「スニーキー・ピート」

スニーキー(sneaky)とは「ずる賢い」という意味
ピート(pete)とはピート・マーフィーという男の名前

面白いドラマに出会った。これを見てないのなら損はしないけど人生がほんの少し面白く見える。「STING」や「オーシャンズ11」のような作品が好きなら尚更だ。主演はジョヴァンニ・リビシ。「プライベート・ライアン」で彼を知ったわたしはAmazonプライムでこの作品を知った。彼は一体どんな演技をするのだろう、「プライベート・ライアン」では優しくもたくましい衛生兵を演じていた彼は、詐欺師という役をどんな風に演じているのか気になった。

「スニーキー・ピート」を簡単に説明する。
このドラマはアメリカの犯罪ドラマだ。「ブレイキング・バッド」のウォルターことブライアン・クライストンがプロデューサー兼・作中に登場するヴィンスという悪役を演じている。主演にジョヴァンニ・リビシ。ストーリーはジョヴァンニ・リビシ演じる天才詐欺師、マリウス・ジョシポビックが刑務所の同室の仲間の名を借りて彼の祖父母の家に身を隠す所からスタートする。
借りた名前は「ピート・マーフィー」ピートと祖父母は20年会っていない。それを利用してヴィンスというカジノ経営者からの追っ手から逃げる為に祖父母の家を隠れ蓑にすることに。マリウスは刑務所に入る前にカジノ経営者のヴィンスを仲間達と騙してひと仕事しようとしていたが、途中でバレて仲間のひとりは殺され、マリウスの弟エディがマリウスを逃がし必死に逃げ出したマリウスは銀行強盗のふりをして警察に守ってもらうという顛末。出所後はヴィンスに金を返して解放してもらうために四苦八苦するのだが、隠れ蓑にしているピートの家族「バーンハート家」もなかなかの問題があり、二重生活のなかでみせるマリウスの詐欺師としての手腕が面白い。

「バーンハート家」これはピートの祖父母の家だ。保釈金立替業を一家で営む。
祖父オットー、祖母オードリー
従兄弟たち
家業を手伝うジュリア・ボウマン、警察官のテイラー・ボウマン、高校生のカーリー・ボウマン
この家族にピートとして成りすますマリウスは、20年会ってないからと言って簡単そうに見えるが昔の話題が出た時にも決してうろたえず、相手の表情・話の流れを瞬時に汲み取って難なく答えることができるので家族にも怪しまれずに家族の一員として居座るのがすごい。詐欺師ってすごい。これオレオレ詐欺のハイレベルバージョンじゃん。電話ならいざ知らず、成りすまして一緒に過ごすんだよ。しかも従兄弟たちも。しかし鋭いティーンエイジャー・カーリーはピートが偽物なんじゃないかと疑念を抱くんですよ。そりゃそうだ。カーリーが仕掛けた会話のトラップもマリウスにはお見通しだったんですが。詐欺師としての年季が違いますね。警察官のテイラーは精神が小学生だし、ジュリアは祖母との確執がある。家業は危ういし、マリウスの目当ての金も無さそう。すぐにこの家を出てヴィンスへの金をどうにかしようと思いつつも、この家族が気になり始める···昔の詐欺仲間もマリウスが変わったと思ったりして、マリウス、あんたはあの家が愛しいんでしょ、なんて言ったりしている。そう、マリウスには寂しい家しか無かったから。父は知らず、母はヤク中、幼い弟に冷食を食べさせるこれまた幼いマリウス。問題ありまくりの一家だけれどとても暖かいバーンハート家が好きになってしまうマリウスなんですよ。金のためなら躊躇なく人を切り捨ててきた詐欺師なのに。マリウスの過去話をしているときのジョヴァンニ・リビシさんの表情はずるい。涙目のあの顔はずるい。泣いちゃうよ···

シーズン1はカジノ経営者ヴィンスと弟エディの話が中心で、シーズン2はピートの母親マギーの話。シーズンごとにすっきり終わるのでとても見やすいと思います。シーズン3で残念なことに打ち切りなんだけど、名脇役としてよく出るジョヴァンニ・リビシを堪能できるのでおすすめです。彼の演技、好きだな···詐欺師の役なのでカード裁きも見られるし、ビリヤードをする姿も見られるし、詐欺の手段として色んな役を瞬時にこなすので見ていて飽きないしリビシさんのスーパーウルトラ繊細な表情の変化も楽しいです。個人的にリビシさんの細い指がたくさん動くので最高。小柄な所もかわいいしなぜか髪の一部がピョンピョンしててかわいい。ドラマのストーリーは5秒に1回ぐらいトラブル発生してテンポもいいし、パワフルなじーさん、ばーさんも居る。マリウスの詐欺仲間もたくさん居てオーシャンズ11みたいな雰囲気もある。派手さはないですけど、巧みなトリックが見所です。あなたは騙される!!Amazonプライム会員ならすぐ見られます!

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