5冊目 『会計と倫理』

同文館出版 渡邉泉著『会計と倫理』
会計とは本来、市場での信頼性の担保として発展してきたが、
産業革命を経て、投資家からお金を引き出す装置へと変化した。
その結果、利益第一主義が誕生し、有用性、目的適合性などに焦点が当てられるようになった。
そして、社会は分断化され、格差社会は深刻化し、どんな会計基準、罰則は意味を持てなくなってきた今こそ、会計基準や法令などの限界を認め、人の教育へと焦点を当てて「倫理観」に解決策を求めるべきである。企業とは本来、成果の公正な分配こそが存在価値であり、適正な分配に向けての会計学を志すべきなのである。

今回は要約チックにまとめてみましたが、会計学、ファイナンスを専攻していこうと言う私にとって、会計、簿記において、概念的、理論的なミクロ的な視点に対して、マクロの、俯瞰的な視点を持たせてくれた本です。一歩引いて、今は会計におけるどこを掘り下げているのかに焦点を当てることができるようになりながら、かつ根源的にはこうするべきだ、と言うビジョンを持たせてくれた本で、画期的な読書体験となりました。

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