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自然分娩で痛くないお産に挑んだ、私の出産体験記。

出産をはじめて経験した私が、次の自分に、そして周囲の友人のために残したいと思った大事な気づきや学びを残そうと思います。

結論から言うと、私は自然な流れでお産はできず、促進剤の点滴を投与してもらって赤ちゃんをお迎えしました。

娘に会えたときは、とても幸せでした。
しかし、同時に悔しかったです。

お産の最中は、楽しむ余裕もリラックスする余裕もなかったからです。

「出産が大変、余裕がないなんて普通のことでしょ?」

と思う方が多いと思います。

しかし、本来お産は痛くないし、母子ともにリラックスして迎えられるものなんです。
ただ、知識はあっても実践するとなるとその難しさを知りました。

そんな私の反省と展望について、以下に記します。

痛くない、頑張らないお産とは

自然分娩を選んだ理由

自然分娩とは、医療行為に頼らず自然な流れでお産をする分娩方法です。

自然分娩 = 頑張らないお産ではありません。

私が自然分娩を選んだのは、

  • 義母が自然分娩で出産したこと

  • 住まいの近くに地元で有名な自然分娩推奨の産婦人科があったこと

  • 医療行為や薬による出費や母体と赤ちゃんへの負担を減らしたい

といった理由がありました。

自然分娩に特別な思い入れがあるわけではないし、医療行為に今回の出産を後押ししてもらえた側面があるため、

出産の方法については、いざというとき複数の方法から選べる自由があることが大事だと思います。

自然分娩に向き・不向きはないです。

お産は頑張らなくていいもの。オキシトシンホルモンが鍵!

ママも赤ちゃんも頑張らずに痛くないお産をする鍵は、オキシトシンホルモンがスムーズに働くことです。

逆に、痛くて頑張るお産になるのは、アドレナリンというホルモンが原因です。

↑私の通っていた産院ではありませんが、オキシトシンとお産の関係についてまとめられています。

私の通っていた産院の先生によると、
オキシトシンは、ママがお家で横になってゴロゴロしてリラックスした状態 = 頑張っていないときに分泌されるそうです。

入浴中や睡眠中…リラックスできる環境が大切

ママがお産中にすることは、お家でリラックスしているときの状態をお産中に維持すること、それだけです。

ママが頑張ってしまうと、戦闘ホルモンのアドレナリンが分泌されます。
これが厄介で、呼吸も浅くなるし、子宮に送りたい酸素をママ側に送ってしまうし、良いことがないです。

オキシトシンとアドレナリンの共通点は、ひとりが出しているホルモンが周囲の人に伝染していくことです。

なので、ママが余裕がなければ家族、産院の方の心がけでもママをリラックスさせることができます。

逆に、家族や助産師さんからの「頑張れ!」や自分自身への鼓舞は禁句です。
とにかく頑張らないこと!

ママがどれだけリラックスしようと思っても周りの環境でお産の進み具合は簡単に変わってしまうので、この点はお産を迎える前に家族と産院側に伝えるべきです。

陣痛中〜出産までの話

私のお産のゴールは「オキシトシンホルモンの力で頑張らずに赤ちゃんを迎える」ことでした。

しかし、実際は頑張りまくってアドレナリンをドバドバ出して長期戦のお産になりました。
なぜそうなってしまったのか、その経緯を考察したいと思います。

“寒い夜に”、“ひとりだったから”、頑張ってしまったかもしれない

私の出産は前駆陣痛からはじまりました。

前駆陣痛とは、出産直前にやってくる陣痛とは違う、ウォーミングアップのような不規則な陣痛のことです。
陣痛と違って誰もが経験するものではありません。

①と②が連続したのが運がなかった…

本陣痛がはじまったときは、ベッドから抜け出してそれだけに備えなければならないほどの衝撃が続きました。

骨盤あたりが熱くなり、腰がぎゅっと痛みます。
産院に到着後の初診の時点で子宮口は5cm空いていたので、自宅で5cm開くまでの過程の陣痛に耐えていたのだと思います。

お産は頑張らなくていいもの。
しかし、当時の私は自宅のリビングでひとり、早朝3時頃から3〜4時間ほど陣痛に耐えていました。
夫には入院してから支えてもらうために体力を残しておいてもらわなければと思ったので、起こさずいたのです。この判断が間違っていました。

12月31日の早朝。自宅は暖房をつけていても厚着をしても寒かったです。
お風呂に入るなり、夫を起こして温かい飲み物を作ってもらうなりすればよかったと思います。

食事と水分摂取を怠ったから余裕がなくなったかもしれない

私の出産は、陣痛がかなり長引きました。

分娩室です。ここで約24時間近く粘りました

夫や夫の家族が食事や水分がとれるものを用意してくれたのですが、とる気になれず、1時間おきに100ミリリットルとウィダー1本程度しか口に入れませんでした。

陣痛が怖くてお手洗いもまともに行けず、便座に座ったものの何も出ず、尿道から管で尿を出してもらわなければいけないほど。

このとき、39度に近い熱がありました。

陣痛が長引いたのは、様々な要因で体力を消耗して陣痛が弱くなってしまったからでしょうね。

さらに、1月1日の早朝のことです。
産院側で、医療処置が可能な提携先の病院に転院することを勧められます。
破水して時間が経過したので、羊水が混濁してしまったのです。

早急に、陣痛促進を促して、赤ちゃんの命を守る必要に迫られました。
医療行為を避けてきた私でしたが、赤ちゃんのために私と夫は即決しました。

転院して陣痛促進を促してから5時間後、娘がようやく産まれました。

出産は自分事!私だけが赤ちゃんを外の世界に迎えてあげられる

転院先で陣痛に耐えること5時間、助産師さんが私におせちを用意してくれました。

いくら陣痛促進剤を使っても、体力がなければお産はできない。
赤ちゃんを産めるのはママだけ。

娘をとりあげてくれることになる助産師さんが、私にくれた言葉です。

そのとき、今更ながらようやく覚悟が決まった気がしました。
そして、夫や助産師さんに甘えていたことに気が付きました。
それまで他人が赤ちゃんを産ませてくれる、とまで思っていたかもしれません。

お産を振り返って思うことは、すごく頑張っていて余裕のない自分がいて、助けてほしいという気持ちでいっぱいでした。

こんなに痛いなんて聞いてない! 
もっと静かなお産のつもりだったのに!
ていうか赤ちゃんお腹の上のほうにいるんだけど!出てくるつもりある!?
みっともない姿を見せたくない…。

心の中がたいそう騒がしかったですが、全てを言葉に出す余裕もなく、口から出るのは弱音と、夫や助産師さんへの批難の言葉ばかりでした。

腰撫でてもらう力が弱い!
もっと強く押して!
なんでわかってくれないの!?
もう嫌だ〜!!

泣いたら自分が崩れて二度と立ち上がれない気がしたので、泣くことだけはしてはいけない、という危機感がありました。
逆にそれ以外の弱音は吐きまくりました。

お産の場には、自分以外に家族や助産師さんがいます。
そして、お産は頑張るものではなくリラックスしてゴロゴロできる状態で迎えられると知りました。

しかし、いちばん大事なことを失念していました。

赤ちゃんを産んであげられるのは自分だけ。
出産はママと赤ちゃんが主役です。

陣痛で苦しくて大変なのはママだけじゃなくて、赤ちゃんも一緒です。
ママが陣痛でリラックスしていれば、赤ちゃんもリラックスできたはずです。

今、娘はすくすく育ってくれていますが、後遺症もなく無事でいてくれて本当によかったです。

まとめ

お産の環境づくりに関して、私は娘が真っ暗な子宮から明るいところに出てきてびっくりさせないように、分娩室を真っ暗にしてもらっていました。

しかし、あの部屋で24時間過ごすと、朝なのか夜なのかわからないし、気が滅入ると「生まれるまでこの部屋から出られないんだ…」と思い始めていたので、いっそ明るい部屋にして好きな音楽でもかけておけばよかったと思います。

自分のリラックスできる環境を再現しようと思っても難しかったのですが、今リラックスできてないなと思ったらすぐに夫や助産師さんに伝えて環境を変えてもらえば気持ちも変わったかもしれません。

今回は出産までの出来事の反省を文章にしたためましたが、次回は入院中の出来事もまとめたいです。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

もしこれから出産をされる方が今この文章を読んでいたら、100点のお産なんてないので、あなたとお腹の赤ちゃんが無事に過ごせるように祈っています。

そして、頑張らなくていいお産があること、心の片隅にしまっておいていただけたら幸いです。

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