元気が選べるようになっています。
私は昨年度も一度、情報の授業の講師を担当したのですが、その時はネットリテラシー、情報リテラシー、ウィキペディアなどの話をまとめてしただけでした。

今年は3学年は「ウィキペディアタウン」をやろうということになり、佐倉市中央公民館の近くにある妙隆寺の記事を実際に作ってみようというプログラムです。

妙隆寺は開創から500年以上も経っている非常に歴史のあるお寺で、この時点ではウィキペディアには記事がありませんでした。
カレッジ受講者は、事前にお寺について調べ、お寺の方にお話を聞き、写真を撮り・・・などの準備をしていただきました。

これは後で聞いたのですが、受講者の平均年齢は72歳くらいということで、例えばパソコンやスマートフォンを扱うことでも、カレッジのカリキュラムの中で練習するとはいえ個人差はあるでしょうし、ウィキペディアについても親しみや知識はバラバラです。

受講者は13人。妙隆寺の記事だけでは題材が足りません。
そこで、佐倉市の「武家屋敷通り」も題材に加え、2チームに分かれての記事執筆となりました。

ウィキペディアンとして注意しなければいけないことはいくつかあります。
まず、初心者の編集者が編集を初めてするという状況なので、ウィキペディアそのものになるべく迷惑が掛からないように配慮すること。
これは大前提となります。
ウィキペディアをカレッジ生の授業のために使わせていただく、ということでもあるので、新規記事はある程度のクオリティに達するまでは作らなければなりません。

ふたつめは参加者側です。
それぞれ最低でも一回は編集をして、記事の履歴に名前が残るようにすること。これがないと編集の面白さや、情報を発信する責任などが印象として弱くなるからです。

みっつめは、地域の事物を題材にするわけですから、例えば妙隆寺のかたが嫌な思いをしないように配慮することです。
これはウィキペディアの編集方針である「中立的な観点」

を考慮しながら、かつテーマに対しても配慮をする、ということです。
この辺りはカレッジ生には話はするものの、実際に気を配るのはウィキペディアンとなります。

というのも、ウィキペディアンはその日に講師としてやってきて、ウィキペディアの記事を作る手助けをして、ではさようなら~ってなもんですが、カレッジ生や公民館はそこが地元なわけです。ウィキペディアの記事を作成することでお互いに嫌な思いを残して過ごすなんてことがあってはいけません。

幸いに、妙隆寺の関係者の方が実際に授業をご覧くださって、非常に理解を示してくださったことで、私の心配は杞憂で済みました。

授業は、時間の制限があるので、とてもスパルタな感じでした。
ウィキペディアの理念や成り立ちなどをざっと説明し、すぐに編集の練習をしてもらいます。「出典を付ける」ということが実践でできれば、授業の後も継続して編集が楽しめるので、強調しました。

著作権のことや、出典として使える資料についての質問が結構ありました。

自分がもし72才だったら、この難しいチャレンジングな体験についていけるだろうか、と考えたとき、カレッジ生の皆さんの学習意欲、知的好奇心は本当に頭が下がりました。

編集ワークショップ自体は、二人の強力な司書ズの協力で滞りなく(?)進み、二つの記事がめでたく完成しました。

自分が書いた文章や、撮影した写真が、ネット上の百科事典に載っている。
それが誰かの役に立つ。成果物も大事ですが、編集していく過程を夢中になってやるという姿勢そのものが素晴らしいなと感じました。

最後のおまけとして「孫の写真を勝手にネットにアップしちゃうと、とんでもないことになるかもしれないよ」のおお話をして怖がっていただいて。

11月には4学年の方々に、編集を伴わない、リテラシーとウィキペディアの話にまた伺います。

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