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#11 理学療法管理学必修科目化が示す、理学療法士(機能訓練指導員)のこれからの働き方

 ニュースサイトをダラダラと流し見していたところ、こんな記事にぶつかった。

“理学療法士養成カリキュラム改定20年ぶり”

 ちょっと気になって中身を見ていくと、PT養成校で「理学療法管理学」なるものが新たに必修科目に追加されるとのこと。それが何なのか、理学療法士協会HPのガイドラインによると、

...他職種との業務調整にカンファレンス、人事考課に労務管理!?
    どうやらPT養成校で【マネジメント】についても学ぶってことみたい。

 理学療法士(作業療法士)は、徒手療法などの技術によってのみならず、今後はマネジメントもして成果を上げようって話で、そこまで興味ない人も多いんでは。

 でもこの流れ、実は通所リハビリテーションや通所介護などの介護分野においては既に始まってるということは、これからPTを目指す学生や若手PTは分かっておいた方が良いですよ。

通所リハビリテーションの現実

 通所リハは先の改正で4時間以上の区分で報酬が大幅にダウンした。本来は心身機能の回復を図って活動や参加へ繋げていかなきゃいけないのに、レクや入浴での長時間滞在型があまりに多すぎってことで。

    じゃあ通所リハは、PTを手厚く配置して質の高い個別リハを提供するような場にもっとするべきなのか?これが否なのよ。

 通所リハのPTはもはや「個別リハ」中心に仕事する場所ですらなくなってると言える。そのことは、例えば診療報酬で比較してみるとわかる。

脳血管疾患等リハ(I) 1単位 (20分) 245点
通所リハ 短期集中リハ加算 40分 110単位

  同じ「個別リハ」を報酬の面で比較した時、診療報酬と時間単価は5倍くらいの差がある。

    通所リハで仮に勤務時間中常に個別リハを担当させてもらえたとしよう。8時間勤務として担当できるのは1日9人くらいかな。単純計算で1日9人の20日出勤だとして月198,000円(1,100円×9人×20日)の売上になるが自分の給料すら稼ぐことができない。

 これでは「自分の技術で利用者さんを良くしたい」という志を持っているPTにとってあまりに不憫だと思う。

 でもだからといってPTが活躍出来ないかというと、僕は全然そんなことはないと思っている。通所リハや通所介護などの介護分野におけるPT(機能訓練指導員)の役割は、技術からマネジメントへ少しずつシフトしていく。

個の技術よりチームプレイで得られる成果が大きい

 個別リハの時間は減る一方で、他職種への指導や居宅訪問、カンファレンスや通所介護への計画書作成指導などが重要な仕事になってくる。要はリハマネ加算で位置付けられている仕事量が増えていくってこと。まぁどこもかしこもってことはないけど、利益を出してちゃんと経営していこうとする通所リハではそうなるだろうね。

 通所介護にも[生活機能連携向上加算]なるものが新設された。これもまさしく通所リハ等のPTが、通所介護の職員と共同でアセスメントし計画書を作成するというものである。一緒にリハビリをするのではない。通所介護における機能訓練のマネジメント指導を任されているのである。同様の活躍の場は今後も広がっていくと思う。ちなみに弊社のリハビックスでは、機能訓練指導員を必ず配置し、彼らが訓練計画をマネジメントする体制をとっているのでこの加算は算定していない。

 僕は、このような流れはPTにとって非常に大きなチャンスだと思っている。それはどういう意味か。

 そもそもPTOTや柔道整復師が持つ個人のスキルで、目の前の利用者さんが望む暮らしを実現できる場面はそう多くない。でも、専門職としての自分のスキルを他職種メンバーにも指導したり、更には他社の専門職とも連携したりすることで、その可能性の幅はぐんと広がる。

 当然仕事に必要な知識もレベルも上がるし、多くの関係者を巻き込みながら利用者の課題を解決していくことは大変でもあり、とてもダイナミックな仕事と言える。上手くいった時の喜びも一人の時の比ではないだろう。

 冒頭から随分とそれたが、養成校での理学療法管理学の必修科目化は、そんなPTのこれからの活躍を示しているんだと思ったわけである。

PS; 弊社の運営するリハビックスでも、今日話したようなチーム中で生きる機能訓練指導員を絶賛募集中です。この記事にピンときた方は連絡を!
yuta-nishikawa@rehabix.com
www.rehabix-okinawa.com(リハビックスHP)

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