パルプスリンガーズ

Happy!Book!Making! -2- #ppslgr

自費出版における印刷所の選定ポイントは俺の中では三つある。

一つは、印刷部数に対するコスト効率が良い事。つまり安い事。
もう一つは、実際に印刷された本の品質が良く、ばらけたりしない事。
最後は、本の印刷以外のサービス回りだ。

我ながら少々多くを求めすぎている気もするので全部を満たす印刷所の存在は期待していなかったのだが、意外にも上記の三つを満たす印刷所はあった。

「よし、俺はMoonBook

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大吉:ライトブリンガー
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Happy!Book!Making! -1- #ppslgr

「R・V!本を作ろう!」

時は既に月が傾く深夜、場所は都市型創作物売買施設「Note」の片隅にある西部劇風のバー「メキシコ」にて。
数日ほど行動を共にした異性に塩対応を続けた咎で、常連客の実に七割ほどを敵に回した俺は『次に彼女が現れた時には誠実に応対する』というゲッシュ(大雑把に言えば古代アイルランドにおける戦士の誓いの事、破ったら大体死ぬ)を立てる事で何とか再入店を許された訳だが。

「そりゃ

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大凶:大太刀「奈落」
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -55- #ppslgr

「し……しんど、まさか最終決戦よりその後のどんちゃん騒ぎの方がキツイとは……」

その場に居合わせたパルプスリンガーの、実に七割くらいが襲い掛かってきた命がけの鬼ごっこは、俺が貴重な切り札をきった事で終結した。
即ち、ちょっとやそっとじゃ侵入出来ない幽世に退避する事だ。

「たけぇんだけどな……ここ」

古式ゆかしい温泉宿の廊下を肩を落として歩く。
この施設は現実世界と冥府の狭間に存在する、マヨヒ

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大吉:ライトブリンガー
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -54- #ppslgr

「これでようやく帰れるな」

そこまで言った俺は、同時にスウェーで上体を後方に逸らす。眼前を銃弾が通過していった。今のは避けなかったらこめかみ直撃コースで、どう考えても突っ込みとしては過剰だが深く突っ込まないでおく。

既に事件は解決しており、俺とM・Kはシャンティカと最後の別れを済ませるために各自のソウルアバターから降機。朝日が差し込む森林の中では、俺達の他にちょっと離れた所からパルプスリンガー

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末吉:ダガー
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -53- #ppslgr

「くっふ、ははっ、ハハハハハハ!そうか!お前達は私もリスクを冒さなくては勝てない相手と言う訳だな!」
「この期に及んでまだ悪足搔きか?」
「足掻くとも!人間らしく、浅ましくな!」

タガの外れた狂笑と共に、焼却者は覚悟を決めた口調であざ笑うとその身を中心として世界その物を黒紫に侵食していく!各宙域で交戦していた無数の敵性体もまた黒紫の虚無へと飲み込まれていけば、今までとは異なるおぞましい何かが現れ

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大吉:ライトブリンガー
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -52- #ppslgr

「くだらん!どれだけ有象無象の雑兵が増えた所で!」

いよいよ後がなくなってきた焼却者だが、未だ降参に至らぬまま四本の腕を高速回転させたかと思えばそれらは手品のイリュージョンめいて赤、青、黄、緑からなる四色の竜へと変わる!

「ドラゴンまで持ち出してくるか!」
「そうとも!貴様らに竜種を突破する力があるものか!」

赤黒く染まる幻惑空間の渦中にて、赤色の竜はその身に紅蓮をまとい咆哮、青色の竜は周囲

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中吉:政宗
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -51- #ppslgr

巨砲を右腕に置き換えた機体による、烈光の帯がこの宙域に追加出現した宙間艦隊を先手を打って悉く薙ぎ払っていく。
銀河の果てまで届かんばかりに放たれた光の奔流は、怒涛その物のエネルギー量でもって後続の艦もまた焼き薙いでは熱量による爆発を引き起こした。

「多少の障害が増えた所で私の優位が揺らぐ訳ではない……!」

荒ぶる神の如く振舞う焼却者は、その二対の腕を駄々っ子の様に振るえばさらなる敵勢力を召喚す

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大凶:大太刀「奈落」
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -50- #ppslgr

視界を埋める異形の軍団が次々に炸裂弾による爆撃で吹き払われ、視界が開けていく。隙間が出来た包囲網の先にいるのはカエルを人型にした様なソウルアバター、ガン・フロッガーだ。

「ヘイヘイアンタ達!まさかこの程度で音を上げたわけじゃないだろうね!」

ガン・フロッガーは両肩に背負ったバズーカ砲を次々撃ち放てば異形体が攻撃に移る前にそれこそ暴風めいて敵対生物を駆除していく。

「闖入者だと……!?一体どう

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大吉:ライトブリンガー
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -49- #ppslgr

けん玉めいた焼却者、その中央の星を中心として、太陽系のごとく幾つもの惑星が周遊し始めれば周囲の光景も一転して夢幻の銀河に取って代わった。
その中には先ほど俺が斬り落とした星もまた含まれている。

「キリがないな全く……!」
「この空間は既に私の世界その物、世界自体を滅ぼせる人間など居るわけがない!」
「大きく出たじゃないか!なおの事、斬りがいがあるというものだ!」

だが、大剣を握りなおしたイクサ

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吉:カタナ
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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -48- #ppslgr

世界の在り様がまた変わる。
今度は焼却者を中心とした真球型の空間が展開されたかと思えば、その内部を取り囲む表面には種々様々な砲口と思しき筒が顔を覗かせた。

「掴まって!」

陸上走行では回避困難と見たソロモンは、咄嗟にシャンティカに対しアームを掴んでは宙へと飛翔する。本のタッチの差で表面砲台から次々と金属弾、レーザー、レールキャノン、ビーム砲と言った不統一な一撃が花火大会のそれにも似て撃ち出され

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大凶:大太刀「奈落」
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