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「躁」ってつまり何なんだろう?②躁と気質

   双極性障害は心的エネルギー水準が高く、うつ病は心的エネルギー水準が低いと私は考えています。(略)
 双極I型障害と軽微双極スペクトラムは、気分安定薬に反応します(※よく効くということ)。
 他方、うつ病の中でも「発揚気質や循環気質など躁的因子を持たない人」は抗うつ薬に反応します(※抗うつ剤がよく効くということ)。

 下図(※HP参照/とても興味深いグラフです)にエネルギー水準の曲線を引いていますが、双極I型障害から軽微双極スペクトラムに移行する部分でひとつの変曲点が存在し、軽微双極スペクトラムからうつ病に移行する部分でもうひとつの変曲点が存在します。
 後者の変曲点の背景には、気質の分布の違いがあると、私は想定しています。
 すなわち、図の下の方に変曲点が大きく地面に投影されたような円がありますが、この円の左部分に発揚気質や循環気質のような双極性障害につながる気質が存在することを示しています。逆に、円の右半分にはこのような気質が存在する可能性が低いことを示しています。気質の有無によって変曲点が生じ、これはエネルギー水準の高低の落差を明瞭にし、ひいては軽微双極スペクトラムに含まれるうつ病とそうでないうつ病を区別する。
 このことは、前者が気分安定薬に反応し、後者が抗うつ薬に反応するという薬物反応性の違いとして表現されるという私の仮説(Terao, World Journal of Psychiatry, 2012)です。

大分大学医学部神経医学講座https://www.oita-u-psy.jp/index.html

 「気質」(多分よく言われる’性格’とは違うもの)とはそれほどまでに双極症に関わっているようです。持って生まれた気質は、多分「良い悪い」ではないと思われます。だけど、「気質」を知ったるのは、自分にとって大きな気づきでした。
 ホームページのグラフを見ると(上記もされていますが)、双極症には「心的エネルギー」があることが分かります。「心的エネルギー」が何か、も分からないです。

 躁をもう少し探求したら、「心的エネルギー」に行ってみますか。


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