老子「奪いたいと思うなら、むしろ…」
こんにちは、らるです。
老子、何度も読み返しています。
読むたびに新たな発見があって
味わい深い本です。
今日は、
これが出来たら面白そうだなぁ
…という章を紹介します。
もしそれをおさえて縮小したいと思えば、
しばらく広げていっぱいまで大きくならせるにかぎる。
もしそれを弱くしたいと思えば、
しばらく強くならせて増長させるにかぎる。
もしそれをだめにしてすたれさせたいと思えば、
しばらく元気づけて繁栄させるにかぎる。
もしそれを奪い取ってわが物にしたいと思えば、
しばらくこちらから施して与えるにかぎる。
頂上まで登りつめたものは、
必ず下り坂を転び落ちることになるからだ。
P119
頂上まで登りつめたものは、
必ず下り坂を転び落ちることになる
これが老子の思想なわけです。
だから…
縮めたければ、
むしろめいっぱい広げてしまえ
弱くしたいなら
むしろめいっぱい強くしてしまえ
奪いたいのなら
むしろめいっぱいまで与えてしまえ
と言うわけなんです。
…
例を一つ考えてみるとすれば
ペットのような存在でしょうか。
住むところを与え
満足するまで食べ物を与え
楽しめる娯楽を与え…
与えて、与えて、与え切って
どっぷりと依存をさせて、
単独では生きられない存在にしてしまう。
これがきっと
「それを奪いたければ与えよ」の
境地かと思います。
…
これは、逆に与えられる側に
なったときにも気を付けなければ
ならないことなんでしょう。
たとえば、
あなたが何かで
華々しい成果を出したとしましょう。
きっと、周りの人は持ち上げて
くれるでしょう。
すごい!つよい!えらい!
…と散々持ち上げられます。
気分がいいものでしょう。
ですが、持ち上げに持ち上げられて
あなたの心に「増長」が生まれたら…
そこから先は、落ちるだけになるのです。
…
たとえ分かっていても、
奪いたい相手に
ひたすらに与え切るのは難しいですし
持ち上げられて、
増長せずにいるのも難しい
難しいからこそ、きっと老子は
敢えてこれを言葉にした
…ということなんでしょうね。
まとめ
奪いたければ、むしろ
与えて与えて与えまくれ
与え切ってしまったとき、それを奪える。
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