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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -52- #ppslgr

「くだらん!どれだけ有象無象の雑兵が増えた所で!」

いよいよ後がなくなってきた焼却者だが、未だ降参に至らぬまま四本の腕を高速回転させたかと思えばそれらは手品のイリュージョンめいて赤、青、黄、緑からなる四色の竜へと変わる!

「ドラゴンまで持ち出してくるか!」
「そうとも!貴様らに竜種を突破する力があるものか!」

赤黒く染まる幻惑空間の渦中にて、赤色の竜はその身に紅蓮をまとい咆哮、青色の竜は周囲をいてつかせて、黄色の竜は金色の鱗を発光させ稲光を一帯に放ち、緑色の竜は視覚に認識できるほどの嵐を巻き起こす!

「なら、ここは俺に任せて!」
「A・Z!」

間髪なく割って入った声に俺が反応するやいなや、コクピットブロックを強化外骨格と組み換え可能な四肢でくみ上げた強化外骨格式ソウルアバターが掌底よりワイヤーを放ち氷竜を捕縛!

ワイヤーを巻き上げると、氷竜はその冷気で牙を剥くより先に強化外骨格機の右腕にマウントされた巨大なパイルバンカーで竜の強固なる胸甲を撃ち貫く!未体験の致命傷に驚愕の声を上げればまるで細雪の様に四散していく!

「まずは一体!」
「なら紅い野郎は俺の獲物だな!」

なりふり構わず周囲を焼き払わんとブレスを放とうとした赤竜に、飛来したメタリックブルーの筋肉質な機動兵器のソバットがアギトを砕く!
ひび割れ砕けた衝撃で仰け反る赤竜に、乱入者の単眼頭部から放たれた烈光が直撃!負けと赤竜もブレスを吐き返すが乱入者のビームがブレスすら押し返してドラゴンを飲み込んでいく!

「これで二体!」
「ではあの厄介そうな嵐竜は私が」

遅れてやってきたのは、視界を埋めんばかりの城塞都市に上半身を委ねた武骨なる機械の守護神!緑竜がはなつ空間が歪んで見えるほどの嵐の中、城塞都市兵器は微塵も揺らぐことなく前進すれば、巨塔その物の腕でもって竜を捕縛!無力化!

「これで三体」
「カッカ!なら残りの一体はワシがいただくとするかの!」

雷光放つ黄竜に飛び掛かるは城塞都市兵器と打って変わって小柄な、黒衣をまとったかの様な装甲形状に身丈に合わぬ光り輝く両刃の戦斧を背負う!
だが、後続より追いついたドゥマが先んじて黄竜へと襲い掛かれば電撃が絡みつく事もいとわずに手にした戦斧を竜の首元へと撃ち込む!

「おっと先を越されたわい!同じ斧使いとして負けてられんなぁ!」

黒衣の斧使いもまた光り輝く戦斧を振りかぶって突貫すれば、迫る雷撃を斧を振りまわして打ち払い、吼え猛る竜の脳天へと刃を打ち下ろした!
深手を負わされた黄竜もまた霞がほどける様に消失していく!

「ハッハァ!やるなオヌシ!名は!?」
「ドゥマだ。貴殿は?」
「名乗るほどのモンじゃないが聞かれたからには答えんとな、J・Qよ!」
「J・Q、その名しかと我がメモリーに記憶しよう」

大小二機の戦斧使いが拳を打ち合わせて互いへのリスペクトを表現する。
取って置きの切り札であろう四竜さえも流れる様な連携で排除され、もはや焼却者を護る物はない!

【夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -52-:終わり:その-53-へ続く

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