【即興実験小説】トイレット・パラレルワールド(15分・467字)
トイレのマークは赤がガールズ、黒がボーイズ。
でも「赤が女、黒が男という決めつけは変」という世の流れで、どちらも同じ色になる。さらに「スカートが赤、ズボンが男という決めつけは変」という世の流れで、どちらもズボンになる。男女の差は、肩幅と腰と足つきの差で表現される。女はY、男はXのような形になる。
これは、色や服以外の表現で精査を表現する点が新しく、二号サインと呼ばれた。
しかし世の流れは進み、「男女以外の性の人はどうすればいい」「そもそもなぜトイレが男女別に分かれてる? 個人店では、1,2個のトイレの個室を男女分かれず使うこともある」「トイレを男女で分けるのに必然性はない」という話になる。
かくして、男女のトイレの別自体がなくなる流れになる。しかしここで男性のいわゆる「朝顔」ヘビーユーザーが猛反発。性差なしのトイレが普及すれば、男性用トイレのみに存在する朝顔が当然消滅する流れだからだ。
かくしてギリギリの流れで性差なしトイレは没になる。そして例のトイレのサインは、男性器と女性器を模したものとなり、それはそれで文句が尽きなく……
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お題:黒いボーイズ 必須要素:二号機 制限時間:15分 文字数:467字
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