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怒られないことを、初めて恐れた。

今日から3日間は国際展示場で香港企業とお仕事。
初めて担当する企業かつ、"電子回路"というお堅そうな業界だ。

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東京の電車は、駅の間隔が実にせまい。

少しスマホに集中してたり、考え事をしているとあっという間に乗り過ごしてしまう。そして今日、派手にやらかしてしまった。

渋谷から向かう先は、国際展示場。埼京線で乗り換えなしで20分ほど、幾度となく行き慣れた場所のはずだった。メールやLINEはほとんど移動時間に返信するので、今朝もいつも通りスマホを見ていた。

渋谷から電車に乗り、恵比寿を通過したところまでは覚えてる。次に気が付いた時には、横浜にいた。

えっと、なんでだ?

切実に知りたい、なぜここが横浜なのか。
一瞬、ワープを疑った。

乗っていた時間は25分ほどだったので、1駅過ぎた程度かと思いきや、全く違う方向に乗っていた。

横浜から国際展示場までは、44分だった。

おかしい。全く理解できない。恐らく直通ではなく、大崎で乗り換えるパターンだったのかもしれないけど、そんな高度なトリックをいち奈良県民が見分けられるはずがない。

順調に乗り継いで1時間の遅刻は確実。
フリーランスになって初めて、深々と頭を下げた「大変申し訳ありませんでした」を想像した。

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初めてお仕事する企業で、本番当日に1時間遅刻は完全にまずい。完全に土下座案件だ。電話ですぐにお詫びをいれると、「大丈夫なので、気をつけてきてくださいね」と優しい返事が帰ってきた。

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10時に着かなければいけなかったが、幸い1つ目の商談は11時から。ギリギリ間に合った。とはいえ、完全に派手な遅刻。社長になんと謝罪しようか、ものすごく考えてお詫びをした。

「ああ、大丈夫。さっきの商談よかったよ。今日からよろしく!」

神対応だった。

私の表情が明らかに固まるほど、全く怒られもせず、何なら来てすぐの商談を無事終えたことを褒めて下さった。到着するまで何度心の中で「死んだ。死んだ死んだ終わった終わった」と唱えたことか。一瞬にして許され、唖然としてしまった。

ところが全く怒られなかったことに対して、生まれて初めて“安堵”ではなく“不安”を感じた。”不安”通り越して、若干の”恐怖”もあった

すごく反省して、どうすれば同じミスが避けられるか考えたけど、仮に怒られなかったことでホッとして、習慣になったときのことを考えると恐ろしいものだった。

同じミスを繰り返した時、先に待っているのは、信用を失って人が離れていくことだと思った。
時にたった一度チャンスを逃すだけで、人は離れていってしまう。自発的に反省して改善しない限り、同じミスを繰り返してしまうと、きっと見えないところで失うものは計り知れない。

今日私は怒られずラッキーだった。
でも、怒られることではなく、怒られないことを、初めて恐れた日だった。

サポートすっごく嬉しいです、元気出ます(´;ω;`)ありがとうございます!