おおきくなったらなんになろう
今日もきぷく(娘・1歳)が先に寝たので、まころ(息子・3歳)とお布団の中でぬくぬくゴロゴロ。
そのときに、まころが保育所で覚えてきた手遊び歌を披露してくれた。
♪ おおきくなったらなんになろう
おおきくなったらなんになろう (※)
いちといちでなんになろう
ちくっとちゅうしゃのおいしゃさん
にとにでなんになろう
かみのけきるよとこやさん
さんとさんでなんになろう
クリームまぜるよケーキやさん
よんとよんでなんになろう
みんなをまもるよけいさつかん
ごとごでなんになろう
ドスコイドスコイおすもうさん
(実際は数字と数字の間で※を挟む)
可愛い歌やなあと聴きつつも、もう将来の夢を考えたりするようになるんかと思って、鼻のあたりがスンとする。
実際まころに夢を訊いたらなんて答えるかな、と想いを馳せていたら、先日の水族館での出来事が浮かんできた。
ちょうどウミガメのモグモグごはんタイムがあったので、見に行ったときのこと。
「カメさんにごはんあげたいの」
と言うまころ。
残念ながら、その水族館ではお客さんがあげられるシステムではなかったので
「まころはあげらへんなあ、お姉さんの仕事やからな」
となだめた。
「おねえさんのしごと…まころがあげたかった…」
そう言って、なんだか神妙な顔つきをしていたので
「飼育員さんになったらあげられるで」
と伝えると、ちょっぴり顔が輝いた。
ああ、飼育員さんに興味を持ったんかな?と微笑ましい気持ちで、私はそれを眺めていたのだ。
歌が終わったところで、まころに訊ねてみる。
「まころは大きくなったら、何になりたいん?」
「えっとねえ…まころはねえ…」
「だいこんになりたいの!」(with満面の笑み)
だ、だ、だ、だ、大根!?
待って待って、大根って、あの白くて太くて長いやつ!?
シャキシャキサラダか、ほっこりおでんか、ピリッと辛味のおろしか、味しみぶり大根、、、の大根??
え…?
え………????!
「え、なんで大根になりたいん?」
「うーーーん」
「え、大根の仕事はなに?」
「だいこんをね、トントンってきるの」
ヤベえ、全然分からへん。
「そうかあ…大根になりたいかあ…」
「うん、だいこんになりたかったあ」
「なれる…かも…しれへんで…」
「まころ、だいこんになりたかったあ」
そうしてまころは「だいこんになりたかったあ」を繰り返しながら、おかあちゃんを置いてきぼりにして眠っていった。
はあ、もう、しかし。
面白いなあ、可愛いなあ。
今日もきぷくを押さえつけるのにイライラして、なかなか保育所に行く準備をせぇへんのにモヤモヤして、ギャーギャー大声で騒ぐからついこっちも怒鳴ってもて、ああもうなんだかでションボリしてグズグズに崩れかけた心やったのに、あっという間に立て直されるんやから。
手の上で転がされとる気分やなあ。たぶん一生、敵わへんのやろなあ。
とりあえずニヤニヤ笑っとらんと、その夢を応援しようと思う。
Road to 大根。
道なき道を往け。
大根になれた暁には、おかあちゃんがおいしく調理したるでな。
ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。