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楽園マップ9 士林夜市(台北・台湾)


台北、つまり台湾、そしてアジアで最も大きい夜市。それが士林夜市

アジア最大、つまり世界最大の夜市はここだ!

アジアを旅していると、日本人として思うことがあります。「いやー、アジアっていいよね」と言う時に、「あれ? 日本もアジアなのでは?」とふと思います。そう、日本も地理的にアジアですが、なぜか私たち日本人は、アジアと呼ぶときに自分の国が入ってないような気がするのです。それがなぜなのか、私は考えたところ、ある一つの結論にたどり着きました。アジア各国には夜市(ナイトマーケット)があるけど、日本にはありません。つまり、アジアのアジア的なものとは、あの雑然とした露店であり、夜まで煌々と灯りが灯るナイトマーケットがあるからこそ、アジアなのだと言えるのではないかと。その点では、私の査定ではアジア的マーケットの広がる沖縄の那覇と、屋台が広がる福岡の博多だけははっきりとアジアであると言い切っていいかもしれません。東京は最近「◯◯横丁」なんて飲み屋が連なった横丁を作ることが多いですが(例:渋谷横丁)、アジア感を出す意味でいい線いってる気はしますが、まだおしゃれすぎるというか、作られた場所感があってちょっと違いますね。でもこれは、日本もアジアに戻りたいという先祖帰り現象かもしれません。いや、日本はアジアを脱退したような気がしてるのは日本人だけでしょうけど。

さて、そんなアジアでお馴染みナイトマーケットですが、アジア最大のナイトマーケットはどこかと考えたところ、やはり台北の士林(シーリン)夜市こそ最大と言えそうです。これと張る大きさのマーケットはバンコクのチャトゥチャック市場ですが、これは週末しか営業してませんし昼中心ですので、士林夜市に軍配をあげたいところ。

士林夜市は、台北の都心から川を越えた場所にあって、東京で言えば隅田川を渡った江東区といったところ。地下鉄の一駅の街一つが、丸々夜市になっているという巨大マーケットです。中心にあるのは、夜にだけ開くビル状の市場、士林市場。地下に潜ると八角とチャーシューが混ざったような独特の香りとともに、あなたの夜が幕を開けます。

士林夜市の地下。ここが夜市の中心部。ナイトマーケットの総本山。アジアの首都といっても過言ではない!

この大きなビルが士林夜市でありますが、このビルの外側にさらに巨大な商店街やら露店が所狭しと並んでいます。築地でいえば、場外市場ですね。この中心のビルと場外市場を合わせたものが士林夜市です。毎夜台北の若者が友達や恋人を連れて繰り出します。もちろん屋台ですから、お金がそんなになくても美味しいものがたくさん食べれますし、極端なことを言えば、何も買わず、何も食べなくても、十分に楽しむことができます。

士林の’場外’。アパレルなどのお店や、足ツボマッサージ屋なんかも多い。

気のおけない仲間と、夜に灯りのついている場所で、決して高くない何かを食べ、決して高くない何かを買い、高くないお酒やソフトドリンクを飲み、くだらない話をして夜をふかす。これ以上気楽で楽しいことが世界にあるでしょうか。

歩いてみるとわかると思いますが、めちゃくちゃ大きいです。規模で言うと高円寺や下北沢が丸々ナイトマーケットになったような雰囲気ですね。でも、台北の夜市はこの一か所だけではありません。

台北には他にも魅力的な夜市がたくさんありますので、駆け足で紹介しますね。

寧夏夜市

ここは台北の中心、中山から程近い場所にあって最もアクセスしやすい寧夏(ニンシャー)夜市。オフィス街からも近いのでどちらかと言えば大人もたくさん飲んでいるイメージです。ほとんど食べ物の露店のみで、さっと雰囲気を味わいたい人向けにちょうどいい場所です。

公館夜市

公館(ゴングァン)夜市は学生街なので、若い人が多く、売っている商品もタピオカとか、食べ歩きできる軽食なんかが多いです。台北といえばSunset Rollercoaster(落日飛車) 、IRUKA POLICE(海豚刑警)などアジア中にファンを獲得してる有名なバンドの本拠地ですが、この近辺はライブハウスが多く、ライブハウスでお目当てのバンドが登場するまでの間、サクッと軽食を食べる若者なんかも多いです。

饒河街観光夜市

最後は饒河街観光夜市です。地元の人には(ラオハージエイェーシー)と発音すれば多分伝わるでしょう。イェーシーは夜市という意味です。さて饒河街は、これまでの夜市より少し離れた、落ち着いた住宅街にありますので、ここまでの夜市よりも少しのんびりしているところが特徴です。人は多いですが、一列に露天が並んでいるので、歩いていれば順番に見れますし、食べ物も洋服なんかもバランスよく売っていて、喧騒が苦手という人にも楽しめる夜市かもしれません。

色々通うと、それぞれの個性が見えてきて面白いですよ。それでも時間がなくてどれか一つしか見れないということであれば、間違いなく士林夜市だけは見ましょう。あれこそが、アジアそのものの光景ですので。私は夜型で、夜が大好きです。夜に灯りが灯って、活気があってご飯が美味しい。夜市こそあまりありませんが、考えてみれば日本もそんな国ですよね。そんなアジアに生まれて私は幸福です。

士林夜市

寧夏夜市

公館夜市

饒河街観光夜市


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