佐野 楓

人生に燃え尽きて生きる気力も無くなったアラフォー独女が、ゆるゆると生きる目的を見出しつ…

佐野 楓

人生に燃え尽きて生きる気力も無くなったアラフォー独女が、ゆるゆると生きる目的を見出しつつ、過去と未来を綴るエッセイ。

最近の記事

アラフォー独女が人生見つめ直す話〜4話

ーー『好きなことを、好きな時に、好きな場所で、好きなだけ』ーー 私の母はちょっと変わった家系だと思う。 何が変わってるかっていうと、まず祖父(母の父親)が家業を継ぐのが嫌で家出して勘当されたってところ。 どうやら函館で家具屋さんを営んでいたらしい。 家出をして祖母と結婚し、戦時中は樺太に居たそうだ。 そこで長男が生まれている。 敗戦の折に北海道へ帰還する前後あたりで次男が生まれ、札幌に腰を据えた後に母と妹が生まれた。 母に祖父の思い出を尋ねると「子供の頃によく空の酒瓶もっ

    • アラフォー独女が人生見つめ直す話〜3話

      ーー楓ちゃんに圧倒的に足りないのは「青春」だよねーー 大学に入った私はたくさんの「新しいモノ」に触れることになる。 ちょっとしたものから人生変わるものまで。 大学の4年間はひたすら勉強とクラブ活動の日々だった。 一般的な大学とは違って、最終目標は国家試験合格。 合格率を上げることが大学のステータス。 出欠確認は非常に厳しく、代返がきく授業は1年次のごく一部のみ。 定期的な試験の過去問は何かしらクラブに所属していないと入手しづらい、という情報もあり友達作りも兼ねて私は吹奏楽

      • アラフォー独女が人生見つめ直す話〜2話

        ーー楓さんは、死にたい?ーー 私は子供の頃から希死念慮があった。 「消えてしまいたい」 「どこか遠くへ行ってしまいたい」 「本当に神隠しがあるなら連れて行ってほしい」 まだ「死」という概念が朧げだった小学生の頃には、突如波のように押し寄せる「消えてしまいたい感」と共に生きてきた。 理由は何だったのか?と考えると、やはり一番は「生まれてきてしまってごめんなさい」と思っていた事だと思う。 母親は専業主婦だったので、私は3歳から幼稚園に通った。 私の世界は母親と、近所の幼馴染と

        • アラフォー独女が人生見つめ直す話

          ーーそれは衝撃の出会いだったーー 私は佐野楓(さのかえで)。41歳。独身。 高校卒業と同時に実家を出て予備校時代から一人暮らし。 一人っ子ではあったが蝶よ花よとはならず、決して貧乏ではないが裕福でもない、ごくごく平凡な家庭で育った。 少し変わっているとすれば、父親の実家が農家だったので小学生の頃は夏休みの半分以上を田舎で過ごし、従兄弟たちと一緒に畑仕事を手伝っていたくらいかな。 両親はちょうど「中卒、金の卵」時代の人。高校へ進学するなんて一部の金持ちだけ、もしくは働きなが

        アラフォー独女が人生見つめ直す話〜4話