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日本国内で回収された古着の行方その1🚢海外へ輸出される古着👖

皆さんこんにちは、ラグマスター(ラグハウスの親方)のPikaichiです。ラグハウスとは古着のリサイクル工場の事です。常日頃より、古着のリサイクルや回収にご協力下さり有り難うございます!!


回収された古着の行方

日本国内で回収された古着は素材や色、サイズ、形状、使用頻度などにより100種類以上に選別して行きますが、主に次の3種類に分類されます。
①中古衣料(国内外向け)
②ウエス原料(工業用の雑巾)
③反毛原料(フェルトの原料)
そして今回は①中古衣料(国内外向け)の海外向中古衣料の話です。

回収されて積み上げられた古着

海外向中古衣料

日本で回収され、日本国内で選別された古着のおよそ30%程度が中古衣料として主に発展途上国に輸出されています。

海外向中古衣料の主な輸出先は、東南アジア諸国やアフリカ、中東などの熱い国なので、夏物が重宝されています。当然ですが、古着としてリユースされるので、汚れている物や破けている物、毛玉の付いている物などはNGになります。

タイの古着マーケット

古着輸出の始まり

本格的に海外向けの古着輸出が始まったのは1980年頃ですが、その当時は海外のバイヤーも日本のシッパーも古着の品質よりも供給量に重きを置いていたように思います。その頃の東南アジアでは貧困層がまだまだ多かったので、とにかく着用出来れば良いという事だったのだと思われます。
 
その後1990年頃から、だんだんと品質基準が厳しくなってきます、着用できない物は当然の事ですが、毛玉や小染み、擦り切れなどもNGとなって行きます。

この事により東南アジアの人々の生活水準が少しづつ上がって来ている様に読み取れます。着用出来れば何でも良いから、着用するのは綺麗で良い物に変わって来たのです。

古着需要の変革

2005年頃から供給過剰のためか不況の為か、婦人服が全く売れない時期が有ったのですが、最近では女性向けのカジュアルな物からビジネススーツまで、ありとあらゆる物が売れるようになって来ました。これを見れば東南アジアでも景気の回復と、女性の社会進出が起きている事を感じ取れます。
 
女性向けは特にファッション性が重要で、無地が嫌われ柄物が好まれています。以前はデザインのダメージジーンズもNGだったのに対し、最近はダメージジーンズというカテゴリーが誕生するほどです。

このほかにもガウチョパンツ、ワイドパンツ、チュニック、サロペットタイプのショートパンツ、レギンスジーンズ、カーゴパンツと様々なファッション性に富んだアイテムに需要が起きています。

積み上げられた中古衣料ベール

これらの変遷を見ると、貧しくて物が無いので古着を着ていた東南アジアの人々はいなくなりつつあり、古着をファッションとして楽しむようになって来ている人達の様子がうかがえます。 一部の国では大型古着チェーンの出店やビンテージジーンズショップも出来るほどです。もはや東南アジアは経済成長を遂げ、発展途上国ではないのかもしれません。

ラグハウスとは

ラグハウスとは古着のリサイクル工場の事で、和名は襤褸屋(ぼろや)です。ラグハウスでは、回収された古着を主に次の3種類の用途に選別しています。
①ウエスの原料(工業用の雑巾)
②反毛の原料(フェルトの原料)
③中古衣料(国内国外向け古着)

このブログをお読み頂く上での注意点

私のブログや記事の中では、古着や古布、古繊維の事を総称で古着と表記したり、またリサイクルやリユースの事を総称でリサイクルと表記している事が有りますのでご注意下さい。そして、その古着をリサイクルする業者の事を、ラグハウス(Rag House)またはボロ屋と表記しています。ラグハウスの業界用語で、選別前の古布の事を込ボロ(こみぼろ)と呼ぶので、こちらもそう表記する事が有ります。

また、古着のリサイクルについてのご意見や疑問、ご質問などが有りましたら、コメント欄より是非お寄せください。丁寧に分かりやすく返答させて頂きます。

▼回収された古着の行方 その1海外向け中古衣料の動画

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