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アトピーの原因を探そうとする難民 あなたには原因が必要か

私は長い間、アトピーと共に生きてきたので、もうあまり意識をしていなかったのですが、アトピーの原因を知りたがる人が多い。決して意味のない事ではないし、ディスるつもりもない。


原因がわかる事で、それを避けたり、改善したりできれば、アトピーの症状を押さえれたり、アトピーになりにくくなったり出来るかもしれない。そういう意味で、原因追及をするのだろうと思う。


ただしその原因を、何年も見つけられない人が多いのではないか。特に、医者や病院をコロコロ変えている人にその傾向がある気がする。

アトピーの原因を探そうとする難民

そういえば、重度で動けなかった20代前半に「アトピーに原因ってあるんだろうか」と悩んだことがあった。寝たきりで、体中の皮が剥け、全身から浸出液が出ていて、眉毛は無かった。


仕事も長期で休んでいたし、まだ結婚していなかったので、実家の親元で生活していて、身の回りの事は何もしなくて良かった。


ただ起きて、ご飯を食べて、寝てを繰り返し。母親が身体に負担の少ない食べ物を作ってくれたり、掃除をしてくれたり、衣類や寝具を取り換えてくれたり。


田舎だったので、空気もきれいだし、日当たりとか温度や湿度の環境も悪くはない。衣食住に何も問題が無かった。


「悪くなる要素が無いのに、なんでこんなに痒いんだ・・・」


今までしてきた仕事がストレスになってたのか、

今まで食べてきたものがダメだったのか、

今まで夜中まで遊んでた事がダメだったのか、

過去にタバコを吸った事があったからダメだったのか、、、


あ、そうだ!アトピーは遺伝するというから、両親が悪いんだ!!!!親父もお袋も、アレルギーがあるぞ。そういえば、爺ちゃんは昔から”サメ肌”だって言ってたな・・・


そうか、俺のアトピーの原因は、遺伝だ!! 俺をこんな風にしたのは、家族のせいだ!!


・・・今から思うと、なんと浅はかな考えだと恥ずかしく思うくらいです。もちろん、アトピーはアレルギーの一種なので、遺伝的に伝わった体質が原因のうちの1つなのかもしれない。


仮に原因を、遺伝だと断言したとして、回避策は・・・ない。

原因が分かったとしても、対処方法が無い

元々アレルギー体質だったけど、残業続きでろくに睡眠もとれず、食生活もいい加減だったある日、猛烈な痒みに襲われ、朝起きたら全身に湿疹が出ていた。


慌てて医者にかかったが、原因は解らず。皮膚の炎症による痒み。体全体に熱感があり、物事に集中することも出来ない。それに眠れない。


原因は、仕事か、食事か、睡眠か、運動か、不摂生か、タバコ?、環境?


今の生活の延長線上に、アトピーがある。何かをすぐに変えられるのか。


そして、何かをすれば、すぐにこの痒みや痛みや、湿疹が消えるのか。


どれだけで治る?何日休めばいい?いくらかかる?

解らない病気「アトピー性皮膚炎」

人によって原因は違い、人によって治療としてできる事が違う。生活の中に改善の糸口がありそうなこの病気は、どんな大先生の力を借りても治せない。


アトピーの権威と言われる先生が、私達のアトピーを完治させてくれるのではない。自分達で見つけるしかない。先生は、そのためのサポート役で、沢山の患者を診てきているので、事例と指導をしているだけだ。


あなたが仕事で、どんな風に頑張って、強いストレスを感じながら生きてきたかを、先生は知っているのか。それに、全部話したとして、対処方法はあるのか。


たぶん、無い。


先生は、「仕事やめなさい。住まいを変えなさい」なんて無責任な事言えないはずだ。

原因追及よりも、身体が調子よくなる事を探す

原因の追究はしないよりも、する方がいい。でも、ほどほどで良い。それよりも重要なのは、「自分の身体がどうすると、調子が良くなるか」だ。


特定の食べ物を食べると、アトピーが出る(食物アレルギーなんじゃない?)なら、それは避けるとかはすればいい。猫を飼っていて痒くなったなら、誰かに譲っても良い。(無責任な飼い主とか、そういう問題は別として)


そういう原因を避けていくことで、アトピーの症状を脱していくのであれば、それでいいと思うが、そうではなくて、身体の調子が良くなる事を探してはどうだろうか。


私の場合、お菓子とか甘い砂糖系のものを食べ過ぎると、かなりの確率で半日すると、ムズムズと痒くなる。だから、極力甘いものは食べない。しかし、それよりも汗をかく運動をするほうが、早く身体が回復をする事が解った。


これは経験からの自分が見つけた方法だが、甘いお菓子とかケーキとかチョコ、和菓子が大好きな私が、結構食べてしまった時、半日後には「あれ、来たか?」というムズムズが出る。


翌日には体の至る所が、痒くなり皮膚に湿疹や赤みも出てくる。肌も掻く事でカサカサしてくるし、夜中に無意識に掻き壊して傷も出来る。


いつもなら、ステロイドに頼る。若いころはそれだけで効いた。でも、30代40代になり中々コントロールできない。その時にヤケクソになって、汗を滝のようにかくまで、運動をしたことがあった。すると、翌日すごく調子が良くなったのです。


具体的にその時を振り返ってみた。私は、甘いものが大好きで、一人1個の饅頭を3個も食べ過ぎて、痒くったのです。バチが当たったのです。かなり強烈な痒みでした。でも、そんな都合の悪い事を覚えている訳がありません。


強烈な痒みに、居ても立ってもいられないので、走りに出た私は、走っている最中はあまり身体は掻けません。景色も変わるので、気もまぎれる。


さらに、スポーツに熱中すると、アドレナリンが出るという。長い距離を走るランナーは途中で気持ち良くなる時がある「ランナーズハイ」。私はこの時、痒みを感じなかった。走れば走るほど、痒みが引いていくのがわかりました。ゆっくりでもいいので、長い距離が有効だった。


糖分を体内で一番消費するのは脳だけど、必要な血中糖度は一定らしいので、摂りすぎた分は身体に蓄積されるようだ。蓄積された糖は、運動をする際にエネルギーとしても使われるらしい。


という事は、私が食べすぎた甘いお菓子やケーキの糖分を、運動によって燃焼させることで、早く身体から糖を減らせれる訳です。汗をいっぱいかく事で、燃焼する。


さらに、全身びっしょりの汗をかきますが、この汗は「天然の自前の美容液」でもあるのです。もちろん、汗として皮膚から出た時に、それが肌の刺激になる時はあります。


でも、皮膚細胞の潤い度を考えると、汗により補われた水分によって、乾燥している時よりも、断然肌が強く感じます。汗をかいた後の肌は、キュッと引き締まっていると実感する人も多いはずです。


私の痒みの原因が、饅頭の砂糖だと解って、今後はそれを避ければいいだけという話ではない。


アトピーの原因なんて1つではなくて、いくつもの要素で私達の皮膚から症状とて溢れたものだ。それを追究していく事も確かに大事です。しかし、それよりも何をすると、体がよい方に進むのかを追求する方が、効果が出る場合がある。


仕事の上司がストレスでアトピーが出ても、上司は変えられない。黄砂や花粉で、住んでる環境がアトピーに悪いとなっても、引っ越せない。小麦が悪いと解っても、小麦が入っていないような食べ物が少ないし、友達とご飯の行けなくなっちゃう。


私は、原因を削除していく方法は、手詰まりになりやすいと思う。今出ているアトピーの症状は、今までの累積です。変えられない生活がある。ダメなものを禁止するだけの人生は、楽しくない。


それよりも、良くなる方法を探して取り入れる方が、気持ちの部分でも幸福度が上がるように思うのです。


あなたにとって、原因は必要でしょうか。

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