第38回「心がけ」

▼朝から某所へ電車移動。夕方まで無我夢中で無免許医療に打ち込む。▼ここ最近の、いわば「通い」での無免許医療の日々で、昼食になにを食べるかがだいたい固まってきた。近場には飲食店も多数あるが、暑い中歩きまわるのもおっくうなので、けっきょくコンビニでパンみたいなものを買ってしまう。具体的な商品名をあげると、「根菜チキンのサラダラップ」というやつ。根菜とチキンを和えたサラダをトルティーヤみたいな生地で包んで手巻き寿司みたいにしたやつ。たぶんほかの無免許医が見たら「それで足りるの？」と訊かれるであろうサイズ。かなり小さめ。ただ、自分の場合、しっかり食べるとすぐ眠くなり、その後の無免許医療に影響が出てしまう。無免許医療とはいえ、いや、無免許医療だからこそ、医療ミスは避けなければならない。「それで足りるの？」むろん足りない。が、「足らせてはいけない」のだ。人の命や人生を左右する職（無免許医）にあるものとして、日々油断しないよう心がけている。油断して昼食を食べすぎないように。油断して注射器をマンションのごみ捨て場に捨てないように。通りがかりの切れ者警官が「注射器がなんでこんなところに……？　まさか無免許医が無免許医療をやっているのでは！？」とピンと来ないように。

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