昨年11月に亡くなられた伊集院静さん。享年73歳。
数々の文学賞を受賞し、ベストセラーも多い人気作家です。
エンタメ界でも活躍し、幾多の浮名を流したモテ男でもあります。
お酒を愛し、ギャンブルに興じる“無頼派”でもありました。
 
伊集院さんはどうやら出版社に借金があったようなので、出版社のほうでも伊集院さんの本はなんとしても売りたい事情があり、新刊が出るとわりとご本人が宣伝のために稼働することが多かったように思います。
 
おかげでわたしも伊集院さんのエッセイが出た際に、ご本人から話を聞く機会に恵まれたことがありました（仕事です）。
やってきた伊集院さんは冬だったこともあり、ニット帽をお召しで「昨日も4時まで飲んでたよ」とおっしゃっていました。
確かにカッコいいおじさまで、こりゃモテるなと思いましたが、お会いするということでご本人のことをいろいろと調べ、同時にこんな印象も持ちました。
 
自由で気ままな男。
 
わたしには“無頼”というのがどうも理解できず、伊集院さんが魅力的なのはわかるけど、だからといって「あまり女性を泣かせないでよ」とも思うのです。
「おまえに、おれのなにがわかるんだよ」
と言われたら吹き飛ばされてしまうわたしだけれど、もう故人になったんだからこれくらいのガヤは許してほしいです。
人が生きるというのはそれだけで迷惑をかけるものですが、その人に惚れたならその迷惑を喜んで引き受ける女性がかつて日本にはたくさんいたのかな――そんなことを伊集院さんの話を聞きながら感じました。
 
けど、惚れた女はそれでいいかもしれないけれど、あなたの血をわけた女性はそうはいかなかったんじゃないの？ とも思います。
 
娘さんです。
女優で作家の西山繭子さん。

繭子さんいわく「父と一度も一緒に暮らした記憶がない」。
伊集院さんは３度ご結婚されていますが、繭子さんは最初の奥さんとの子で、出生前に伊集院さんは家を出ていった――と、ウィキペディアにありました。
これだけ読むと、ヒドくない？って思いますよね。
私もそう思っていました。
 
けど、伊集院さんが晩年になると、繭子さんは伊集院静事務所の経理をお手伝いしているという記述が繭子さんのエッセイにあり、なんだかホッとした記憶があります。

人様の家庭の事情を、おまえが勝手に心配するなよ！ というご意見はごもっともですが、わたしもそこそこヘンな家で育ったものですからどうしてもこういうの、気になるのです（笑）。
 
どうやら血のつながりは、ほどきようがないようで、結局収まるところに収まっていくのかもしれません。
というか、なんだかんだ伊集院さんがやっぱりイイ男だから、最期に素敵な関係を築けたのかも。
繭子さんも、お父さんのことが大好きなのが溢れていて、下記のコラムの最後の親子写真がとても素敵です。

あー、よかったよかった。これでハッピーエンド。
と行きたいところですが、わたしにはどうしても引っかかる点がひとつだけ残りました。
それは、繭子さんのこじらせっぷりです。

現在、繭子さんは45歳で独身。
連載しているコラムのタイトルが『女子力ってなんですか？』。
リンクに飛んで、他にも気になる記事を適当に選んで読んでみてください。
やたら自分のことを「おばさん」扱いしていて、毎回笑っちゃいますから（笑）。
 
そしてオフィシャルブログのタイトルが『Untrue Life』。

これも適当な記事を選んで読んでみてください。例えば、コレ。

最後に読者からのコメント欄があるのですが、そこが罵詈雑言の嵐なのです。
ちょっと紹介すると、

これら、いくらなんでもあんまりですよね！？
けど、気づいてほしいのはブログタイトルが『Untrue Life』。
つまり、自作自演なのです（イマイチよくわからない人は、ブログ『Untrue Life』に飛んでご自分でもコメントを書き込んでみてください。無理ですから……笑）。

西山繭子さん、美人なうえに面白れぇーｗｗｗｗｗｗ！！！！

 
このこじらせっぷりは、育った環境から形成されたものっぽいですよね。
きっと治るものでもなさそう（失礼ｗ）。
ま、でも、それも才能豊かなお父様から受け継いだ遺伝子だと思って、今後もわたしたちを楽しませるために使ってくださるとうれしいです。
お父さんと同じで、最後はいい感じで丸く収まるんじゃないかな、
なーんて思わせてくれる、繭子さんの明るさが好き。