『幕末明治大地図帳 輯製二十万分一図』レビュー
『幕末明治大地図帳 輯製二十万分一図』
平凡社地図出版(編集)/ 清水靖夫/今尾恵介(監修)
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今回はなんと地図、それも古地図の決定版のレビューです。
古地図、好きですか? 私は好きですw
これは、明治政府によってつくられた、歴史上初めて20万分の1で日本国全土を網羅した大地図のデジタルリマスター復刻版なのです。
「輯製」というのは、「編集によってつくられた」という意味だそう。
測量によってつくられた地図は、既に伊能忠敬の『大日本沿海興地全図』(1821)というものがあったけれど、それは伊能忠敬が歩いて(ってのもすごいけどね)測量した海岸線を中心とした地図になっていて、内陸部は手つかずでした。(地名数は約3万1千ほど)
日本の全体像はそれだけではわからないと、幕府によって『天保国絵図』(1838)がつくられます。さらに、それらに加えて各府県所蔵の地図資料などを元に、明治のころの陸軍参謀本部測量局が明治17年(1884)から26年(1893)にかけて、当時手に入るすべての情報を組み合わせて輯製したのが、『輯製二十万分一図』。初めて全国にわたって経緯度による図郭(地図の中の正方形で距離がわかる)を使用(当時やっと制定された最新のグリニッジ天文台基準)メルカトル図法を使った近代的なわが国初の地図です!(この時、単に地名だけでも約8万5千件にまで増えていました。)
で、今回紹介するこの巨大な地図帖は、その『輯製二十万分一図』をさらに現代のコンピュータとデータを使って彩色、微細化などのデジタルリマスターをしたもの、つまり、輯製版をさらに現代技術で輯製したものなのです。
とりあえずよく知っている東京付近の地図散策してみましたがこれがまた興味深過ぎてとてつもなく時間泥棒です。
日本全国津々浦々、昔の地図を今の地図帳風に調べられるので、歴史小説なんかを読みながらそのあたりを調べたりできます。
ちなみに、明治に作られたのに幕末とタイトルにありますが、まだこのころは明治の行政区画整理が整っておらず、幕末のころの地名がそのまま記載されている(ところも多い)ため、そのような名前にしたそうです。
幕末物の小説と一緒に紐解くと、めちゃくちゃもりあがりますw
そしてもちろん、自分で歴史小説を書くようなつわもの(いるのかな?)は必携の地図帳です。
すんごいお高いですけどねw
それだけの価値は絶対にあります。ただし、普通の本棚には入りませんのでご注意をw
追記:
↑のリンク先のお値段、ご覧になられました? 高いって書いてあるけどほんとお高い!><
こんなの見てみたいけど無理~>< って普通なりますよね~><
でもご安心。四つ折りでA4サイズのパンフレットがあります。
A4、四つ折り、ということは、一度開くとA3、そして、もう一度開くとA2判になり、裏に原寸大の地図が大迫力でプリントされているというわけ!
全国の有名書店にこのパンフあるようですし、お取り寄せもできるかも?
神田神保町の三省堂書店には
流石に買えないわーという方も、できればぜひ実物をご覧ください。この精細な大迫力でやっぱりほしくなっちゃいますよーw
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