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その投資信託に熱狂的なファンは存在しますか?

こんにちは。プライベートバンカーT&Sです。

私の考える『面白い投資信託』とは、まるでスポーツのように、自分がサポーターとして応援したくなるような投資信託です。

そしてそれを見つけることが面白い。

↓前回は、そんなお話を致しました。

今回は既に熱狂的なファンを獲得しているであろう投資信託を実際に調査してみたいと思います。

そして、やはり国内株を投資対象としたアクティブ運用にフォーカスしていきます。

そうです。まるで大谷翔平選手や松山英樹選手のような、世界で活躍する国内企業へ投資しているファンドを探すのです!

とは言え私自身も、投資信託のファンクラブなど見たことがありません。

実際にファンドの名前がプリントされたTシャツを着たり、ロゴの入ったキャップを被った人を見たことがないのです・・・。

つまり、どのファンドに、どれだけのファンがいるのか、そもそも投資信託という金融商品にファンがいるのかどうかも正確にはわからないのです。

しかしスタートで挫折するわけにはいかないので、とりあえず純資産総額の多いファンドを調査していきたいと思います。

純資産総額が多いということは、それだけ多くの投資家の期待を背負っているということなので、中には熱狂的なファンも一定数存在すると考えるのが妥当ではないかと思った次第です。

そして今回は楽天証券ではなく、日経電子版にアクセスしてみます。

そこで純資産総額ランキング、QUICK投信分類で国内株式を選択すると、ずらりと1位から20位までが一つの画面で閲覧ができます。

堂々たる第1位(2021.5.25現在)は・・・
フィデリティ・日本成長株・ファンド

素晴らしい!おめでとうございます!
と言いたいところですが、物言いが・・・。

よく見てみると2位と8位に『ひ・ふ・み』の文字があります。

私の記憶が確かなら、『ひふみプラス』と『ひふみ投信』は同じマザーファンド。つまり取扱い窓口が異なるだけで、中身の運用は同じだったはずです。

そうなると合わせて6000億円を超える規模の『ひふみシリーズ』が国内トップと言えそうです。

そして『ひふみシリーズ』なら、マスコミなどへの露出も多いため、熱狂的なファンも多い気がします。今回の調査には良い題材かもしれません。

なんとなく、私が子供の頃の読売ジャイアンツのような、Jリーグ開幕当初の読売ヴェルディや日産マリノスのような、絶対王者感のあるファンドだと勝手に感じております。

さて、『ひふみシリーズ』を語る上で、まず無視できないのは最高投資責任者で『ひふみシリーズ』を手掛けるレオス・キャピタルワークスの代表取締役会長兼社長の藤野英人氏だと思います。

この方については皆様も良くご存知なのではないでしょうか?テレビや雑誌の特集などで頻繁に見かける方です。

とてもアクティブな方なのでYouTubeやFacebookなど各種コンテンツを積極的に利用されています。投資の話はもちろん、その時々のニュースや要人の発言、更にはご自身の飼っているペットの情報まで公開されています。

これは非常に面白いことだと思います。

なぜなら国内大手金融機関の系列投信会社で、藤野氏のように積極的に表舞台に出ているトップを私は知らないのです。

大切な資産を信じて託すのが投資信託であるならば、やはり運用会社のトップがどのような人間なのか、わかりたいと思うのは当然の感情だと思います。

よって企業のHPや会社案内、ファンドの中身であれば販売用資料や月次レポートなどは、単に商品の特徴や実績、スキームを載せるだけでなく、もっと投資家の心に響く情報やメッセージを掲載するべきだと思っております。

皆様が保有する投資信託は、いかがでしょうか?

トップ自らが、投資家目線で十分な情報開示をしている投信会社でしょうか?

そのような観点から見ても『ひふみシリーズ』は一定数の熱狂的ファンが存在する素晴らしいファンドであると考えます。

それでは実際に月次レポートを確認してみたいと思います。(今回は作成基準日:2021年4月30日の『ひふみプラス』の月次レポートを確認します)

まず最初のページで運用実績と純資産総額の推移が図解されています。設定来(約9年)で基準価額は5倍。その間のTOPIXも3倍程度にはなっているものの、インデックス運用をはるかに凌駕する実績です。(ちなみに同期間の米国株S&P500も3倍強の実績です)

組み入れ銘柄数は281銘柄で、個人的には少し多いかな?本当に投資したくなる企業がそんなに存在するの?と考えてしまいます。

しかし藤野氏は様々なメディアで『まだまだ投資したい企業はたくさんあります。』と発言されておりますので、優秀なファンドマネージャーなら当然なのかもしれません。

また6700億円規模のマザーファンドを動かすのですから、組み入れの10%程度が海外株式となったり、ある程度の銘柄数を組み入れとするのも当然のことなのかもしれません。

その組み入れ銘柄の紹介も充実しております。一般的には組入上位10銘柄程度の紹介が普通かと思いますが、『ひふみプラス』では30銘柄が紹介されております。また投資先の1社をピックアップして、1ページを使って詳しく銘柄紹介をしており、銘柄選定のこだわりを感じることができるレポートになっております。

そして最大の特徴は運用担当者からのコメント欄だと思います。藤野氏をはじめ、トレーディング部長の岡田氏、運用本部経済調査室長の三宅氏の3名がそれぞれの立場から、投資家向けのコメントを発しております。

しかも顔写真入りです。

運用担当者の顔がわかることで、ファンドに対して非常に親近感を持つことができます。投資家との距離が近い投信会社・・・まるで選手とサポーターの距離感にも感じることができました。

表面的な問題ばかりではありません。コメント量についても一般的なファンドの10倍はあるかと思われます。

とても丁寧で分かり易いコメントです。

更に『今月のトピック』として14名の運用メンバーが、その月のお題に対する回答を顔写真入りでコメントしているのです。

それは、まるでファンサービスのような仕上がりなのです。

ここまでお話して、皆様はいかがお考えでしょうか?

私はやはり、恐るべし絶対王者・・・という印象を受けました。正直、これほど充実した月次レポートは、なかなか見ることができないのではないでしょうか・・・。

『ひふみシリーズ』は、間違いなく熱狂的なファンを獲得するファンドだと思います。

そして最後に質問を1つ。

皆様は野球でどの球団のファンですか?

このような質問を投げかけた時に、私にはアンチ巨人と答える友人がおります。

きっと巨人以外ならどの11球団でも良いということでしょう。でも、それぞれの球団を細かく調べたら、きっと魅力的なチームが見つかるはずです。なんか勿体ない気がします。

絶対王者に立ち向かう挑戦者。

このようなストーリーも面白いかもしれません。こっちの方が私には合っている気も致します。まだまだ探してみたいと思います。





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