見出し画像

任天堂の「ナポレオン」アブストラクトゲーム(1)

任天堂って、昔はトランプと花札(特定地域限定で「株札」も売ってた)くらいしか商品がなかったです。まあ、ズバリ言っちゃうと、昔はあんまりパッとしないおもちゃ商でした。
しかし「ファミリーコンピューター」を境目として、超ビッグ企業になったのはご存じの通りです。

注:
「株札」って、起源は何なのでしょう?何処から来たものなのでしょうか?
どうして、トランプのカードをそのまま日本向けに翻案したみたいな「数量」をイメージさせるカードデザインになってるのでしょう?花札とは全然見た目が違いますよね?
その点だけは気になるので、後日調べてみたいです。もしかして、トランプ→株札→花札って順序で分岐進化したものなのかなぁ。気になります。

その任天堂が、1980年頃に発明したのが「ナポレオン」です。
*ファミコンやゲームボーイ向けの「シミュレーションウォーゲーム」じゃない、やつです。

当時の任天堂の事情を全く知らない私、ラジくまるが、これから全く身勝手に自分の意見&感想を述べます。
*個人が感じた感想&妄想です!任天堂を誹謗するような意図は全くありませんので、そのあたりをお含み置きください。

・・・これより以後は、壮大なスケールで個人の妄想・感想が続きます・・・

ナポレオンは盤面の端から端をつなぐゲームです。
こうした「つなぐ系」ゲームは現在ならば時々見かけますが、1980年前後には、日本の市場にはほぼなかったです。
当時としては、かなりめずらしい勝利条件のゲームでした。

珍しい見た目なので、私はどんな感じのゲームなのか気になりました。そこで、20ターンくらいまで、この「ナポレオン」を何回か繰り返しテストプレイしてみました。
試しにゲーム盤面を13x13のように、もっと大きくしてみたりもやってみました。
盤面が13x13くらいに大きい場合、引き分けが多発し、収拾がつかなくなりそうな印象を感じました。
辛うじて勝負がついて、対戦ゲームらしい印象に仕上がったのが7x7盤面だったのかな?と思っています。
このくらいの大きさの盤面が、たぶんちょうど良いのかもしれません。

チェスや将棋のように対戦相手のコマを取るゲーム、あるいはチェッカーのようにジャンプして相手のコマを取る/ないしゴールをめざす競争ゲーム。
1980年前後の日本国内で流通してるアブストラクト系のボードゲームは、どれもこれも、そんなんばっかりでした。
日本のボードゲーム市場は、この当時は飽和現象を起こしていました。
*すごろくゲームを除く!あくまでもアブストラクトゲーム分野にて。

そんな社会情勢の中、なんとかせんといかんとの思いをこめて、任天堂は「ナポレオン」にチャレンジしてみたんかな?と想像しています。
しかし残念ながら、売れたらしいことを示す記事を見たことがないんで、ゲーム売上としては失敗作だったかな?とも思うのです。

さて、本日この記事を書くにあたり、あらためて1980年前後の社会情勢を調べ直したのですが、その時点ですでに「端と端とをつなぐゲーム」の代表格として「Hex」が世界的に広く知られていたのです。
しかも、Hexを紹介する日本語版出版物さえ当時は存在していました。当時の時点で出版されていた数学関連本や百科事典の中に、Hexの記述を見つけることができます。

2024年に改めて振り返ると、なんでこの時(1980年ごろ)任天堂は、ナポレオンを発明するなどという、ゲーム開発の手間暇をかけたんだ?どうして、試しにHexでも売り出してみようか、という発想がなかったのか?気になります。

そもそも、任天堂に限らず当時のボードゲームパブリッシャー、ハナヤマ、トミー(現タカラトミー)、エポック、バンダイ(現バンダイナムコ)、ツクダオリジナル(のちに倒産:同社の版権はメガハウスへ)、ブルマアク(のちに倒産:怪獣人形玩具の経営失敗)、タカトク(のちに倒産:ゲームロボット9の版権はハナヤマへ)、アノア(のちに倒産:ファミリーポンジャンの版権はタカラトミーへ)とか、当時の有名どころの法人は、誰一人としてHexの市販化を試みなかったのは何故だろう?
そんな疑問が浮かびます。

まだ明日に続きます。

追記:
エポック社のブックゲームシリーズにおいて「Hex」が日本初としておもちゃ市場に紹介されたのは、約1982年です(正確な年数は不明)。
任天堂の「ナポレオン」がこれに先行していたことだけは確実です。

さらに全くの蛇足情報となりますが、タカトクは1977年に「ビデオカセッティロック」という名称の「プレ・ファミコン」を発売しています。
PCとしての、内部設計思想をしっかりと作り込んで置かなかったことが原因で、1983年に発売された任天堂のファミコンにメッタメタのギッタンギッタンに完敗しました。
この事件を機に、ビデオゲーム市場におけるタカトクの地位は完全に失われました。そして倒産へとつながっていきます。


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。