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ドラッカーの言う『顧客』の定義とは?【経営者に贈る5つの質問】

ドラッカーの
『経営者に贈る5つの質問』というのは

「5つの質問」とは、今行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールである。それは、「われわれのミッションは何か?」「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」「われわれにとっての成果は何か?」「われわれの計画は何か?」という五つの問いからなる経営ツールである。すべてが行動につながる。何ごとも行動が伴わなければ意味はない。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.177). ダイヤモンド社. Kindle 版.

「われわれのミッションは何か?」
「われわれの顧客は誰か?」
「顧客にとっての価値は何か?」
「われわれにとっての成果は何か?」
「われわれの計画は何か?」

これらに答えることで

・今行っていること
・行っている理由
・行うべきこと

といったことがわかる経営ツールです。

「経営者の~」と頭については
居ますが、自分自身の管理…
いわゆるセルフマネジメントにも使える
ものだろうと、私は感じています。


さて、ここで一つ疑問になってくるのは
「顧客」とは誰か?

ということです。

一般的に「顧客」というと
モノやサービスを買ってくれる相手という
イメージが強いでしょう。

ですが、そうなると
個人で特にモノを売っていなければ
顧客は居ない…ということになりますし

企業に属していても
直接モノを売らない間接部門に居たら
顧客が居ない…ということに
なってしまいます。

ですが、実は、ここでいう「顧客」は
もっと広い意味で使われています。

顧客とは満足させるべき相手である。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.190). ダイヤモンド社. Kindle 版.

非常に広い定義になったと思います。

この定義であれば

社内において関わる相手でも
自分が満足させるべき相手なら
顧客と言えますし

もし、自分自身の管理に関してなら
顧客は、自分自身ということになるでしょう
自分自身がどうしたら満足するかを
考えればいい、ということになりますね。


そして、この「顧客の満足」には
一つ落とし穴があります。

それは…

最大の危険は、実際に顧客を満足させるもののためではなく、顧客を満足させると思い込んだもののために働くことである。すなわち、間違った前提のもとに働くことである。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.194). ダイヤモンド社. Kindle 版.

「こうしたら顧客は満足するだろう」
…と、勝手に推測して動いてしまう

すなわち「間違った前提」で動いてしまう

これが、「最大の危機」だと
ドラッカーは言います。

では、どうしたらいいのかというと…

顧客にとっての価値を想像してはならない。必ず顧客本人に聞かなければならない。
「5つの質問」に答えるには、顧客との対話が不可欠である。あらゆる検討と決定において、顧客の見方を必ず織り込まなければならない。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.196). ダイヤモンド社. Kindle 版.

必ず、顧客本人に聞け
勝手に想像するな

あらゆる検討と決定に
顧客の見方を織り込め

というわけです。


私自身、採用担当をやっていて
施策を決めるときには

学生へのアンケートや
実際に採用した方たちが入っていく
部門の担当者にヒアリングをしています。

ですから一応「顧客に聞いて」いる形には
なっているでしょう。

しかし、本当に聞ききれているか
こちらの勝手な推測が入り込んでいないか
…という点には、疑問が残ります。

しっかりと顧客に話を聞いて
価値あるものは何なのか
満足するものは何なのか

そこに向き合って
やることを決めていきたいと思います。

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