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NoteパルプマガジンMexico

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Noteで連載されているパルプ小説をピックアップする事を目的としたマガジンだ。 このマガジンをフォローすればNote上での豊かなパルプ生活が認可される。
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#逆噴射プラクティス

立つ鳥はあとを濁す 【前編】

<前編・中編・後編> 「これでもう……大丈夫だと思います」  三島が、伸縮包帯の残りを器…

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『赤ら顔のタフガイ』 #パルプアドベントカレンダー2020

「さあベッドに入って。……よし、今日はどの絵本にしようか」 「ねぇダディ、どうして、ペッ…

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大武法者事始

 慶長三年葉月、太閤豊臣秀吉没。  内大臣徳川家康の動きはあまりにも早かった。  秀吉生…

とう腐
3年前
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ラァス・オブ・ワースレイヤー【邦題:落命館の汚仕事(オシゴト)】

方法は何でもいい。まず手始めに一人殺す。すると、この山荘に集まった連中は必死に考えるはず…

グエン
3年前
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二千万の穢れ #逆噴射小説ワークショップ

「おい行くぞ!」  “黒人”がコンテナの壁を叩いた。運転席の真後ろだ。返事はなく、代わり…

ドント
3年前
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四国大戦~プロローグ1~

 ブッダがキレた。  今や平安京に昇る太陽は家々から立ち上る煙によって覆い隠され、月と星…

瀬場拓郎
3年前
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トランプvsバイデン

 今日で大統領執務室の椅子に座るのも最後だ。  歴代大統領のケツの汗を染み込ませたそれは、もたれかかると応えるようにキイと鳴いた。  不思議と、今日で大統領の座を辞することに、なんの感慨もわかなかった。それどころか、この4年間、アメリカで最も偉大な男であり続けた日々は、非常に空虚なものだった。  何故なのかはもうわかっている。  あの半年だ。あの半年が私を狂わせた。  あの男とのアメリカの頂点を決める戦いこそが黄金だった。80年間生きて、あれほど激しく身を焦がす戦いはなかった

悼む色は赤「怒り深き青 〜怪人シンクの解体工事〜」

 その家は最初、土地の売却を了承していたのだという。古い家と土地を売り、田舎のほうでのん…

悼む色は赤            「明くる朝には皆死体【前編】」

いわくつきの解体工事ならお任せあれ! 国定興業株式会社!  ふと、アクルは深夜に目を醒ま…

カササギは薄明に謡う 【1,2】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <2,800文字・読むのにかかる時間:6分> 【…

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南蛮由来重地獄音楽芝居 源兄弟遣魔合戦:大序-壱「炎焔越えの場」

「のちの世も またのちの世も めぐりあへ 染む紫の 雲の上まで」 その時義経は、自刃に追…

ばぷる
3年前
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ホコリの中のクソ野郎 リー(Mother fxxker in Dust, Lee)

※R-15程度の残虐な表現があります グシャ……グシャ……。 カラスも鳴かぬ丑三つ時、薄暗い…

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『平家シャーク2020』

承前 (本編約1万文字 ) <プロローグ>2020年7月。山口県下関市壇ノ浦。梅雨明け、快晴の海…

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悼む色は赤             「人を殺すより簡単【前編】」

 子供の頃から、誕生日が嫌いだった。誕生日になると陽のある内しか外へは出られない。陽がない時間に外へ出てはいけない。イノリはそれが嫌だったし、怖かった。日がぽっかりと暮れた誕生日。家の低い門扉の前に、女が立っているのだ。その女は街灯かと見紛う程に、異様に背が高い。顔の三分の二を占める大きな目も異様だった。女はイノリに向かって、間延びした声で言う。 「お母さんだよぉ お前は拾われた子だよぉ お母さんが迎えに来たよぉ」  それは絶対に自分の母親ではない、とイノリには分かってい