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最近のキチガイと護身術

護身術は何もヤカラに対して必要なだけではない。

実は「キチガイ」に対して必要なのです。

そして善良な我々は常に過剰防衛という名の傷害罪の危機に面している。
どうしたら過剰防衛にならないですむか考察してみた。

【きっかけ】

 この間、帰宅途中「キチガイ」に絡まれた。
彼女は枯れ枝のような人で、目だけがランラン燃え、怒りに満ちていた。
携帯を片手になにか怒鳴りつけながらウロウロしていた。
最初は電話でもしているのかと思い素通りしようと思ったが
近づいて気がついた。実は電話はしていない。
彼女は片手をポケットに入れていた。
「韓国人が−」「日本人が−」「ころすぞ」
など支離滅裂なことを叫んでいる。
一応ここは港区・・・・。

 距離をおいて通り過ぎても、ずっと後を付いてくる。
早足にしても追いついてくる。
一度歩みを遅くしてやり過ごそうとしても
3歩ほど先に停止し、こちらに目を合わすようにしてくる。
目をそらしながら道の反対側に渡り歩んだがやはり後を付いてくる。
しまいにはマンションの前までついて来た。
マンションの中に入って振り返ると外にいる。
部屋番号を確認するように、エレベーターの動向を見ている。
さらには上層階の扉の開き具合が見えるように
少し離れたビルの少し高いエントランス玄関に登り目を光らせていた。

【恐怖の点】

・話し合いが通じない。明らかにおかしい。
・ポケットから、いつナイフや危険物が出てくるかわからない
・防衛したら「過剰防衛」になる可能性が高い(ガリガリなため)
・警察に連絡しようにも「キチガイ」であるがゆえに放免される可能性が高いし日頃の通り道なので逆恨みが怖い。
・家族と一緒だったので家族を守りながら戦う必要性が在る。
・複数の武器を保持している場合がある 硫酸・スプレー&ナイフなど


過剰防衛とは

https://okayama.vbest.jp/columns/criminal/g_violence/5800/#:~:text=%E9%81%8E%E5%89%B0%E9%98%B2%E8%A1%9B%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%80%A5%E8%BF%AB,%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%AB%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

上記はベリーベスト法律事務所様のサイトです。たまたまググったらこのページに出会いましたが、わかりやすかったので気になる方は読んでみてください。特に気になるところは以下

 過剰防衛とは、急迫不正の侵害に対して、防衛の意思で反撃行為をしたものの、その反撃行為が防衛の程度を超えた場合をいいます(刑法36条2項)。正当防衛は、違法性が阻却される結果、犯罪自体の成立が否定されますが、過剰防衛の場合には、犯罪自体は成立し、情状によってその刑が減軽されまたは免除されるに過ぎません。
正当防衛と過剰防衛の区別は、「やむを得ずにした行為」といえるかどうか、すなわち、防衛行為が必要最小限度であったかどうかによって区別します。
① 質的過剰
両者の年齢、体格、武器の有無・種類などの具体的な事情を考慮して判断することになります。

② 量的過剰
量的過剰とは、急迫不正の侵害が終了したにもかかわらず、そのまま防衛行為を継続した場合をいいます。

ベリーベスト法律事務所様HPより

【護身時の心得】

 まず逃げるが最優先です。これは鉄則にしてください。
武術等やっててガタイがいい場合よほどの場合でないと過剰防衛になりうる。でも本当に使える心得がなければ超不利です。
今回はこの不利をなんとかしようという無茶な記事です。

<刃物に関して>

 実は刃物は非常に手に入れやすい凶器です。
現場において、刃物で危害を加えられた場合、
刺される以外にも刃物を投げられる恐れがあることを覚えておいてください。刃物は思ったより飛ぶし、かすっても当たりどころが悪ければ大怪我や死ぬ恐れがあります。
また、暴漢には【理屈はない】です。
危害を加えたいだけなので、予想外のことをしてきます。
このことを覚えておく必要があります。

  ちなみに

世界的に見て暴漢に使われる武器のナイフ部門ベスト3は
ステーキナイフ、シェフナイフ、マチェット
だそうです。

 ステーキナイフは日本人的に「?」でしょうが、海外で買うと「めちゃくちゃ」よく切れますし刺さります。
取り回しが楽だし数持ち歩けるので使い勝手がいいのでしょう。

 シェフナイフ=いわゆる包丁ですが
これはやばいです。
そもそも動植物切るようですからよく切れます。

 昔、中学生時代の喧嘩(恥ずかしながらそんなことをしていた時期もあります)で、相手(A君(仮称))が10本ほど包丁持ってきて、投げられたことがあります。
この経験でわかったことは
1・結構真っ直ぐ飛ぶ、しかも早い。
2・持ち手がに重心があるため、刃の先端を先頭にして刺さるようにまっすぐ飛んでくる。家の壁などには、簡単に根本まで刺さる。
3・回転した場合、どこに飛ぶか予想しにくい
4・壁や床で思ったより跳ねる。反射後は不規則なのでかなり避けにくい(ラグビーボールのイメージ)。

 A君はまともじゃないと思いましたWWW
そして最初に距離を保てば直線なので意外に当たらないものです。
凶器といえど「当たらなければどうということはない」のです。
もちろん当たれば大怪我です。

 このときに一番焦ったのは、A君が包丁が投げきったので間合いを詰めたときです。間合いがいい感じの距離になった時、A君が足元に落ちてた包丁拾ったんです。
このときは本当に危ないと思いました。
それまでは頭が冷えて冷静だったのに、このときは一瞬パニックになりそうでした。
その後は色々あってなんとか無事でしたが
しばらくA君が出没しそうなところは行かないようにしていました。

 暴漢になるような人はA君のような「こういう思考回路」です。
相手が大怪我しようと知ったことではないのです。
なので暴漢はこういう思考回路の人だと思って接したほうがいいです。

 最後のマチェット、山刀ですが、個人的には脇差と似ていて馴染みのある長さなので、むしろ怖くないのが正直な感想です。マチェットの怖いところは、刃のバランスが叩き切ることに向いているので、手首のスナップでかなり切れることにあると思います。しかし日本ではまだまだマイナーなのであまり使われることはないように思います。

 刃物、特にナイフは近距離での投擲とザクザク連続で刺されるのが一番怖いです。こちらが武器なしなら、これはどこの特殊部隊も同感でしょう。

 話をもとに戻します。暴漢に正当な理屈も理論もありません。
だからこそ

まず逃げる

が基本です。

 暴漢に理屈はないので常識的な防御が通じません。
話してわかるなら暴漢になどならないのです。
知っておいてほしいことですが、このような暴漢の脳は興奮状態=アドレナリン過剰の状態にあります。
アドレナリンが出ていると軽い骨折程度では人は止まらないという事実です。空手の大会等でも拳の骨が見えても決勝まで戦い抜く人とか、腕骨折してても足技だけで優勝するまで戦う人がいたことは有名な話です。
アドレナリンはそのくらい痛み抑制に強い効果があります。
ですから、時間を稼ぐにはもっと強烈な技が必要になります。
もしくは意識を刈り取るような技が必要になります。
しかし、
アドレナリンが出ていても通用するような技は
過剰防衛による過失致死などリスクが高い。
というジレンマにおちいります。
今回はこの板挟みの隙間を紹介します。

<暴漢の弱体化にはかなりの技術がいる>

 たとえば、
体当たりは一見すると有効です。
吹き飛ばせますし、破壊力が大きいです。

しかし、相手が刃物などを持っている場合とても危険です。
絶対に避けるか逃げるべきです。

 こちらから「体当り」する場合でも
刃物に自ら深く刺さってしまうことがあるので
危険なのでよくよく考える必要があります。
おすすめしません。

 事例を紹介します。

浅沼稲次郎暗殺事件(あさぬまいねじろうあんさつじけん)は、1960年(昭和35年)10月12日(水曜日)に東京都千代田区の日比谷公会堂で開催された自民党・社会党・民社党3党首立会での演説中の浅沼稲次郎日本社会党中央執行委員会委員長(日本社会党党首)が17歳の右翼少年・山口二矢に刺殺された事件である。

Wikipedia

  浅沼稲次郎氏は大学相撲をしていた巨漢です。
お腹が大きかったので山口少年が低く腰だめに構えた脇差が見えなかったのでしょう。山口少年が持っていたのは刃渡り約33センチメートルの脇差(小型の日本刀)でした。この長さでも見えなかったのです。
少年が突っ込んでくるだけだと浅沼氏は思ったのでしょう。ただの体当たりだと思ってドンと受け止めてしまいました。
その結果、刃物が深く刺さり致命傷になりました。
凶器が日本刀だったため、まるできゅうりを切る時に包丁にきゅうりが吸い付くように、何の抵抗もなく凶器は内蔵まで達しました。さらに抜けた後も傷口がきれいに密着しました。もちろん浅沼氏が巨漢だったため脂肪が傷口をふさいだということもあるでしょう。どちらにせよ結果として外出血はほとんどなかったそうです。このせいで傷が深くないと勝手に回りが考え対処が遅くなったということです。

 このように体当たりは危険です。暴漢が小柄な少年だったとしても、十分に警戒すべきでしょう。

 そもそも腹に何かを構えたりとか、突進してくる場合、
「明確な殺傷の意志」が暴漢にはあります。
いわゆるヤクザとかの鉄砲玉スタイルです。
ですからまず
「初撃」を外すことに全力を尽くしましょう。とにかく避けましょう。捌く技術があればなおよしです。

 また、逆に相手に体当たりが決まった場合はどうでしょう?
相手が仰向けに倒れることは多くあります。
するとどうなるでしょう?
相手は後頭部を打ちます。打ち所が悪ければ死んでしまいます。

 中国拳法でも、古流でも体当たりを必殺技に使う流派が多いのはこういう理由です。

相手を無効化する技術はかなり難しいのです。

過剰防衛が怖い理由をまとめます。

1法的に身を守ってもこちらが社会的に終わる可能性がある。
2社会的に「殺した」「大怪我追わせた」となると詰む。
3万が一殺してしまった場合、仏教的にも神道的にも「業」がのる。


<守る人がいる場合>

武術には殿や身内を守る技も在りますが
誰かを守りながら戦う場合
「手加減は非常に難しい」
ので
過剰防衛になる場合が多いです。
正直、その覚悟は必要だと思います。

そもそも急場で当事者であれば「証拠の動画が取れない」ので
過剰防衛ではないことの証明が実質不可能というのも大きいです。
連れにはまず警察に電話しながら逃げてもらいましょう。
そのための時間を稼ぐのが大事です。

では
どうしたらいいのか考察してみました。


<よくあるだめな護身6点>

 基本的に護身グッズは使えないモノが多いです。

1・護身用のブザー→都会では全く無意味。我関せすが基本

2・護身用スプレー 
 おすすめしません。風向き間違えると自分がひどい目に合う。
また、突進してくることが多いので、スプレーでは速攻で無効化できない。
いざというときに「風向き」という確認しにくく
コントロール不可能な要素が大きい段階で論外と思うべきでしょう。

 さらに、アクション数が多いので実行がかなり難しいという点が挙げられます。必要なアクションを数えてみましょう。

  取り出す→ストッパー外す→スプレーする
  3つ必要です。これは、現場でテンパっているときはかなり技術がいります。なにせ慌てますから・・・。

3・デーザー銃 
 違法です。
さらに、ここ大事なんですが!
ガタイがいい相手だと一発では効かない事例が多い
Youtubeで調べてみてください。

4・スタンガン
 当てる技術が必要。さらに相手の攻撃を避ける技術もいる。
つまり非常に難しい。
軽犯罪法によると「正当な理由のない所持は認めない」となっています。
ですから法に触れる可能性も大きいです。

5・頑丈な懐中電灯や鉄扇
 ギリギリ合法。
 非常に良い!
 しかし使いこなすのには技術がいります。
 使えれば強い。学びたい方は、ぜひ当道場へ!

6・鎖や分銅
 軽犯罪法に引っかかるし、使いこなすのには技術がいる。
おすすめしません。ただし使えれば「非常に」強い!
ポイントは失敗した時に自爆がひどいことです。
きちんと練習しましょう。
 私の武術の先生の一人も
「上海でやんちゃしてたときは九節鞭で身を守った。あれは大人数でもよく使える」
とおっしゃっていました。
ただし九節鞭を乱戦内で自在に使いこなすのはめちゃくちゃ難しいです。
自爆の一例を上げると、ある先輩は練習中に自分の足首に九節鞭をぶつけて骨が見えてました(痛)。

以上6点見てきましたがいかがでしたか?
個人的には

日頃備えるなら安全靴が最強だと思います。
次点で革靴ではないかと思います。

では実際に考察してみましょう


【実際の護身5つの基本】

1・拳で殴らない=掌打が基本。

 「やめてください」と大声を出し続けることが大事
これは意外にすごい大事。過剰防衛対策もあります。
やめてもらうように促し続けるので「身を守るため」という理屈が通りやすいからです。

2・ふっとばしたり、投げた場合、相手が受け身を取れなかったら
暴漢が大怪我をする可能性がある。つまり過剰防衛になりうるので要注意。
体当たりは悪手

3・最低限相手の動きを止める&レベルを下げる
 
10−20秒相手の動きを止めるか、遅らせられれば逃げられる可能性は大きく上がります。
また、この時何らか相手が追いかけにくくすることで更に有利になります。
例えば暴漢が走りにくくする、などです。
わかりにくいかもしれませんが、実際の動作を説明する時に理解が進むと思います。

4・動線を確保する
 
襲われたらどう逃げるか?逃げ込む場所はどこにするのか?そういうことを日頃から確認しておいてください。
逃げ込む場所の代表は派出所ですが、
やっとの思いで逃げ込んでも「無人」だったら助けを求められないので最悪です。逃げ込むならホテルは割と有効です。人が多くいる場合が多いですから。旅館は個人営業が多いのでほとんど意味がないです。
コンビニでもお店でも効果があるでしょう。
 万が一暴漢に襲われた時に、
どこから逃げるか?どう逃げるか?どこに逃げるか?
まずは動線を確保しておいてください。
これは天災が来たときにも役立ちます。



5逃げる
 護身ではとにかく逃げましょう!
戦ってもいいことはありません。
暴漢が一人の場合はいいですが、ごろつきの場合、揉めていると、ワラワラと増えます。ゴキブリ以上に増えて袋叩きにされます。
多人数と戦うのはよほどの玄人でないと絶対に無理です。
ここで言う玄人とは軍事練習受けていて躊躇なく殺傷できるレベルです。
ですから、まず逃げることを優先しましょう。

【護身に有効なもの5選】

<1>上着
<2>手ぬぐいや大きめのハンカチ

これは非常に有効です。
 包丁等でやってみればわかりますが布は厚さがあるとなかなか切れません。特に革のジャケットとかは非常に良い防具になります。
昔はレザーアーマー(革鎧)もあったわけで、効果的です。
 また手ぬぐいなどを使う場合もさあされたら弱いですが、刃物で撫でられる分にはかなり耐えてくれます。
もし、ペットボトルがあれば布はぜひ濡らしてください。
それだけでかなりの強度になります。
実際に私ができる技のなかでも、大東流などでは実際に濡らした手ぬぐいを使い攻撃したり、相手を投げ飛ばす技が伝わっています。

<実際の使い方>
腕に巻くとか相手にかぶせるなどして使います。

<3>かばん(リュックや女性用かばんはベスト)

 実は女性が持つようなショルダーバッグは
非常に良い防具&武器になります。

よく覚えておいてください

この記事でも後半で説明します。

<4>投げるものを探す

 超基本です。
いざとなったら看板でも自転車でも投げましょう。
もしあれば石でもいいです。

 石は戦国時代よく使われた武器でもあります。
西洋でも聖書に出てくるくらい由緒正しい武器です。
ただ「投擲」は技術がいりますし、ある程度技術や筋力もいります。
日頃の練習が必要です。

 自転車を投げるというのは若干コツがあります。
中国で武術を習った方とはなすと、当たり前に師匠から教わってたりします。私も北京で習いました。昔は中国では自転車が大量にありましたから。

<5>走れるなら走る
基本。
逃げてなんぼです。

 しつこく言います。護身術=逃げ方です。いかにいい形で離脱するかが重要な点です。このような逃げは日本ではあまり好まれていないのではないでしょうか? 
 たとえば、武術といえばとにかく戦う!逃げるは恥!みたいな印象がありますが、昔の武士は違います。
特に南朝の天皇陛下に使えていた系統の方々は今でも言い切ります。
「生きてこそ陛下にお仕えできる!」
本来日本人は死ぬことを良しとしませんでした。
そういうのは、江戸時代に創作された「葉隠」などで広まった独特の武士観ですし、昭和初期の国家主義の中で植え付けられた考えです。
そもそも、戦国以前の武士は無駄死にを良しとしません。
脳内の優先事項を切り替えてください。逃げていいんです。

【心構え】

 武術では
「情があるなら戦うな、戦うなら殺す覚悟で技を出せ」
という実戦用の口伝が在ります。
つまり
情を残せば戦闘力は半分以下になるのです。
とはいえ過剰防衛は怖いので

情を残してもなんとかなる技を紹介していきます。


【練習しておくべき5つの動き】


<1>護身で身につけるべきは6つ

護身は出会い頭の初動がすべて
初動で失敗すれば格闘技や武術へ変更することが必要。

1・構え
2・プッシング
3・蹴り
4・はたき落とし
5・左右の歩法
6・転身(体捌き)

くわしくは後ほど。

<2>制圧は必ずうつぶせに!!!

 とにかく倒したらうつ伏せを狙いましょう
まずはこれだけ覚えておいてください。
仰向けに倒れた相手は実は反撃の余力をいっぱい残しています。

 有効な動きは後ほどお教えします

<3>「前足重心&のつま先上げる」=逃げ腰きけん

 実はこのつま先を上げるというのは
日本の古流剣術や上海で無敗を誇った実戦中国拳法である心意六合拳の口伝です。これによって初動を消すことができます。
心も落ち着きやすくなります。
 一番危険なのは逃げ腰です。
逃げ腰が危険な理由は以下です。

  • そもそも避けたり逃げにくい。

  • 攻撃を避けにくい。

  • 反撃しにくい(威力が乗りにくい)。

  • ちょっと押されただけでも後ろに転倒しやすい。

 転倒は護身術の中で最もしてはいけないものです。
後頭部を打てば大怪我します。気絶するだけでなく死ぬこともあります。
首の骨折も考えられます。また、肘や手をついた時に脱臼や骨折の原因にもなるからです。
 こう話すと、「受け身」の話が出ますが、コンクリートの上で受け身を取るのは非常に難しいです。特に柔道のような「手や足で地面を叩く」受け身は「叩いた箇所の骨折」などの大怪我の原因になりえます。
 大怪我してから逃げるのはかなり悪手です。
走るだけでも響きます。痛みは恐怖を生みます。
恐怖は闘争心をなくします。

<4>八寸ずらす

 日本の古流武術の口伝です。
八寸とは24センチくらいです。
足一個分ずらすことで驚くほど有利に戦闘を進められます。
 ・真横
 ・前
 ・結果として斜め
の3つがあります。
これも後ほど説明します。
 武術としては八寸なんですが、護身術として考えると「一歩」ぐらいでいいと思います。一歩とはどのくらいかと言うと、だいたいあらなの膝からつま先までの長さぐらいだと思ってください。成人男性だと70cmくらいですかね?測ってみてください。
一般の方は歩幅が安定しません。歩幅を安定させて動く練習は世界中の武術で大事な基礎練習です。
ぜひ歩幅意識してみてください。


<5>蹴り3種類

・つま先での蹴り
・つま先踏み抜き
・すねげり

になります。
これも後ほど説明します。
 古流にも、私が教わった合気道にもあります。
とくに中国拳法は靴を履いて戦うのが普通ですので、様々なケリがあります。私が長く練習する八卦掌には64種類ほどです。


それでは具体的な動きに行きましょう。

【実際の動き紹介】

 順番に解説します。
武術を練習する上で最も大事なことは、以下の5つになります。

1・思った瞬間に思いっきり早く行う。
2・角度を意識する。
3・タイミングを大事にする。
4・距離を大事にする。
5・正しい姿勢で行う。

練習する上で大事にしてください。
この項目では以下の12種類を動画付きで説明します。

  1. 基本の体捌き1

  2. 基本の体捌き2

  3. 基本の体捌き3

  4. 打撃してくる場合・突き関係

  5. 打撃してくる場合・ケリ関係

  6. 武器で攻撃してくる・まっすぐ&切り下ろし

  7. 武器で攻撃してくる・斜め&横殴り

  8. 野太刀&日本の剣術で対応する場合

  9. 柔術的な対応の場合

  10. 八卦掌の場合

  11. 合気道の場合

  12. 倒したあとの処理

1.<基本の体捌き1>

これはプッシングとかストッピングとかとも言われます。
イスラエル発祥の軍隊格闘技クラブマガでも練習します。
古流においては「起こり」をおさえる。「枕を抑える」練習になります。
どこの道場でも練習すると思います。

<動画1>腕・ケリ 一人練習&対人

 人間は向き合って練習していると
なんとなく「何が来るかわかる」ようになります。
これは心眼の習得に繋がります。
こと武術においては、この心眼が習得できていないと、武術になりません。心眼を持つ者達が戦う手法を追求したのが武術です。
 しかし、心眼は逃げるだけならほぼ必要ありません。
ですから安心して最初は「まっすぐだけ」とか決めてやっていきましょう。
なんとなく感じられるようになるはずです。人間の反射神経とはそういうものです。鍛えれば向上します。

 ちなみに、心眼が身につくと、背後からの攻撃や視界外からの危険にも対処できるようになったりします。
もしご興味が在る方は当道場へおいでください。
真面目に一年通ってくれれば、限定条件では在るけれど、
背後からの攻撃を避けられるようになります。
心眼が身につきます。
心眼を使いこなすのはその先で専門技術です。

 さて、相手の攻撃を抑えるポイントについて解説します。
場所は肩か上腕肘あたりです。
だめなのは手首。手首では止められないことがあり怪我に繋がります。

 ケリを手で抑える練習もありますが、今回は教えません。
これは応用技というのもありますが、危険な「受け」でもあるからです。
私は修行時代に組手中に失敗して反撃され殴り倒されたことがります。
手は手で、足は足で受けましょう。

2.<基本の体捌き2>

 受けの練習を紹介した後に言うのもなんですが、
攻撃は避けてなんぼです。
優先順位は
避ける>捌く>受ける
です。
しかし避けても、「逃げられない」「攻撃もできない」ような状態では
ジリ貧です。
ですからきちんとした身体のさばきを身に着けましょう。
最初に身につけるべき体捌きは3つあります。
非常に実用的なので、よく練習してください。
1・ずらす
2・斜めに入る
3・背後に入る
これは古流の剣術や柔術にも、中国拳法にも多くあります。

<動画2>一人練習&対人

 一人げいこの場合、柱などを利用すると練習しやすいです。
移動する動線にカラーテープなどを引くのも良いでしょう。
角度は22.5〜30度が良いでしょう。
ポイントは後ろ足です。
動画でよく確認してください。

3.<基本の体捌き3>

 攻撃に対しての反射的防御を練習します。
武術ならではかもしれません。
「できるだけ攻撃の動線から身体を外す」
ことを主眼にします。
 なれてくれば歩法も使います。反撃もします。
ですのでムキにならないようにしましょう。
素手→武器→棒で練習すると良いです。
なぎなたを自在に避けれたら完璧です。

<動画3>一人練習&対人

4.<打撃してくる場合・突き関係>

 「はたきこむ」方法がおすすめです。
理由は体重を利用できるからです。

<動画4>一人練習&対人

よく質問されるのですが、

「真下・横どちらにはたきこむの?」

というものがあります。
答えはどっちでもいいけど、できるだけ下です。
真下が理想です。
しかし、ナイフなどを暴漢が持っている場合、下腹部や太もも内側に刺さる可能性があります。これは致命傷になります。

腹部は絶対に刺されたり切られたりしてはいけません。

また足の内側も死守です。

 というのも、腹部は内臓が溢れたら、まず助かりません。
戦後まもない頃、ヤクザ同士での喧嘩で内蔵が飛び出して土まみれになっても戻してそのまま生き延びた話を聞いたことがありますが、
医学的にはほぼ不可能です。よほどその後の処理が良かったのと運がいい。
 足は重力で血が下に落ちやすいので、出血が激しいのです。
人間は1/3の血を失うとショック死にます。
足の内側の動脈を切られた場合、約5分で致死量の出血が在るという話もありますから死守するか避けるか必ずしてください。

5.<打撃してくる場合・ケリ関係>

 歩法を主に使います。
もちろん防御できればそれに越したことはないですが、
体格差がある場合
防御はほぼ無理です。
ですからまずは歩法で避けることを考えましょう。

<動画5>一人練習&対人

 蹴りは腕の3倍以上の力があります。ですので避ける必要がありますが
動画で紹介したような動きができれば実は非常に強いです。

また、蹴りは金的を狙いやすいので狙っていきましょう。

 修行時代の恥を晒します。
他流試合の時に、得意のハイキックを出したところ、きれいに金的を蹴られまして、一瞬で負けたことがあります。
これは一見護身術としては最適に思えますが、実は悪手です。

金的蹴りはおすすめしません。
理由は

ものすごく
そりゃーもう
ものすごく
恨みに思うからです。
痛みと屈辱で
ほんとうに憎しみを抱きます。

10年は恨みましたWWW
流石に今は恨んでませんが、30年近くたった今でも
金的で悶絶させてくれた彼の「してやったり!」なドヤ顔は、ありありと思い出せます。

護身術ではできるだけ恨みは買わないほうがいいです。

6.<武器で攻撃してくる・まっすぐ&切り下ろし>

 これは突き対策にもなります。
痛くないように練習してください。

<動画6>一人練習&対人

当て身は注意しましょう。
もし効かなかったら捕まれます。
護身術的にはこの段階でアウトです。
できるだけ武器を使いましょう。
拳をハンマーのように使いましょう。
日頃から練習しておくことをおすすめします。

7.<武器で攻撃してくる・斜め&横殴り>

 突きだとフック系の対策になります。武器を持った素人さんが一番良くやる動きです。

<動画7>一人練習&対人

ついつい当身を考えてしまいますが、護身を考えると
プッシングやムチのように手を使うことは大事です。
これもやりすぎると危険ですが、
そうそうきれいに入ることはありませんし
護身術としてなら許される範囲ではないでしょうか?

8.<野太刀&日本のツルギ術で対応する場合>

・動きの基本
・傘を持っている場合
・無手の場合
・無刀取りへの応用

<動画8>一人練習&対人

 ピンポン玉を使った練習を日頃からしておきましょう。
とっさの時に出るのはこういう練習です。
一日5分で構いません。
丁寧に
真剣に練習してください。

 よくある質問で

警棒は効果的なの?

というものがあります。
素人は威嚇ぐらいにしか使えないと思ってください。
それに警棒は凶器扱いになるのでで持ち歩かないようにしてください。

あえて言うなら
鉄扇のほうが効果的です。
武器は武器術として練習しないと、危険が多くあるので
きちんと教わることをおすすめします。

9.<柔術的な対応の場合>

・はたき込みからのケリ
・背後で引き落とし

<動画9>一人練習&対人

 ハイヒールだと結構難しいです。気をつけましょう。
革靴であれば非常に効果的です。
背後に回る歩法はぜひ覚えてほしいです。
実際に行うとかなり有効です。
一人であれば、これだけでもすぐ逃げられます。
しかし、
これも実話ですが
ひらひらした服を着ていた場合、掴まれる可能性があり非常に危険です。
逃げられなくなるからです。ですから体捌きが大事になります。
日頃から服には気をつけましょう。
服まで含めて体捌きです。

10.<八卦掌の場合>

・避正斜撃 

・引を加える

<動画10>一人練習&対人

 動画を見ると「不可能じゃね?」と
思われるかもしれませんが、正しく練習すると
非常に使えます。
斜めに駆け抜けるので、1撃離脱タイプです。

実は最も使えると言っても過言ではありません。

タイミングが全てですのでよくよく練習してください。

 「引」は要注意!
理由は、強力すぎるからです。
中国の八卦掌の使い手の方は、これで多くの対戦相手をふっとばしました。
私ですらふっとばすことはできます。
特に背中に壁を背負っている時にものすごく効果があります。
しかし、後ろが車道だったらどうでしょう?
へたしたら交通事故起こします。
これは避けたいところです。
 他にも「引」を本当に使えるようになると、
暴漢の肩の脱臼を、一発で起こすことが用意に可能になります。
さらに、暴漢の首の骨をおることも可能になります。
ですから使い方要注意です。

 「避正斜撃」には様々な形があります。
打撃・投げ・関節・などにも使えます。
ぜひ八卦掌に興味を持っていただけたら幸いです。

11.<合気道の場合>

・転身
・踏む
・当身
・転身からの攻撃

<動画11>一人練習&対人

 動画で説明していますが、
ぶっちゃけこれだけを極めれば相当護身術は使えるようになります。
動画で説明した「某おじいちゃんの話」深くないですか?
正しい形で練習しないと膝を壊したり、実は使えない体捌きになったりするので気をつけてください。

 動画内でお話しましたが、私が習った合気道は創始者植芝翁直伝の先生から習いましたが、かなり攻撃的です。
合気道にはこういう側面もあることを知っていただけたら幸いです。
実は、これらの動きの中に、古流や中国拳法の粋が詰まっているとも言えます。たとえば「浮身」とか「まろばし」とか「陰陽転換」とか「軽功」とか「沈墜勁」などのヒントが詰まっています。
非常に味わい深いのでぜひ極めてください。
転身という単純な体捌きにここまでいろいろな要素を詰め込んで一流派を作り出した植芝翁は天才だと思います。
 これは一人で一生練習できる技です。そして、絶対にアナタを裏切りません。私もまだまだ修行中です。みなさんもやってみてください。

12.<倒したあとの処理>

この項目では以下の順番ですすめます。
・仰向けでの危険性
A>暴れる
B>掴まれる
B>ケリが来る
・仰向けでの処理
A>えびぞり
B>腕がため
・うつ伏せへの移行
・うつ伏せでの処理

<動画12>一人練習&対人

 動画でわかるように様々な展開があります。
気をつけてほしいのは
倒した後には

【他に敵がいないか確認すること】

です。

 あと、倒れた後の話ですが、逆に倒された時の心得にもなるので、書き添えておきます。
初めて意識した時にカルチャーショックを受けました。
現場では、このようなカルチャーショックが生死を分けます。
自分の常識と相手の常識のズレがアナタを危険にします。

 あなたは、以下のような実際の会話をどう思いますか?

 中国人の先生に武術を習っていた時によく言われたことがあります。
なんで日本人は負けたら土下座するんだ?後頭部を踏み抜き放題じゃないか?

「そりゃ土下座したら頭踏み抜くでしょ!」と思う人は日本人では超少数派だと思います。。。。思いたいです。
でも、海外だとこの感覚はだいたいどこの国でも当たりまえです。
日本もだいぶ多国籍になってきましたから、護身の場でも世界基準を念頭に置くことが必要になりました。

 負けたとおもったら謝る。これは日本ではスタンダードな考え方ですが、
日本以外では、倒したら踏み抜くや馬乗りになるはスタンダードな考え方です。
 このあたりは日本でも地方色があります。

 一昔前は喧嘩や揉め事には地方性がありまして、関東では喧嘩で馬乗りになることはまずありませんでした。
なぜなら「限度がある」という考えがあったからであり、馬乗りは乗ってしまうと周囲に止められやすいからです。ほかにも馬乗りは組み敷くものの味方からすれば格好の的だからでもあります。
 戦国時代の戦場において、倒した相手の首を取ろう(切ろう)と馬乗りになっているものの首を後ろからとる(切る)みたいなことはよくありました。絵巻物にもあります。そういうのもあって武家的な考えがあったのかもしれません。
たった状態でお互い決着をつける!そんな美学がありました。
江戸っ子の気質とも言えるでしょう。
 しかし、大阪では馬乗りになって徹底的に殴ります。周囲はまず止めない。囃し立てるだけです。そういう意味では、踏み抜くまではしないのが関東。徹底的にやるのが関西。
このような、なんとなくのルールが有りました。
 しかし現代ではこのようなルールはもうありません。
格闘技で「マウント」が流行ったことから徹底的にやるのが一般的になったからだと思います。
実際に喧嘩動画が動画サイトに上がることがありますが、倒れた相手にサッカーボールを蹴るように蹴るのを多く見かけます。
下手すると死にます。
 以上より、踏み抜きや、馬乗りは容易に起こりうるので気をつけましょう。

【最後に】

 長くなりましたがいかがでしたでしょうか?
かなり状況を限定しても、これだけの内容があります。
一口に護身術と言っても色々と考える必要がありますし、
日頃から身体に染み込ませる必要があります。
「生兵法は怪我の元」です。
ぜひ
きちんとした先生に、
きちんとした練習で習うようにしてください。

 地味な練習は絶対にアナタを裏切りません。
むしろ地味な練習で反復した練習こそが、とっさの時にアナタを救います。
事例を申し上げます。

 太極拳の中で
「相手に膝を蹴られた時にそれを払って顔面を打つ」という技があります。
習った時は、「こんなのつかえんやん」と思いながら、型だから練習していました。ゆっくりと何回も練習しました。
この技を習って、頭の片隅にもない状態になった頃。
(もちろん型はできますが、まさか使えるとは思っていなかったので意識していなかったという意味です。)
たまたま海外で絡まれた時に、この技がすっと出ました。
本当に無念無想で出ました。
相手の膝を狙ったケリを払ってその顔面にもろに攻撃が吸い込まれたのです。まさに型のとおりでした。
決まった時に私は一瞬真っ白になりました。呆然としたのです。
だって使えると思ってなかった技でしたから。
しかし事実は使えました。私を守ってくれました。
師匠と太極拳に本当に感謝しました。
それ以来研究してこの技は今では普通に使う技のレパートリーに入っています。
地味で面白くなくても、効果的な型を、きちんと教わり、それを練習すればとっさの時にアナタの身を守ります。
こういうのが本来の護身術だと思います。

 護身術で書き始めましたが、本来、襲われないのが最善です。
そのための気配り、目配り、日常の送り方はとても大事です。心がけてください。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。
あなたの護身に役立てば光栄です。

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