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コピーライターになりたかったあの娘の話【高校〜美大進学】

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なんでコピーライターを目指し、今でもコピーライターを続けているのかを、細々と綴っています。
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記事一覧

14 答えは、腹の中にある。

ガチャリ。 玄関のほうから、父の帰ってきた音がしました。膝で寝ていた猫が自らリビングの…

13  180万円の決意表明。

「家から通える範囲」で「試験内容にデッサンがない」というだけで受験する学校を選び、あくま…

12 ようこそ、極彩色の世界へ。

試験の次の日も、またその次の日も、わたしはふいに叫び出しそうになるココロに蓋をして、何事…

11 忘れられない、あの秋の夜。

定刻になり、本日の主役である「何か」が、ひとりにひとつ目の前に配られました。 その年の「…

10  「得意」は最大の武器である。

無事に生きて、帰れるかしら。 美大というのは、たいがい辺鄙なところにあります。わたしが…

09  ひのきのぼうで、ボス戦に挑む。

迷わないでいいって、なんてラクなんだろう。 高校三年生になり、わたしは普通の受験生らし…

08 勝つ方法は、ひとつじゃない。

間違いなく、このままじゃどっちも落ちる。 危機感は、人を動かす最大の原動力です。わたしは根っからの左脳人間だったので、まずアトリエに置いてある分厚い美術系の大学案内を端から端まで貪り読み、全国の美大の名前や特色、それぞれの学科と倍率を事細かに調べました。 紙面だけでわからないことは、先生やまわりの手練れの生徒たちに突撃インタビュー。「あそこは受験生の半分が浪人生らしい」「ここは入試のデッサンが鬼」「そこ行くぐらいなら専門かな」など、次々に生の声が集まります。 余談で

07  レールを外れるということ。

「あと一年で、こんなの9割取れんのかな?」 うちの高校ではセンター試験が終わると、来年に…

06 ミステリアスに憧れて。

ミステリアスを絵に描いたような人だな。 これが初対面の印象でした。彼は、高校三年生。ア…

05 デッサンは、賽の河原。

わたし、なんでこんなもの描いてるんだろ。 朝から夕方まで、ひたすら黙々と手を動かす。何…

04 木炭、食パン、白い紙。

わたし、ここに通うから。 突然すぎる娘の告白。お堅い職業だった父は、お絵かき教室かなん…

03 プライドのへし折れる音。

17歳のわたしは親にも友達にも一切相談せず、自分で調べた美大受験の予備校の体験レッスンに申…

02 そして、扉はひらかれた。

広告批評のおまけのCD-ROMで、世界のクリエイターたちの渾身の作品に完全に魅せられたわたしは…

01 カタカナの肩書きに憧れて。

わたし、何になりたいのかな? アレは忘れもしない1999年、高校2年生の冬。数字がとにかくキライという理由だけでとりあえず文系を選択したものの、進路をどうやって決めていいのかわからず、毎日学校の帰り道にでっかい本屋さんをひたすら徘徊していました。普段は雑誌やマンガ、小説のコーナーくらいしか足を踏み入れなかったけれど、大きな本屋の筋という筋をつぶさに見てみると知らない言葉が無限に広がっていて、あまりの世界の大きさに気が遠くなったのを憶えています。 なんでもいい、人と