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&bottle(アンドボトル)初の、販売展覧会スタートです!

 Re:S(りす)が、タイガー魔法瓶さんと一緒に12年もの歳月をかけてつくった「あたらしい“ふつう”のすいとう」&bottle(アンドボトル)

 当時を知る人も、きっともう忘れてるだろうなあと思っていましたが、twitterを見ていたら「まだ続いてたんだ!」というもっともな驚きはもちろん「ずっと待ってました!」って、ほんとかよ! みたいな方までいらっしゃって、人生100年時代、いよいよ焦ることねえなあ〜なんて思います。

 さらにInstagramでは、12年も前に出した雑誌を引っ張り出して一緒に撮影してくれる人もいらっしゃったり、一つの雑誌をこんなにも大切に保管してくれていて本当にありがたいです。

 そんな&bottleですから、気合も十分、いよいよ9/25から&bottle初の販売展覧会がスタートしました。タイトルは「お茶と水筒と」

 自然栽培でお茶づくりを続ける、健一自然農園(奈良)伊川健一くんと開発した、&bottleにピッタリなティーバッグの販売(10/1〜)や、実際にその使い心地を体感してもらえるよう、&bottleでお茶の提供もしています。

 そもそもこの「&bottle」というネーミングに込めた意味は、公式サイトにあるように、みなさんそれぞれの暮らしにそっと寄り添う相棒となって欲しいという思いを込めているのですが、実はもう一つ僕にとって、とても大きな意味がありました。

 それはいわば、日本のものづくりの、まさに「あたらしい“ふつう”」の提案です。

 “暮らしに愛をお届けする” 
 日本のものづくり企業のなかで、一番大好きなキャッチコピーを掲げていたタイガー魔法瓶(残念なことにいまはこのコピーは使われていません)。雑誌「Re:S」をきっかけにタイガーさんとの交流がはじまった当初、商品開発担当者の魔法瓶愛がものすごくて、魔法瓶マニアを自負していた僕は心底感動しました。

 しかしながら実際の現場では、開発者の愛以上に、大口のお客さんである家電量販店やホームセンターのバイヤーさんの意向に応えることの方が重要事項となっていて、つまりはどんな商品が売れているか、またどれくらいの価格の商品と並べられるかといった要素から、逆算していくものづくりが多くを占めていました。これはもちろん、タイガーさんに限った話ではありません。以降、いろんな企業さんとお仕事をするなかで、そういうものづくりがタイガーさんはまだ少ない方だとすら思うのですが、当時の僕はとにかくそれが本末転倒にみえました。

 なので、この「&bottle」はとてもシンプルに、メーカーとしての「今こんなものが世の中にあった方がいい!」「わたしたちはこんな商品を世の中に提案したい!」という気持ちの結晶です。それって当たり前のことじゃないの? と思われるかもしれませんが、当たり前は時代とともに変容します。そしてまたあらたな時代の変化でかつての当たり前が、再び当たり前となる。それが僕にとっての「Re:S=Re:Standard=あたらしい“ふつう”」です。

 消費者のために努力を続ける家電量販店やホームセンターが決してわるいというわけではないのですが、アパレル業界に代表されるようにセール価格を見越した原価計算は、薄利多売なサイクルを助長し、ひいては物を大切にしない人たちを増やしていくように思います。

 だからこそ、このサイクルを変えなきゃ!
 12年前にこのプロジェクトがスタートした頃から、僕がタイガーの一部の社員さんと共有していた大きなテーマはここにありました。

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