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【読書記録♯4】 子どもと一緒に覚えたい 毒生物の名前


表紙の絵の描写が写実的で、興味を引かれました。子供と一緒に覚えたいというタイトルだけあって、フルカラーの挿絵に写真がとてもわかりやすい。

子供の頃はいろんなものを素手で触ろうとするものです、親として何が危険かを伝えるのことは結構難しいですよね。

ちょっとした痛い目で済めば良いですが、それで済まない生き物もやはり存在します。ニュースで色々な生物の危険性が報道されたりしていますが、それでも全てはありません。しかも子供向けに特集されているわけではないので、親である大人の口から難しい言葉を砕いで説明しないといけません。

特に子供の『なんで?』『どうして?』には、知らないとなかなか言及しにくいものです。確かにネットで調べればまとめサイトなど紹介はされていますが、子供にスマートフォンやネットはまだちょっと早いかな……と考えている方向けだと思いました。

子供一人で読むには少し難しい漢字も使用はされていますが、書かれている内容自体は単純で、わかりやすいです。(生息地や、生態など)

特にわかりやすいのは毒性の強さをデータから可視化しているところです。
これは大人が見てもなかなかに面白い観点でした。大人が読んでも飽きない内容なので、本を広げて子供と一緒に読むにはピッタリ。
その生物はどこにいて、どんな毒を持っていて、どのように危ないのか。ただ虫が苦手な人は、おぉふ……となるかもしれません、しかしその姿を知っておくことは無駄にはなりません。

キャンプや海水浴などのレジャーで自然に触れ合う環境の中で、やはり切り離せない生き物たち。もし刺されたら、もし噛まれたら、もし食べてしまったら……ないとは言い切れない機会が増えることも仕方がないことです。

知識は無駄にはなりません。有名な毒生物から、身近な毒生物(危険性が注意喚起されるほどではない毒を持つ生き物など)が紹介されています。


最後に、ちょっとした感想ですが。

毒生物は人間にとっては害であり、危険で恐ろしく思えます。

しかし視点を変えれば。毒を持つことで身を守り、毒を持つことで子孫を残してきた生き物たちということになります。何かを攻撃するためだけに備わっているというわけではなく、さまざまな役割として毒を使う。そんな一面もこの本を通して伝わります。

人間は自分の体で毒を生成することはできませんが……知識として毒を知ることはできます。

まだまだ夏は始まったばかり、どこか自然へ出かける前にぜひ読んでみてほしい一冊です。





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