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プロの持つべき倫理観【マネジメント】

先日まで
「企業は利益を目的としてはいけないこと」

企業の目的は
「顧客を創造すること」

だという話をしてきました。

そのうえで、今日は
倫理観の話をしていきます。

プロの持つべき倫理観とは
一言で言えば

知りながら害をなすな です。


マネジメントの立場にあるものはすべて、リーダー的地位にあるグループの一員としてプロフェッショナルの倫理を要求される。すなわち責任の倫理である。プロフェッショナルの責任は、すでに二五〇〇年前、ギリシャの名医ヒポクラテスの誓いのなかに、はっきり表現されている。「知りながら害をなすな」である。プロたるものは知りながら害をなすことはないと、顧客が信じられなければならない。これを信じられなければ、何も信じられない。

上田 惇生. NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント NHK「100分de名著」ブックス (p.53). NHK出版. Kindle 版.

プロたるものは
知りながら害をなすことはない

そういう風に
顧客に信じてもらわなければならない

というんですね。


もちろん、プロは
素人よりも遥かにその分野に詳しいです。

やろうと思えば「だます」こと
すなわち「害をなすこと」が
できてしまいます。

それで利益が得られるケースも
多々あるでしょう

ですが、それはやってはいけない、
ドラッカーは言うわけです。

不正が横行しだせば
ひたすら監視にコストを割く必要が
でてきてしまうでしょう。

それは、結局、コストの増大から
消費者自身の首を絞めることにも
なりかねません。

だからこそ、プロは
知りながら害をなしてはならないんです。


個人的には、この「知りながら」の部分が
大きなポイントだと思っています。

これは、裏返せば

「知らないうちに害をなしてしまう」ことはある
ということを認めているから
です。

もし、「一切害を与えてはならない」
だったら、新しいことはできなくなります。

それでは、企業の達成すべき目標の
一つであるイノベーションは達成できませんし

企業の唯一の目的である
顧客の創造もできません。

ですから、失敗して害をなしてしまうことが
ある…というのは、
ある程度許容される必要があるんです。


そういう意味でも

「知りながら害をなすな」

バランスの取れた言葉だなぁ…と
しみじみ感じます。

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