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同性婚認めないのは憲法違反 札幌高裁 についての見解

まず、私は 「日本国憲法が制定された時代に、同性婚という概念はなく。憲法は同性婚を想定して制定されたわけではない。」という保守的な立場であることを冒頭に述べる。

これは、伊藤真氏の憲法試験対策講座189ページより抜粋したものである。

このフローに沿って考えるところ、まず同性婚が人権として保障されているか否かというところを検討してみる。

これについては、有力な資料を得ることができなかったが

2015 年 6 月 26 日、アメリカ連邦最高裁判所は、 婚姻の権利を憲法上の基本的人権の1つと解釈 し、「同性間にも婚姻を認めないことは法の下の 平等に反する」との判断を下した。

という事実が存在する。

私の見解としては、冒頭のとおり、憲法が想定していない話なので、違憲も合憲もないわけだが。すくなくとも、同性同士の婚姻が通常の婚姻と同等でなくても、同性婚に なんら法的保障がないのは、差が有りすぎるので、法の下の平等に反するという立場をとってきた。

ただ、今回の札幌高裁の判決は、同等の婚姻の保障が必要で、全面的に現状は違憲であるとの判決との報道による情報であった。

報道は細かいところがよく間違って報道されることを知っているので、仮に報道が正確に行われているか確認をしたところ(URL)

https://t.co/0LZQEt9EEl

札幌高裁は、憲法判断はしているが、現行制度が違憲であるとは断じていない。

報道は、すこし偏向しているのではないかと考える。判決の主文を見る通り原告は裁判に負けている。

感想としては、この判決文、司法が結論から逃げている節を感じたし、この判決をもって、原告が勝訴したかのような報道をしているのは、少し怪しむところがある。

もう一度、この訴訟について検討して、あらためて見解を述べる。

まず、大前提として、同性婚については、憲法制定時に想定されていなかったとの立場は崩さない。

① 本件が憲法13条に反するか?
まず、LGBT理解促進法など関連法を整備するなどの立法措置が行われていることから、明白に反するとする材料を回避できる。

② 14条に反するか?
同性同士の婚姻が通常の婚姻と同等でなくても、同性婚に なんら法的保障がないのは、差が有りすぎるので、法の下の平等に反する。

③ 24条第1項に反するか?
反しない。現行憲法制定時に、同性婚という概念は想定されておらず、国に同性婚を認める法律を整備する最高法規による縛りは存在しない。

④ 24条第2項に反するか?
反する。 後段の「法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」の部分を解するところ、「個人の尊厳」にあたる性的アイデンティティについて、合理的な法整備をしなければならず、現行の法制度が合理的とは言い難い。 ②と同じ理由で。同性同士の婚姻が、通常の婚姻と同等とはならずとも、一定の法的保護を受ける権利は憲法典に明記されており、違憲である。

本件に関しては、無論のこと同性愛を罰したり、同性婚を禁止することは、憲法上許されないことであると同時に、同性婚を認める法律をつくることも憲法に違反はしない。
しかしながら、憲法典には、同性婚を通常の婚姻と同等のものとして法制化しなければならない最高法規としての縛りを国権に課しているとは言い難く、明白な違憲状態として【通常の婚姻と同等の同性婚が無いこと】を指すことはできない。

重ねて記載するが、婚姻と同等の法的保護がないことは違憲ではないが、同性婚になんら法的保護がないことは、憲法第14条と24条2項を理由に違憲とする。


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