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11話 当たり前ではないささやかな日常。

最近の起床時間は午前4時が主流。

4年前に出会った猫コトブキ(オス)とつい1ヶ月前に現れた子猫よつば(メス)に起こされて始まる1日。

先住猫コトちゃんは夜明けのニャー(夜明けのMEW)的に夜明けのチュールを要求。

すでに置き餌でカリカリを済ませたコトちゃんは朝4時にはデザートのテンション。

コトちゃんがチュールを頂いている様子を見たよつばがバックミージックのように泣き始め、コトちゃんを押し出して自分にもやれと迫ってくる。

そして二人仲良く(と、思いたい)前のめりでペロペロ。

結婚して9年になる相棒の夫は模型が趣味で深夜(なんなら明け方)まで作業に没頭するため、私と猫さまたちはお先に就寝が日々のルーティン。

あと数年で50歳を迎える私も唸りながらなんとか4時には起きれる状況というワケです。

こんな毎日が穏やかで幸せで大切で愛おしくて大事な時間。

私と夫、それぞれがその昔に経験した深く辛かった悲しみ。

それが当たり前の日常を大切にしたいと強く思う気持ちに繋がっているように思います。

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1980年代、幼少期に生まれ育った静岡から天草へ移り住み、熊本市内の私立高校へ進学した私は学校に程近い、下宿先から通うことになり、初めてのひとり生活に心躍らせていました。

あんなに臆病だった私が一人で暮らすことになるなんて(あ、下宿ですけど)人って成長するんですね!ってこの時すでに実感してしまいました。

女性専用の下宿先には大学生のお姉さん方、同じ高校の上級生、私は一番下っ端で先輩方には可愛がっていただきました。

一番仲良くして頂いた先輩には音楽の楽しさも教わり、始めてロックというジャンルのライブにも連れて行ってもらいました。

肝心の学校はというと、もともと市内の子達はとても大人びていて同級生とは思えない垢抜けたタイプの子もチラホラ。

垢抜けない私は天草弁も相まって、クラス対抗田舎もん選手権にエントリーされてしまいそうなぼやっとした存在。

そんなコンプレックスと垢抜けた友人たちの影響で2年性になる頃にはウェイビーなパーマも経験したり、ピアスも友人に開けてもらったり、それなりの当時のおしゃれに一生懸命でした。(決してヤンキーではございませんのよ)

私が学校近くの下宿先ということもあって、さまざまな友人が遊びにも来ましたが、プチ家出として駆け込み寺化していた時期もあったり、家出してきた友人のお母さまと私がバトってしまうことも少なくありませんでした。

バトルといってもケンカではなくて、下宿先に友人の母上から電話がかかってくるので私が友人の代わりに色々と代弁するのですが、段々と大概、友人の母上の方がヒートアップしてしまう始末。

私も生意気に「追いかけ回すから逃げるんじゃないですか」「もうちょっと信用してほっておいたらどうですか」などと冷静に言ってしまい、友人の母上方をムカつかせてしまったようです。そうですよね、高校生の小娘に知ったようなこと言われて。

ただ私は「うちに来ていいよ」と言ったわけではなく、友人たちが勝手に来て私の部屋から学校に行ったり泊まったり、時には彼氏のとこに行ったりとある意味使い勝手良かったのですね。

思春期あるあるだとお思うのですが、彼女たちには親がうるさい時期だったんでしょう。私にとっては心配してくれて追いかけ回してくれてありがたいじゃない、と思っていましたが(笑)そんな状況は大変だけど両親と早くにお別れした私からは羨ましいものでした。

ほとぼりが覚めて彼女たちが家に戻ると、逆に母上方には感謝されることありました。一人の友人のママはとてもおしゃれで「理恵ちゃんにはお世話になったから」と私たち子供が選ばないような蝶々がモチーフの素敵なリングをプレゼントしてくれました。当時はオシャレすぎて身につけることができず、大事にしまっていましたが、20歳を過ぎてお化粧もするようになってからそのリングを誇らしくつけることができるようになりました。

その頃には姉が就職で熊本へ戻っていて、二人で暮らすようになり姉がお弁当を作ってくれたり私が晩御飯を作ったりと経済面ではまだまだ祖父に頼っていましたが生活自体は二人でやりくりして楽しんでいました。

天草で暮らす祖父は元気な70代後半、祖母は70代前半になり足腰が弱くもともと病気がちで少しボケ始めていました。

帰省すると姉か私かわからないこともあったり、日々使うスプーンやフォークをわからない場所に直し込んでしまったり。それも覚えていなくて後日、突然出てきたりとプチ事件は続きました。

私が高校3年生、姉が22歳の頃のことです。







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