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毎年、戦争の番組やる必要ある?と思っている人へ


結論から言うと、毎年ひとつは見て!って思う。


NHKでやっていた「戦争童画集〜75年目のショートストーリー〜」

録画していた番組を今になって見た。


毎年、夏になるとテレビで何かしら番組がやっている。

映画や、ドラマや、朗読や、ドキュメンタリー。

私も今さら見ているくらいなので、

戦争の番組を見ない人ってきっとたくさんいると思う。

毎年毎年なんでやるのかと思ったこともあるし、そう思っている人も多いだろう。


戦争関連の番組、こういう記事すらも

自ら触れなければ、触れることなく終わる。

何も考えずまた1年過ごすだけ。

だけど、ひとつでも見ると

「あぁ、これは、毎年見なければダメだ」と思う。


本当に現実に起きていたこととは思えない惨さ。

火傷で身体中の皮がなくなるだとか

内臓が外に飛び出ているとか

顎の下の肉がないとか、

虫がわいて腕が朽ちるとか、

聞いて想像できますか?

私は正直想像できない。

今の時代を生きている我々は見たことがない、想像すらできない描写がたくさん出てくる。

でもこれはフィクションではなく、現実に起きたことなんだと、

毎年思い出すことは、それだけでも意味のあることだと思う。


戦争の話は、

教科書に載っている数十万人が死んだという話ではなくて、

1人の人間の人生が、家族が、子供が、

あまりにも惨い最期を迎えたという話。

毎年2本、3本ずつ映画やドラマがあったとしても、

数十万、もっとたくさんの、ひとりひとりの話がある。

そのくらいたくさんの人が死んだということ。

そして全て語られるほど、そんなに時が経っていないということ。昔話ではなく、今も生きている人が若かったときに本当に起きていたことなんだって、

毎年ちゃんと思い出さないといけないなと思った。



戦争の話になると、

平和な時代に生きていることを幸せに思おう、

みたいなメッセージが付いてくるけれど

その言葉自体はあまり好きではない。

そうなんだけど、その通りなんだけど…、

そんな一言で片付けられることではなくてはない気がするから。

平和だから幸せなんだよ!という言葉通りの意味よりも、

この言葉から、もし今、私たちが生きている時に戦争が起きたらどうなる?

それを、考えられる人であれと思う。

とんでもない。恐ろしい。それは確かなことだ。


まず自分が生きのびたとしても、

家族や友達が全員生きていることはないだろう。

兄弟や子供は戦争に駆り出されるだろう。

食べるものだってなくなってしまう。

そんな毎日を送るのだ。


クーラーもスマホも使えないだろうし、

スーパーもコンビニも開いていない、

友達と飲みに行ったりごはんに行ったり、

おしゃれをしたり、YouTubeを見たりできない。

何かができなくなるだけではない。

男友達、職場の同僚、自分が男だったら兵士として戦争に行くことになる。

ゲームでやってきた銃撃戦をリアルでやることになる。ゲームじゃないから撃たれたら自分の手や足や頭から血が出るし、痛いし、死んでしまう。

女の人だって人手が足りなくなれば、やったこともない看護をやらされるかもしれない。腕や足や目がない人の看護。今の時代なら女性も兵士として戦争に行くことだって考えられる。

今の私たちには到底リアリティのない話。

あくまでも想像の話。

「嘘だ〜そんなのあり得ないよ!」って言えちゃう、「想像の話だけどね!」と言えることが、一番の幸せの証、平和な時代の証なのかもしれないなと思ったりした。


きっと現実は想像よりももっと惨い。


でも、紛れもなく75年前に起きていたこと。

今、我々が見ているかっこいい俳優やアイドルと同じくらいの年齢の若い男性はみんな、戦争に駆り出され死んでいった。

街で暮らしている罪のない人たちは、数えられないくらい死んだ。その死に方だって現代では想像の出来ない死に方だ。


平和であることを幸せと思う、というよりは、

戦争は絶対にしてはいけないことだ、

ということを忘れないように。


戦争の話、触れなければ何も考えず一年が終わる。

そうやって毎年過ごしたら、いずれ戦争のこと、その恐ろしさを忘れてしまうかもしれない。

そして、忘れてしまったとき、きっとまた同じことを繰り返す。


一年に一回や二回、

番組じゃなくてもいい、

戦争に関すること、何かに触れれば、

なにか考えるきっかけにはなるはず。

そうやって、毎年、毎年、自分の子供やその子供たちの代、その先もずっと、ずっと続いていくことで、忘れないように。

二度と戦争がないように。

たくさんの罪のない人が死なないように。


好きなことを好きなようにできる時代が

ずっと続くように。

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